LEICAに恋して

Leicaに恋して。〜ミニマリスト、沼に落ちる〜

Leicaを手にするまでは、カメラといえば、コンデジかiPhoneくらいしか使ってこなかった。

クリエイティブを生業とし、動画や写真の撮影ディレクション、企画や構成に携わってもう15年以上。
撮影機材としてのカメラは、比較的いつも身近にあった。
ただ、ボクにとってカメラとはその道のプロに使ってもらってこそ活きるものであり、それを専門に扱おうと考えたことは一度もなかった。
あくまでボクはディレクターであり、ジェネラリストであり、なにか一つのスキルを極めるスペシャリストではなかったからだ。

ミニマリストとして生きる

仕事(商業クリエイティブ)のために生きることを決意した29歳のとき、ほとんどすべての持ち物を処分して、何も無い部屋に引っ越した。
大好きだったサーフボードもスノーボードも、車も自転車も家具も家電も手放した。

残ったのはPCとベッド、スーツケースに入るだけの服くらいだったと思う。
小さな冷蔵庫と共用のコインランドリーが備え付けられたマンション。8畳ほどの小さなワンルーム。
当然、テレビも電子レンジもなかった。
思えば、あれはまだミニマリストという呼称すらなかった時代だったかも知れない。

そんな、ミニマリストとして生きることを選んだボクが、一つの趣味にのめり込むことになった。
それがカメラであり、Leicaだったのだ。

写真家・村田雄平さんとの出会い

忘れもしない2020年夏。
ボクは担当するアパレルブランドのプロモーションのため、小さなポップアップストアのイベントを京都で開催していた。
そこに、わざわざ東京からプロフォトグラファーの村田雄平さんがLeica Q2を持って遊びに来てくれたのだ。

「Andyさん、このカメラはマジでやばいっすよ!!」

言葉数は少なくとも、熱の籠もったその言葉に嘘はなかった。

初めて手にするLeica Q2のレンズを通しての視界。
試し撮りをしてみると、一瞬でその写りに虜になった。
それまでに使ったことがあるカメラとは全く違う、美しさと深みのある世界がそこに表示されていたからだ。

とてもチープな表現になってしまうけど、そこにはまるで魂を揺さぶるような美しさがあった。
質感や、生成されたその世界の美しさに、ボクはただただ感動していた。

村田さんの「やばいっすよ」という言葉の意味を感覚で理解した瞬間だった。

そこから、ボクはLeicaの沼へと沈んでいった。

その小ぶりなボディと、高精度なレンズ。
明確にその理由を言語化するのは難しいけど、確かに他のメーカーとは異なる独特の写真を撮ることができる。
そして、何よりも美しい。

そう、ボクはLeicaに恋してしまったのだ。

購入への葛藤

ただ、ミニマリストとしての価値観もあった。
カメラだけで済むのか?
もっといろいろ欲しくならないか?
けっして安い買い物ではないぞ?

ただ、どんなに悩み、考えたところで、Leica Q2の魅力には逆らえなかった。

理由は三つある。

まず一つ目は、美しいデザイン性。
Leicaはデザインにこだわり、細部まで美しい仕上がりになっている。
さらにQ2はレンズ一体型であることもあり、機能性とデザイン性が見事に融合していた。これ以上レンズを買わなくて済むのも良い。

二つ目は、機能性の高さ。
オートフォーカスや手振れ補正機能を備え、少ない物理ボタンでシンプルかつ直感的に操作できる。
特に防塵防滴なので、雨天での撮影も可能なのは嬉しい。

そして、三つ目は、撮影体験の深さ。
Leica Q2で撮影すると、一瞬一瞬がより深く感じられる。
カメラ自体が作り出す世界観に没入することができ、撮影の楽しさを再発見できた。
また、軽量コンパクトなので、ミニマリストにとっても持ち運びがしやすいというメリットがある。

簡単に言うなら、高品質な写真が簡単に撮影できる上に、ミニマリストにとっても最適なサイズだったのだ。

うん、今思えばただの言い訳。

Q2を手に入れるために、もっともらしいことをそれなりに並べ立てただけで、そんな理由とか理屈とかどうでもいいくらい、ボクはLeicaQ2に出会った瞬間から完全に魂を奪われてしまっていた。

100日考えるといいながら一ヶ月で購入した

しかし、購入前はめちゃくちゃ悩んでいたのも事実だ。
何より、お値段がそれ相応する。
よほどカメラを趣味として続けていく覚悟がないと、簡単には手が出せない。

Leica Q2を購入する前に、100日は悩んでから購入しようと決めていた。
ただ、恋い焦がれた想いは簡単には抑えられない。
Leicaの写りや魅力に惹かれ続け、結局一ヶ月も経たずに購入することになった。

買う前は、高価な買い物であることや、使いこなせる自信がないことから、自分にとってはリスクが大きいと感じていたのは事実だ。

しかし、考え込んでいるうちに、自分がミニマリストとして、大切にしているものは「価値ある経験」であるということに気付いた。
自分にとって、もっとも価値あるものを手に入れることができると考えたのだ。

あとは、流れに身を任せ、沼に沈むだけだった。
イージーだね。

買った後はまったく後悔しない不思議

結果、Leicaを手に入れるために、長い時間を費やしてしまった。
ミニマリストとして、買うこと自体に葛藤した時間のことじゃない。

実は、それより3年くらい前からLeicaというカメラの存在は知っていたのだ。
何ならLeica D-Luxというコンデジは持っていた。
にも関わらず、もう一歩先に踏み込めなかったことが、今となっては悔やまれる。
この撮影体験を実はもっともっと早く手に入れることができたはずなのだから。

一方で、あのタイミングで、村田さんがQ2の実機を持ってきてくれなかったら間違いなくLeicaという世界を知ることもなかったのだと思う。
ボクをLeica沼に沈めた大恩人。
感謝と敬意を込めて、ボクは村田さんのことをそう呼んでいる。

後日談

気がつけば、随分と深い沼の底に沈んていた。

かつてのQ2はもう手元にはなく、あるのはM11とSL2-S、レンズもズミルックス50mm、ズミクロンC40mm、バリオエルマリート24-70mmとこれ以上必要がないくらいに充実した。
周辺機材もそうだ。
カメラバッグにフィルターやストロボ、定常光やレフ板だって持ってる。

物の数だけでいうなら、とっくにミニマリストとは呼ばれないだろう。

でも、おかげで多くのかけがえのないものを手に入れた。
それは、物ではなく、体験。
Leicaが連れてきてくれた、新しい世界線だった。

いまでは、業務として自分の周りの撮影は自分でこなしている。
YouTubeやInstagramで発信することで、いろんな方から声をかけてもらえるようになった。

何より、そこから新しい様々な繋がりや展開が生まれ、その動きはまだまだ加速している。

Leicaには、感謝しかない。

このカメラに出会えたことで、僕は多くのことを学び、成長することができたからだ。

そして、自分の中ではなんとなくの区切りを今感じている。
それがなんの区切りなのかはちょっとまだ言語化できていないけど、間違いなくそれは進化だし、挑戦なはずだ。

そんなわけで、これからも、Leicaとともに新しい世界を切り拓いていきたいと思っている。

それではまた、次の報告ができる日まで。

ABOUT ME
Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。