以前、クリエイターには「作家型」と「職人型」の2タイプがいて、そこに「感情型」と「論理型」ってY軸をかけ合わせることでその人のベースとなるタイプ別診断ができる。とXで投稿したことがあります。
これ、フォトグラファー、写真好きの方でもプロ・アマ問わずに当てはまる考え方だな、と最近あらためて感じることがあったので、今回はそのあたりを深掘り解説していきたいと思います。
基本設計
X軸に「作家型」か「職人型」か、そしてY軸に「感情型」か「論理型」かを当てはめたときのベースとなるタイプは以下の4通りになります。
A)職人・感情
B)作家・感情
C)職人・論理
D)作家・論理
これは優劣ではなく、あくまでその人の基礎性質のことを示すと思ってください。
そして、もちろんそれぞれにグラデーションになっているので、4つのうちの1つにしか属さない、という意味ではありません。
大前提として、職人タイプは、他者からのオーダーをもらって撮影するのが得意だったり、イメージを共有してもらって、それに限りなく近い写真を撮ることが楽しい、喜びと感じる人。
作家タイプは、自分のイメージ通りの写真を撮ることが大事で、他者の希望やイメージ共有についてはあまりテンションが上がらない人。
論理タイプは、構図、色味、コンセプトなど、撮影前からきっちり組み立てておきたい人。予定外、予想外のシチュエーションは好まず、企画通りにすすめていくのが好きな人。
感情タイプは、その場の直感に従って、初期の構想を超える写真を撮ることに喜びを感じる人。思いがけないハプニングやシチュエーションにも動じず、その場で持ち前の機転と発想を駆使して撮影するのが得意。
では、一つずつ細かく見ていきましょう。
A)職人・感情タイプ
依頼を受けて撮影するのが楽しい。あまり初期から構成を固めすぎず、その場のノリや感覚を大事にしつつ、現場が楽しく回ることを第一に考える。
近しい人間関係や、濃い繋がりのあるコミュニティ内での仕事に向いてる。
「お友達価格」もそれほど嫌だと感じず、その人のために全力を尽くし、自分のスキルで喜んでもらえると嬉しいタイプ。
自分の持ってるスキルは惜しみなく提供し、困っている仲間は放って置けない人情派。
B)作家・感情タイプ
「才能」という言葉だけで語るなら、このカテゴリーは天才属性。
自分の撮りたいものをその瞬間のインスピレーションで切り取っていくのが得意。
ただし、仕事や業務として上手くこなすのはやや苦手。
素晴らしい作品を生み出す力は別格だけど、世の中に知られるまでには時間がかかるかも。
理論や理屈の前に、まず自分の「撮りたい」が存在する本能派。
写真家と呼ばれる人が多い。
C)職人・論理タイプ
職業プロカメラマンとしては多くの人がおそらくこのゾーン。
フリーランスでも会社員でもやっていけるだけの知識とスキルと対人へのバランス感覚を持っている。
客観力と具現化力、論理思考を合わせ持つため、セルフプロデュースが出来るとSNSの中では比較的目立つ存在に。
圧倒的な爆発力は無いが、仕事には困らない戦略派。
D)作家・論理タイプ
正直ここは希少属性のはず。
作家性と論理性は時として相反するものでもあると思うから。
でも、時としてここを超越、融合してくるクリエイティブ・モンスターが現れる。
多くはCかBからのアップデートか、そうでなければ世紀の天才か。
ただ、その能力は間違いなく自ら磨き上げた結果であり、長いキャリアを突き詰めた先に行き着く領域でもある。
補足
補足になるかどうかは分かりませんが、この診断のベースは、苦にせずできる=得意と言う捉え方です。
悪天候のロケでも直感的に対処しながら撮影するのが好きか、安定したスタジオ撮影の方が好きか、みたいなシチュエーション別で考えてみるとわかりやすいかも知れません。
また、あくまでこれは本質的な性質の話をしてます。
どちらのレベルや立場が上とか、どっちが良い・悪いとかの比較の話ではありません。
自分の得意・不得意がわかると、長所を伸ばすのか、短所をなくすのか、いろんな判断ができるかと思います。
よかったら参考にしてみてください。