キャリアがある人がすごいのは、圧倒的な基礎技術力があるから。
この土台を疎かにして、アイディアだけで勝負しようとしても絶対に上手くいかない。
この基礎基本を無視しても、絶対に能力は伸びていかないんだよね。
動画編集、どこまでこだわりますか?
最近はさすがに自分で編集をすることは少なくなった。若手クリエイターのみなさんにお願いして、ボクはプロデューサーの位置でチェックさせてもらうことが多い。
ちなみに今もまだ遠隔でガリガリに編集の修正指示出してるけど、最低でも5フレ単位の良し悪しにこだわってます。
1フレは30分の一秒。
このわずかな差で実は動画の上がりの心地よさは変わる。
目線の動き、口を閉じた瞬間、首を振る前・・・このあたりが見えているか、気にかけているかは動画編集としてはすごく重要になると思ってる。
もちろん、完成後の映像からはそんなところにこだわったのかなんかわからない。
でも、大事なことなんだよね。
あと、何でもかんでもフェード使わないってのもひとつ。本当に心地よい編集は全てカットで繋げる。
加工を使うのはあくまで「演出」で、つなぎのためじゃない。
動画なら、極上のモーショングラフィックスを作れる事も大事だけど、カット編集が下手だとお話にならない。
目線は繋がってるか?
音声は繋がってるか?
どんなテンポで絵を切り替えるのか。
頭ごなしに情報詰め込まれてもついていけないんだよね。
心地よく視聴出来るか。は自分が体感して初めてわかる。
その基礎と知識があって初めて、技術は活きる。
言葉一つにこだわれますか?
例えば、コピーライターを名乗りたいなら、胸を張って名乗ればいい。
ただし、コピーをただインパクトのあるワードの寄せ集めで良いかと思っているなら、それは基礎となる考え方が出来ていないと思う。
確かに意外なワードの組み合わせは印象に残りやすい。
ただ、商品やサービスによっては、人々が身近に感じるワードや、わかりやすく、親しみがあるワードの方が適していることもある。
また、狙いがあったとしても、不快な表現はできるだけ避けるとか、マイナスイメージのグレーゾーンな表現はしないなどの配慮も必要になる。
言葉もニュアンス一つ、句読点一つで印象は大きく変わる。
だからこそ、クリエイターとしてはこだわり、大事にしていきたい部分だと思ってる。
言葉は生きてるし、言葉が生かしてくれる。
クリエイターとしてはこだわり、大事にしていきたい部分だと思ってる。
デザインは表層美とは違う
動画編集にしても、デザインにしても、技術に走る前にちゃんと基礎を押さえておきたい。そしてこれはデザインも同じ。
文字と文字のつなぎにどれだけの余白があると心地よいのか知らないとデザインは出来ない。
独学で学んだ駆け出しデザイナーさんが知っておくべき基礎知識の話。
「デザイン」とは何かをもっと因数分解して把握しておくと良いかもね。
ざっくりいうならデザインは情報整理と表層造形の2層からできてる。
そして、この2層を自分なりの手法で掛け算し、駆使することで戦略・設計を具体化し、課題解決につなげていく。
本来はどんなデザインでも設計ありきなんだけど、ネット時代の今ではソフトのオペレーションスキルだけを学ぶことが出来るから、勝手に細分化、簡略化が進んでるイメージ。
表層美を整えるだけの本来は作業(オペレーション)の側面だけで、デザインとしては本質が足りてない。
オペレーションは、ソフトを使うスキルがあれば対応可能で、現在デザインを安く受注する人が多いのはここがメイン。
もちろん、これも一つの仕事だし、必要な要素。
ただ、本来のデザインはゴールやターゲットの設定とそこに対してのアプローチ(情報整理)が必要となることは知っておいた方がいい。
そのためにはデザインの「プロセス」であり、設計するための設計思考に奥行きが必要。
ちゃんと体系的に学んだ人は理解できると思うけど、ソフトが使えるだけの人はここまで意識が行かない。
設計からキチンとできるデザイナーを目指すなら、やっぱりキャリアや経験、あるいは指導者が必要になる。
そして、この考えはデザイナー(オペレーター)だけでなく、発注者側も知っておくべき知識だと思ってる。
自分が発注しているのは「デザイン」なのか?それとも「オペレーション」なのか?
オペレーションであれば、自分が「設計」出来てるのか?
この分析一つでお願いする人の質が変わってくるはず。
例えば名刺制作一つでも基本はちゃんとおさえたい。
・フォントのうつくしさ
・行間、文字間、空白への意識
・整列の徹底
もちろん、レイアウトでは相手の読む順番を意図的にコントロールするよう計算する必要がある。
クリエイティブの、奥は深い。