ディレクション入門

昨日までの常識にサヨウナラ。令和新時代のクリエイターサバイバル術【令和編】

「頑張れば夢は叶う」と思ってませんか?
半分本当で、半分ウソです。

本当は、「正しい努力で頑張れば、夢は叶う。(ことが多い)」です。

ここを意識せず、がむしゃらに走るのは昭和化石の価値観。
だからといって、頑張らないための言い訳に使うのは平成ゆとりの亡霊に取り憑かれてる。ってことをここまでの2回でかたってきました。

令和は、正しく努力する!です。

実際、これだけ目の前に新しい時代、未来が迫ってきてるのに、いまだに「昭和の化石の価値観」に縛られ、「平成・ゆとりの亡霊」に取り憑かれてる人はやばいと思います。
確実に時代に置いて行かれてます。

そもそも、自分の価値観が化石かどうかもわからず、ゆとりじゃないと思い込んでる人が多い。
これはもはや令和の怪談です。

努力と根性の昭和、ゆとりと多様性の平成を終え、新しい時代の新しい働き方ってどうなるのか?

その答えの一つが、自分なりのビジネススタイルの確立にあると考えます。

仕事は与えられるから創り出す時代へ。
その準備、できてますか?

このあたりを今回の令和編では詳しく語りたいと思います。

令和編で用意したトークテーマは、各都市でそれぞれ少しずつ違っていました。

ただし、伝えたかった本質は大きくは変わりません。
こちらが大阪編のテーマです。

新時代のクリエイター営業術

みなさんは営業してますか?
営業は得意ですか?

まぁ、得意ならたぶん営業マンとして成功した方がよいとおもうので、すくなくともそうでないからクリエイターをやっているのではないかと思います。笑
そういうボクも営業営業した動きは苦手です。

令和になったから新しいビジネススタイルが生まれる、と言う訳ではありません。
これまでの流れがあって、新しいビジネススタイルが生まれそうな時代に、たまたま年号が令和になっただけです。
重要なのはここまでにどれだけ積み上げてこれたか。
その時代の流れを感じ取れてるかです。

まずはその変化を知りましょう。

令和新時代の働き方①雇用制度の改変

この先、クリエイターが一つの企業に属して、2〜30万の月給をただ受け取る時代は終わると思ってます。
複数の会社に所属して、月々5〜10万くらいの金額を受け取るようになると。
つまりはクリエイターのサブスクリプション化ですね。
当然、求められるスキルが必要になりますし、声をかけてもらうためのシステムを構築する必要があります。

令和新時代の働き方②静止画広告の終焉

終焉、は言い過ぎかもだけど、5Gの登場で確実に動画に取って代わりますよね。
サムネイルも全てがGIFアニメーションみたいに動き始めると思います。
もう少し先には歩いている人を追尾するAR広告の登場とか、まったく新しい広告概念が登場するはずです。
スキルだけで戦おうとしていたら確実に置いて行かれます。
ただし、グラフィックの基礎は必ず生きるはずです。
本質を掴めた人だけですけどね。
かつてのウェブデザインのように、動画制作がデザイナーの必須スキルになり、ムービーデザイナーみたいな職業が誕生しそうですね。
そしてグラフィックデザイナーの数は激減するはずです。

ただし、紙媒体も無くなるわけではない。
グラフィックデザイナーが激減するということは、そこにニーズが集中するということでもあります。
さて、どうします?

令和新時代の働き方③高機能チーム化

今のコミュニティやサロンから「出来る」人たちがチームを組んで仕事を回し始めます。
いや、すでにその流れは来てますよね。

そのチームはディレクター同士で有機的に繋がって、ブロジェクト毎にメンバーの入れ替えを行いながらハイクオリティなクリエイティブを生み出していく。
では、そこで必要とされる人材とは?
使い勝手の良いマルチスキルより、何かに特化したスペシャリストです。

令和新時代の働き方④労働の2極化

AIの躍進で、ほとんどの仕事が仕事じゃなくなる。
働く=楽しいこと。と感じる人たちは今以上に稼ぎ、そう思わない人は海辺や山でミニマル・ロハスに暮らす。
良い悪いではなく、真の意味での多様性の時代に突入します。
自分はどちらを選ぶ?その準備はできていますか?
行きたい方に行けないのは辛いです。
働くことの本当の意味、価値、意義を見つけた人だけが、生涯を通して働き続けることになるでしょう。
もちろん、楽しみながら。

令和新時代の働き方⑤デジタルネイティブの覚醒

クリエイティブの基礎スキルが完全にひっくり返るタイミングがやってきます。
まったく新しいツールを使い、小・中学生がその発想力でとんでもない「新時代」のクリエイティブを発表し始めるわけです。
そんな新世代と戦わなくちゃいけないのも令和です。

ボクらの唯一の武器は「デジ・アナハイブリッド」であること。
スマホすら古い時代はそんなに遠くないと思います。

どうやって営業すれば良いの?

クリエイターは大枠で2極化すると予想してます。
総合職としてのディレクター(コンセプトから全体設計、プロジェクトマネージメントなどをすべて行う人)と、専門職としてのクリエイター(デザイナーやイラストレーターなど、手を動かすひと)ですね。

先導者と創造者です。

創造者でいるなら、何かひとつ特化した武器が欲しいですね。
これは「武器の見つけ方」で詳しく話します。

そして、なるべくおおくのディレクターさんと繋がると良いと思います。
企業営業をかけるより、確実に仕事が来ます。

お金と真摯に向き合おう

これは東京でもかなり盛り上がったテーマでした。
ボクはこれを「自分の価値」と向き合おう、と解釈してます。
ちゃんと自分に値付けができてますか?

