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Office io|トゥモローゲート企画①「宣戦布告・君の色編」での引き算の設計方法を大公開。

「ブラックな企業」のキャッチコピーでおなじみの「トゥモローゲート」という企業さんをご存知でしょうか?
この企業さんの考える企画はいつもぶっ飛んでいて面白い。
駅広告を買って、社員の写真載せたり、ブラックなコピーアワードと称してツイッターでキャッチコピーを公募したり。

およそ前例のない、しかも楽しい企画の数々は、ボクもいつも注目しているところです。

今回は、そんなトゥモローゲートさんの企画に「Office io」ととして参加させてもらった時の作品をコンセプトメイキングから掘り下げていきます。

ぶっ飛んだ企画に参加する

今回、Office io として参加したのはこの企画でした。
(現在はもう募集は終了しています)

 

駅広告に載せる広告を公募するなんて、めっちゃ面白い。
しかも、これはクローズドなコンペではなく、Twitterをいう媒体をベースにそのエントリー作品が全て見ることができます。
これは良いですよね。

いくら高名なコンペでも、審査過程がブラックボックスで、決局自分の作品がどう扱われたかもわからない企画よりも、すごく親近感があります。

作品を出すことで、Twitterユーザーの方にも見てもらえるし、なんならいいねやコメントまでもらえる。
お祭り気分とは言いながらも、参加させてもらうことにしました。

コンセプトメイキング

この作品を作ろうとした時、真っ先に頭に浮かんだのはコンセプトイメージでした。
ちょうどこの頃、ブラックホールの撮影に成功した、というニュースで盛り上がっていた最中。
ボクの頭に浮かんだのも、ブラックホールを中心に、無限に広がる宇宙のイメージでした。

宇宙はそのまま未知のもの、つまりは無限の可能性を表現します。
そして「ブラックホールの撮影」という前代未聞、まだ誰も成したことがないことの達成は、そのままトゥモローゲートのビジョンと重なります。

駅の広告にデカデカとブラックホールを表現できたら面白いだろうな…

この企画はそんな思いつきからスタートしました。

ビジュアルに落とし込む

Office io の制作はいつもコンセプトとビジュアル、両方からスタートして、同時にお互い歩み寄る特殊なスタイルです。

今回もこのコンセプトイメージをデザイナーであるハナさんに共有するところからスタートしました。
この当時、ハナさんとしては「筆絵」の技法にはまっていたとこもあり、ビジュアルとしてはまた別角度からのイメージが湧いてきたようです。

それは「いくつもの色が混じり合い、一つに溶け合うことで黒になる」というもの。
これはトゥモローゲートさんの企業理念にとても一致する部分。
言うなら「なぜブラックな企業を名乗るのか」と言う本質にも当たる部分です。
これは是非とも表現したいところ。

そこで、今回はまずビジュアルの方から詰めていくことにしました。

シンプルに「多くの絵の具、やペンキが上部から流れ込み、画面の8割は真っ黒。」
この黒い部分にキャッチコピーを入れると言うところまではあっさり決定しました。
この時点ではブラックホールの要素は一旦無視です。

上記イメージをベースにまずはビジュアルの初稿が完成します。

この時はまだ、上部のインクの上にバケツのモチーフをのせていました。
バケツから流れ出したインクがキャンバスを塗りつぶしているイメージです。
それを外したり、色の強さ、ばらけ感を調整しつつ、ブラッシュアップしていきます。

そして、最後にボディの黒い部分に宇宙をはめ込むことにしました。
この時点でブラックホールは完全に無しにしました。

理由としては要素過多になるからです。

上部の様々な色がすでに強い主張をしてます。
その時点で、このビジュアルコンセプトはあくまで「多くの色が混じり合って黒になる」です。

ここにブラックホールを付け足すと、「まだ誰も成したことがないことの達成」と言う別の要素が加わることになります。
これは広告としての本質を大きく外すことになります。

余談ですが、クライアントさんがよくやる「何でもかんでも鮨詰めデザイン」が良くないのは、「言いたいことがぶれて結局伝わらない」からです。
ここをちゃんとディレクションできるか、はディレクターの重要なポイントだと思います。

デザインだけでなく、ちゃんとコンセプトの一本化は常に意識しておきたいところです。

ブラックホールは外しましたが、一方で宇宙の要素は残しています。
それはなぜか?

これは次の「ターゲット」とも関わる部分になります。

ターゲットを設定する

さて、本来ならビジュアルを作る前にコンセプトとターゲットは明確に絞り込み、ぶれないようにするのがセオリーですが、今回は祭りの要素も多分にあるため、ターゲット選定をしたのは実は一番最後でした。

トゥモローゲートさんの広告なので、シンプルにターゲットは2種類となると分析しました。

①トゥモローゲートに興味がある就活生
②トゥモローゲートに仕事を依頼したい企業

色とりどりの原色をまだ見ぬ才能と位置付ければ、この広告のターゲットは①トゥモローゲートに興味がある就活生 以外に考えられません。

そして、その才能が混じり合う黒には無限の可能性を見出したいと考えました。
なので、ここで初めて黒の部分を宇宙にしたビジュアルへと昇華させます。
決して無理やり当てはめたものではなく、必然を持ってバージョンアップさせているところがポイントです。

さらに、このビジュアルだけではターゲットが自分ごととして意識して捉える可能性が低いため、わかりやすくキャッチコピーを添えます。

用意したコピーは以下のものです。

宣戦布告。
ようこそ、ブラックな企業へ。
君は君の色を出せるか?

自分の色=自分の才能を信じて疑わない人ほど、この挑戦的なコピーは刺さると考えました。
これは同時にトゥモローゲートさんが欲しいと考える人材とほぼイコールであると判断しました。

このキャッチコピーを添えて、広告企画の完成です。

ちなみに、このビジュアルはあくまでラフで、実際に駅広告になるのであればリアルペイントでこれを表現しようと考えていました。

このアイディアはTwitterに流した時から非常に高評価をいただき、最終的には75いいねをいただく結果となりました。

何かしらが見てる人に刺さり、心震わせた結果かなと思っています。

嬉しい限りです。

 

ABOUT ME
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Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。