ブランド戦略論

99%の企業がやっているブランド戦略の大間違い3選

ビジネスを成長させるために「ブランド戦略」を立てる企業が増えてきている。
ただ、残念なことに99%の企業はその戦略のどこかで“致命的な間違い”を犯しているといえる。
さて、あなたの会社は大丈夫だろうか?

今回は、企業がやりがちなブランド戦略の失敗3選を紹介し、どうすれば本当に成果の出るブランディングができるのかを解説してみようと思う。

間違い1. 課題を放置したまま、表層だけを整えようとする

「ブランドを強化しよう!」と考えたとき、多くの企業が最初に手をつけるのが「ロゴの刷新」「パッケージデザインの変更」「広告ビジュアルのアップデート」などの“見た目”の部分。

もちろん、デザインの力は強い。

ただ、本質的な問題が解決されないままでは、いくら外見を整えてもブランドは機能しないのだ。

闇雲に見た目を整えるのではなく、きちんと課題の本質を掘り下げ、自社の強みを言語化し、最適化されたアウトプット(デザイン)に落とし込むことをオススメしたい。

ありがちな失敗例としては以下のようなものがある。

1)商品の品質や顧客体験に問題があるのに、ロゴだけを変更して「リブランディング完了」と考える。

2)顧客の不満や市場のニーズを理解せず、パッケージデザインを一新する。

3)企業文化やビジョンが不明確なまま、広告キャンペーンを展開する。

どれも小手先で深く考えていない結果の行動だ。
つまりは「戦略」が練れていないわけで、これはブランド戦略とは呼べない。

では、どうすればいいのか?

ブランド戦略の第一歩は、「企業の根本的な価値を見直すこと」だ。

成功している企業は、デザインの変更だけでなく、自社の強みや課題を洗い出し、本質的な改善を施した上でブランディングを行っている。

事例①:スターバックスのロゴ変更

スターバックスは、2011年にロゴを変更した。
しかし、それは単なるデザインのアップデートではなく、「よりグローバルなブランドへ進化する」というビジョンのもとで行われた。
実際に、ロゴ変更と同時に新しい店舗コンセプトやデジタル戦略を展開し、ブランド価値を高めることに成功している。
日本中にあふれかえるスタバの店舗を見たらその結果は一目瞭然だ。

間違い2. 戦略と実行がバラバラになる

「戦略はコンサルに依頼、実行は社内や外部の制作会社に発注」という分業体制は、多くの企業で当たり前のように行われている。
ただ、残念だけどこのやり方ではブランド戦略と実際のアウトプットが噛み合わないことが多い。
戦略からアウトプット、そして実行までを分断なく進行できて初めてブランド戦略は価値が出る。

私自身が常に心がけ、また企業さんに提案し続けているのもこの部分だ。

ありがちな失敗例としては、以下のような事例がある。

1)経営層が描いたブランド戦略が、実際の広告クリエイティブに落とし込まれない。

2)コンサルが作った戦略資料を、現場の制作チームが理解できず、意図とズレたものが出来上がる。

3)「ブランドの方向性」と「日々のSNS運用」「広告デザイン」がバラバラになり、統一感が失われる。

では、どうすればいいのか?

何事も単発のコンテンツとして処理するのではなく、一連の連動するコンテクストとして運用することが大事だ。
つまり、ブランド戦略とクリエイティブの実行を分業せず、一貫したストーリーとして組み立てるしかない。

事例②:Appleのブランディング戦略

Appleは、ブランド戦略とクリエイティブを完全に社内で統合管理している。
プロダクトデザイン、マーケティング、広告、店舗デザインまで一貫したブランド体験を設計し、どのタッチポイントでも「Appleらしさ」を感じられるようにしている。

いまやAppleの勢いはとどまることを知らない。
そのバックグランドには、徹底したブランド戦略が敷かれている。

間違い3. ブランド戦略の効果がすぐに出ると思っている

「ブランド戦略を導入すれば、すぐに売上が上がる」と期待していないだろうか?
実際には、ブランド戦略は短期的な売上向上を目的とするものではない。
どれだけ丁寧に積み上げることができるかで、未来の売上を取りに行くイメージが重要になる。

ありがちな失敗例として上げるなら、以下のような感じ。

1)ブランド戦略を立てたのに、数ヶ月で結果が出ずに諦める。

2)ブランド構築とマーケティング施策を混同し、「広告費をかければブランドが育つ」と勘違いする。

3)短期のROI(投資対効果)ばかりを気にして、長期的な視点を持たない。

では、どうすればいいのか?

ブランド戦略は「資産形成」と考えるべきだ。
成功している企業は、短期の売上だけでなく、長期的なブランド価値の積み上げに投資している。

事例③:無印良品のブランド戦略

無印良品は、大規模な広告を打たず、企業理念に基づいた商品開発と体験設計を徹底している。
その結果、「無印らしさ」が確立され、ブランドの信頼が長年にわたって積み上げられている。

目の前の売上を取りたいなら、営業活動に投資するほうがよっぽど効果は上がる。
優秀な営業マンを増やしたり、広告をたくさん打つことで一時的な認知拡大や売上の改善は見込めるだろう。

ただ、それは持続可能だろうか?
奇抜なキャンペーンはすぐに飽きられる。
そんな自転車操業的な施策ではなく、長くじっくりとファンを構築し、丁寧に売上を拡大する手段。
それがブランド戦略なのだ。

まとめ

ブランド戦略の失敗は、どの企業でも陥りがちだ。

しかし、成功するためには、以下の3つを意識することが重要だ。

1)表層的なデザイン変更に頼らず、本質的な価値を強化する
2)戦略とクリエイティブを分業せず、一貫性を持たせる
3)短期的な効果を求めず、ブランド資産を長期的に積み上げる

「戦略とクリエイティブを分業しない強み」を活かし、企業のブランド価値を最大化するための一歩を踏み出してほしい。

さて、あらためて考えてください。

あなたの会社のブランド戦略は、本当に機能しているだろうか?

もし、上手く行っていないと思うなら、お気軽にご相談を。

それではまた。

ABOUT ME
Andy
Brand & Strategy 編集長/Dot.inc,CEO/Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本の総生産を上げたい。