若手デザイナーさんから「相場は幾らですか?」と聞かれることがあります。
相場を知ることは大事だけど、何も考えずに相場で売ることは自分の価値を捨てることになると思います。
相場とくらべて自分はもっともらいたいのか、高すぎるのか、ちゃんと考えてみたいですね。

例えば見積もりですが、ボクは記載項目はできるだけ細かく示すようにしています。
自分のなかでは項目ごとに値段設定をしていて聞かれたら全て答えられるようにしてますが、すべての値段を見積もり書には記載していません。
それを記載してしまうと、今度は「ここ要らないから安くして」みたいな不毛な話に巻き込まれる可能性もあるからです。笑
でも、自分の価値を知っている、ということはとても大事です。

ちゃんと自分に値段をつけましょう。

あくまでネタですが、ボクはテレビマン時代の時給を計算したら280円になったことがあります。笑
(当時の手取り21万円÷31日=日給6774円、徹夜に近い状態が続いたので6774÷24時間=時給282円)

ここまではいかなくても、安く買い叩かれていないかはちゃんと理解しておきたいですね。

できる仕事仲間の見つけ方

これは今後すごく大事になる考え方ですね。
自分が声をかけるのはもちろん、声をかけてもらうことも重要でしょう。
その時、何が必要か?

スキルは当然です。
それはあって当然のもの。
もちろん、飛び抜けたスキルならそれだけで仕事がくるかもしれません。
でも、そこまで突き抜けられないとしたら、何が大事になるのか?

間違いなくパーソナリティ(人間性)です。

これは、仕事をくれる人に無理して合わせるとかそういうことではありません。
その人に会う人は必ずいる。
自分らしく働いていて、その価値観が会う人と出会うことが大事です。

でも、そんなのどうやって知り合えば良いの?

という部分で、SNSをうまく利用したいですね。
SNSはあくまできっかけのツールです。
でも、意外と自分に合う人、合わない人がわかるんです。
気軽にコメントをしあうところから初めて見ると、さらに世界が広がると思います。

もう一歩踏み込める人にはコミュニティがおすすめです。
コミュニティも主催者、メンバーによって色が全然違います。
入ってみないとわからないのはありますが、どんどんいろんなところに飛び込んでみると良いですね。

ムダに数多く参加する必要はありません。
自分に適したコミュニティがみつかったら、そこだけに力を注ぐのがおすすめです。

そして、コミュニティの中でなにかやれそうなことがあればすぐに手をあげましょう。
そこで自分のスキルだけでなく、やりとりやレスポンス、意思や根性なんかをみてもらえます。
そこまで知れて初めて、ディレクターは本業の方でも声をかけたくなるからです。

入りやすいコミュニティで、どんどん自分のやりたいことを実現させる。
実はこれが一番の営業法だと思っています。

新時代の自分の武器の見つけ方

「武器」というと、みんなすぐに「スキル」のことだと思ってしまいます。
でも、それは実は武器じゃないことが多いです。
スキル特化で戦える人はごく一部です。
そこそこのスキルで一本勝負なんて、レッドオーシャンすぎます。

スキルではない、自分だけが持っている「強み」こそが新時代の武器になるわけです。

ただし、武器=強みを考えるときに「好き」と「得意」は分けて考えた方が良いですね。

得意なことは、例えば長く続けていることや、意識しないでも出来てしまうことです。
これは自分で気づいていないことが多いので、いろんな人に聞いたり、それこそコミュニティのプロジェクトに参加して周囲から褒めらた部分をメモするなどして見つけていきます。

あと、多くの人が好きを伸ばそうとしがちです。
ただ、世の中に猛者は本当にたくさんいるんですよね。
なので、「好きなこと」に固執するのではなく「得意なことと掛け算にする」というのがいいと思います。

例えばあのストーリージェニフィックな名刺で有名上司ニシグチさんもデザインだけで戦っているわけではありません。
デザインとアイデアと戦略の掛け算を行なっています。
だから強い。

結局のところ、得意を見つけるためには、いろいろやるしかないですね。
どんどんトライして、自分の向き不向きを把握して、得意=意識しなくてもできてしまうことを探しましょう。

それを掛け算できたとき、間違いなくそれは自分だけの唯一無二の武器になってます。
令和を生き抜く、究極の武器です。

最後に

さてさて、3編連続でかなりの長文になってしまいました。
読んでいただけたとしたら本当に感謝です。

なぜ、ここまでして長文で書き残したかというと、今後、ボクは「クリエイター向けのトークイベントは主催しない」と決めたからです。
なので、自分のクリエイター向けの思考を整理、アウトプットしておきたかった。

もちろん、このメディアの中ではディレクション論は語っていくつもりですし、インタビューや登壇のオファーがあれば応じることもあると思います。
あくまで「主催しない」ということですね。

というのも、「主催」するのは自分でなくてもよいな、と感じたからです。

運営開催というフローがボクに向いてないというのもあります。
常に新しい何かを立ち上げることが好きで得意なボクにとって、なんども同じようなイベントを開催することは苦痛になってくる。笑
そういう苦手は全部捨ててしまう。

そうしないと新しいことができないからです。

9月から、次のビジョンを掲げてすでに動き始めてます。
そんなわけで、また、いろんな報告ができることを楽しみにしています。

ここまで長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!

 

 

ABOUT ME
Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。