今回は、動画を制作するにあたって事前につくっておくべき「絵コンテ」の書き方について、簡単に解説していこうかと思います。
いまや誰もが動画を撮影して編集する時代。
だからこそ、その動画制作の設計図ともいうべき絵コンテは準備出来たほうがクオリティを上げることができます。
ぜひ、参考までにご一読ください。
手順①動画の目的を決める
絵コンテを制作する場合に一番大事なのは、動画の目的です。
WEB動画だと仮定して、それが何のために制作されるものなのか、をきちんと決めておくということですね。
集客が目的のものなのか、認知向上なのか、それともイメージ先行のものなのか・・・このあたりの軸がないと、どんな画作りをすれば良いかも決まりません。
もちろん、この部分はクライアントさんが提示する場合もあります。
自主制作だとすると、それを自分で決めるわけですね。
これは制作の中で一番大事な部分だと思っています。
手順②動画の尺を決める
動画制作の目的が決まったら、次はメディアに合わせた尺の設定を行います。
30秒CMなのか、1分PVなのか、30分ドキュメンタリーなのかで撮影構成も素材量も圧倒的に変わってきます。
撮ってから良い絵だけをつなごう、と思っていても、上手くいかないのはこの基本設定が出来ていないためです。
30秒なら30秒なり、1分なら1分なりの起承転結を映像に盛り込む必要があるからですね。
ちなみに、ボクはおおよそ3秒1カットでカット数を算出します。
あくまで平均値ですが、これをベースにエクストラを撮影しておけば、少なくとも素材が足りなくなることはありません。
動画尺以外にも、盛り込むべき情報などがある場合は必要情報を事前に整理しておきます。
テロップ1行出すのに3秒だと尺が短すぎる場合もあるからです。
そんなときはテロップベースとなる絵を用意する必要があります。
手順③映像イメージを固める
ここまできてようやく映像イメージを固める段階に入ります。
頭の中にあるイメージをまずはなぐり書きで良いので書き出してみましょう。
まだ絵にしなくても、メモレベルのテキストでも構いません。
おおよそのイメージが列記できたら、それが実現可能かをロケハンして確認するのがベストです。
ただ、そうそう現場に行けないこともあるので、画像検索やGoogleさんのストリートビューなどを上手く使うのがおすすめです。
類似動画を探して、よりリアルなイメージ作りに使うのも一つの方法です。
これは内容をパクるという意味ではなく、カットや撮影アングル、編集テンポなどをリアルに理解するのに有効です。
手順④絵コンテに落とし込む
ここまできて、ようやく絵コンテに落とし込みます。
絵コンテは、自分の頭の中のイメージを具現化する大事な資料です。
スタッフさん、演者さんは、それを見て共通理解を深めます。
なので、絵は上手くなくてもかまわないので、丁寧に、わかりやすい書き方を心がけます。
人物は○△□で充分ですし、背景も写真などを共有できるなら細かく書き込む必要はありません。
それよりも、カメラワークなどのイメージがすでにある場合はその指示を細かく書き込むようにします。
どれだけ自分の頭の中のイメージを具体的に他人に伝えることができるか、その点をしっかりと意識します。
手順⑤バージョン違いを用意する
一つの絵コンテができたら、バージョン違いを用意してみるのもおすすめです。
事前に想定しておくだけで、撮影スピードを落とすことなく、違うカットを撮影できたりもします。
このあたりはカメラマンさんとの呼吸もあるので、しっかり事前相談しておくようにしましょう。
もちろん、これは一人ディレクターで自分がカメラを回す場合にも有効です。
思いつきで撮影するだけでは撮れ高が見えません。
最低限の構成を守りつつ、エクストラでよりよいシーンを狙っていくのがおすすめです。
まとめ
という感じで、絵コンテは実は7割以上が事前準備にかかってます。
絵が上手くなる必要はありません。
ちゃんと伝わるか、自分ひとりの場合でも、ちゃんと思考整理ができてるか、そのあたりを意識しながら準備してみましょう。
今回の内容は動画でも公開しております。
良かったらこちらも合わせて御覧ください。
それではまた!