時代の変化が一気に激しくなりました。
2019年のちょうど今頃、ボクはいくつかのトークイベントに登壇してるのですが、その中で「新しい時代がくる」「クリエイターはその時どう働くのか?」みたいなことをテーマとして色々話をさせていただきました。
詳しい内容は過去記事を参照いただくとして、今回はいきなりやってきたこの新時代で、どうしたら時代に置いていかれることなく走り続けることができるのかを考察してみたいと思います。
なかなか答えの出ない時代ではありますが、一つの参考くらいになれば幸いです。
強制イノベーションの時代
新型コロナの出現によって、2020年は一気に時代が新しくなったと感じています。
それをボクは「強制イノベーション」と表現しています。
飲食店の店内営業が自粛になり、テイクアウトを中心とした営業形態に変化しました。
ここでUber eatsを導入できた店舗と出来なかった店舗の間には大きな差が生まれていると思います。
これは単純に売り上げだけの差ではありません。
次の時代への適応準備の差だと思っています。
オンライン会議をしていなかった企業が、いきなりリモートワークを導入せざるを得なくなりました。
ここでもその変化に対応できた企業と出来なかった企業、する気がない企業との差は大きくなります。
今だけでなく、この先もっともっと大きな差になるでしょう。
この強制イノベーションの時代に、旧時代を振り返ったり、しがみついたりしている余裕はありません。
必死に、見えない未来に向けて走り続けるしかないわけです。
冒頭で、昨年のトークイベントで「新しい時代の到来」を主張していたボクですが、さすがにここまで速く、また強引に新しい時代がくるとは思ってもみませんでした。
なんだかんだであと3年〜5年くらいのスパンで、ゆっくりと新しい時代に移り変わっていくと思っていたからです。
この時代の節目の中で、3つの大きな格差が生まれてくると予想しています。
情報格差
まず、一番に訪れるのが情報格差です。
いくらコミュニケーションツールが発達し、LINEだzoomだ出てきても、結局それを使うのは人と人です。
一人でコミュニケーションは成立しないわけなんです。
若い世代が新しい技術に適応するのが早いのは、興味関心の感度もそうだけど、それだけ使う友人や先輩、仲間がたくさんいるからで、年齢を重ねるほどにそれは減っていきます。
例えば、家族を無視して対外コミュニケーションを取るのは難しいでしょう。
幼い子供が居たら音には気を遣うし、仕事以外のコミュニケーションなら奥さんの目もあるわけです。
もちろん、会社の中での役職や立場も関係します。
仕事以外の他人との繋がりが減へれば、薄くて広いコミュニケーションも減るわけです。
年齢を重ねることは、コミュニケーション範囲が濃縮、凝縮するということにもなるわけです。
どうでもいいやりとりや、薄くて情報価値の低いコミュニケーションは減っていくからです。
家族間コミュニケーションが増える代わり、新鮮で自分の無意識外の情報を得る機会もまた減っていくんですね。
質量保存の法則みたいに。
そして、ここで失われるのはコミュニケーションだけではありません。
人から得ることができる「生きた情報」「鮮度の高い情報」も減っていきます。
特にボクら昭和生まれの世代は、意識しないと鮮度の高い情報は得られなくなってます。
ぴえんも、エモいも、つらみも、音としては知っていても、「生きた情報」として処理し、言葉として使うことができないのは、周囲にそれをリアルに使う人がいないからです。
通常のコミュニケーションの中でそれを聞く機会がないから当然ですね。
若者の言葉が外国語となっていく理由です。
おっさんより若者世代の方が情報感度が高いのはそれだけコミュニケーション密度が薄くても、広いからなんだと思ってます。
思い返せば、ボクらも20代の頃は特に用がなくても友達と話して遊んで、メールしてたわけです。
それが結婚をして、子供が生まれ、家族が増えたら次第に疎遠になってくる。
だから人との関係性だけでなく、新鮮な情報からも遠ざかることになるわけです。
そんな状況の中で、強制リモートワークに突入したらどうなるか?
シンプルに仕事のやりとりしかしない状況は、若い世代の雑談やノリから完全に切り離されていく状況になるわけです。
そうすると、「若い感性」を得る場所がなくなる。
ターゲットが若くなればなるほど、そのペルソナを想像する感度が下がるわけです。
これはとても怖いことだと思ってます。
ボクも気をつけないと・・・
経済格差
経済格差は確実に起こります。
今ですら既にそうだったのに、それが輪をかけて広がっていく。
この時代の波にうまく乗れた人は一気に駆け上がり、逆に乗れなかった人は置いていかれることになるわけです。
では、どうすればその波に乗れるのか?
ごめんなさい。
さすがにまだそこまでの結論は出ていません。
何しろ、まだこの時代の落ち着き先が見えていないから。
ただ、去年から言ってることとして、「正社員かフリーランスか」の二者択一な考え方はそろそろ完全に忘れた方がいいと思ってます。
複数の企業、複数のプロジェクトをまたいでそれぞれの場所で活躍できる人材になること。
とても抽象的ですが、これからの時代にはその柔軟性と適応力は必要になると感じています。
あとは自分の武器を探したいですね。
ただのスキルではなく、もっと本質的に自分が得意とすることが誰にでもあるわけです。
他人が苦労してやってることが、楽しくて、しかも楽だと思うこと。
それがあなたの能力です。
例えば、自分から人に気軽に話しかけることができるとか、黙々と単純作業を繰り返すことができるとか、そんな些細なことで大丈夫です。
まずはその得意を見つけ、意志を持って育てていくことが新時代の武器になるはずです。
適応格差
三つ目にボクが言っているのが「適応格差」です。
シンプルに、今回のコロナ禍でzoomやTeamsといったオンライン会議を違和感なく取り入れることができた人はまだ大丈夫。
これを無条件で拒否したり、使えないと思考停止した人は要注意ですね。
新しい時代に適応できない可能性がある。
人は結構変化や新しい挑戦を拒みがちです。
(もちろん、それが好きな人もいますけど)
でも、今回のこの強制イノベーションにおいては、嫌だから導入しない。という選択肢はありません。
導入を前提に、そこからさらにどううまく使うかを考えるべきなんです。
でも、やはり前時代に縛られたり、しがみ付こうとする人が一定数いる。
その人が自分の会社の経営者とかだったりすると結構やばいです。
時代の流れが読めていないか、その人自体に能力がないか…あるいはその両方か。
適応できない人から順に置いていかれる時代になってます。
もちろん、それが良いとはボクも思ってません。
解離が生まれる社会をどう取り繕っていくか。
ただ、新しい時代に来ない人を無理やり連れてくるわけにもいかない。
ここからがむしろ大変な時代になりそうです。
大解離時代。
それが次の時代の社会課題になるとも思っています。
自分の信じた道を行く
一気に正解が失われた時代の中で、ボクらができることはただ一つ。
「自分の信じた道を行く」ことだと思ってます。
自分の信念に準じた道であれば、きっとそれは正しい道だからです。
失敗ではなく、経験と感じられるはず。
でも、人の後についていこうとするときっと失敗します。
何しろ、その人だって正解を知ってるわけでもないですから。
新しい時代の、新しい生き方が問われています。
さ、あたなならどうする!?
Andy過去の登壇履歴はこちらの過去記事からご確認ください。