日に日に気温が低くなる。
夜だけでなく、朝に吹く風にも冷気が混じるようになった。
気がつけば季節は一気に移り変わっていく。
現代に生きるボクらは多忙だ。
せっかくの季節の移ろいにも気が付かないまま、空を見上げることを忘れる日々も多い。
ちょっとだけ屋上に出て、あるいは近所の公園に行って、深呼吸をしてみよう。
日々の雑事に流されることなく、自分の人生を取り戻すために。
忙しさはボクらから、大切な何かを日々少しずつ削り取っていく。
「明日やろうはバカ野郎」って言葉がある。
単純に解釈すれば、今日出来ることを明日に引き伸ばすな。って意味だと思う。
それはそれで正しい解釈なんだと思う。
でも、ボクはちょっと違う視点で、「いまやりたいこと」を明日に回すなって意味で捉えてる。
それって、最初の意味合いとどう違うのか?
今回はそんな、やりたいことをすぐにやるべき、マインドセットの話。
いまやりたいことを明日にのばすな
明日やろうは馬鹿野郎。の意味を「今日出来ることを明日に引き伸ばすな」、と捉えれば、日々の雑事から何から、全部今日やらなくちゃならなくなる。
書き出したタスクを片っ端から処理して、プロジェクトを少しでも前にすすめ、そうこうしているうちにまた何かしらの連絡がくる。
それを処理する。の繰り返し。
そうなるともう、タスクの連続だ。
いや、タスクの無限地獄とも言える。
自分がやりたいことよりも、他人がやって欲しいことの方が優先されてしまう。
でも、「いまやりたいことを明日に伸ばすな」と捉えたら、本当に大事な、自分のやりたいことにフォーカスできる。
例えば今日が月曜で、明後日までに提出が必要な書類があり、一方でどうしても書きたいBlog記事があったときどうするか?
二つとも終わらせると仮定すると、作業にかかる総時間は本来同じだ。
多くの人は先に「仕事」である「書類作成」を終わらせて、そのあとゆっくりBlogを書こうとするんじゃないかと思う。
その方がやりたいことをゆっくり考えられるから。
もちろん、それはそれで正しいビジネスマンのあり方だと思う。
でも、後回しにしたせいで、別の仕事が入ってきたらBlog記事はどうなる?
結局書かないままに頭の中だけで消化され、最終的にはタイミングを逃して世に出ることはなくなるのではないだろうか?
でも、逆に先にBlogを書いておけば、追加で仕事が来たとしても、きっとあなたは書類作成をこなすハズ。
何故ならそれは「仕事」であり、「やらなくてはならないこと」だから。
つまり、「やりたいこと」を先にやり、「やるべきこと」をあとに回すと、Blog記事も書けて、仕事もちゃんと終わらすことができるってわけ。
優先順位の付け方を変える。
それこそが「明日やろうは馬鹿野郎。」の本質的な意味だとボクは考えている。
優先順位は未来を変える
さて、さっきの例えでは、「やるべきこと」と「やりたいこと」の優先順位を入れ替えた。
ただそれだけなのに、得られる未来は全然違うものになるという可能性も考察しておきたい。
「やるべきこと=仕事上のタスク」を優先させた未来を(A)
「やりたいこと=blogの記事を書く」を優先させた未来を(B)
とする。
(A)場合、blogは世に出ていない。
そうすると、やってくる未来は昨日や一昨日と同じだ。
いや、極端にいうなら、5年前、10年前とも変わらない。
いままでそうやってすごしてきたんだから、当たり前といえば当たり前だと思う。
待っているのは、今日と同じ未来なのだ。
一方で、(B)の場合は何が変わるか?
(A)との違いは「世の中にblogが公開されたかどうか」だ。
でも、この小さな違いは大きな未来の変化を呼び込む可能性が十分にある。
いわゆる、現在から未来に向けてのバタフライエフェクトってやつ。
これは極端な例だけど、そのBlog記事1つがバズって、界隈認知を高めることができるかもしれない。
そのおかげで出版が決まるかもしれない。
その界隈での専門家としてメディアに呼ばれ、自分が望んでいたポジションをつかめるかもしれない。
もちろん、全部「かもしれない。」だ。
でも、(A)が確率0%なのに対し、(B)はその可能性が数%はあると言える。
それを繰り返すことで、その確率自体はあげていくことが出来るハズだ。
(A)を繰り替えしても、永遠に0だけど、(B)を繰り返せば、その可能性はいつか1%、5%、10%・・・と上がっていくことになる。
これはあくまで例えなので、ぜひ自分の「やりたいこと」を見つめ直して欲しい。
それがタスクに追いやられて、後回しになっていないだろうか?
それで仕方ないと思ってないだろうか?
もちろん、無理をする必要はないけど、もし少しでも未来を変えたいと思うなら、試してみるのも手だと思う。
やりたいことをするための時間をつくる
直木賞作家の朝井リョウさんは、サラリーマンを兼業しながら小説を書いていたことは有名だけど、その執筆時間に出社前と出社後をあてていたらしい。
確かファミレスとかにこもって書いてたんじゃなかったかな。
時間は作るもの。という良い例だと思う。
ボクも少し前から「午前中は自分のことをする時間」と決めた。
朝起きて、シャワーを浴びて、そこからファミレスにいってモーニングを食べながら、1日の仕事を俯瞰してタスクを書き出す。
一日の中で、やらなくちゃならないことを午後のスケジュールにがっつり書き込んだあとは、まっさきに自分のやりたいことをやる。
そのため、googleカレンダーの午前のスケジュールは、例外を除いて全てブロックしてある。
もちろん、朝井リョウさんみたいに大それたことをしているわけじゃない。
簡単なところではツイッターを開いて書き込んだり、気になるニュースを読んだり、あるいはこうした記事を執筆したり、個人のクリエイティブの時間に当てたり。
やることは少しずつ違うけど、変わらないのは「自分がやりたいこと」をやっているという点だ。
他人のためのタスク消化ではなく、自分自身のためのタスクを消化する時間。
それでいきなり人生が大きく変わった。・・・なんて都合のいい、漫画みたいな展開は今の所ない。
さっきの例えだって言うなれば妄想レベルだ。
でも、何度も言うけど、これを繰り返し積み上げることができたらどうなるか?
その結果は少なくともまだボクは知らない。
でも、少なくとも他人のタスクだけ消化する日々とは違う何かを得られる確信みたいなものはある。
だから「やるべきこと」よりも「やりたいこと」を優先する。を積み上げていく。
1日のうちの一時間でも、30分からでもいいから、そうした時間を確保するようにしているのだ。
優先順位は自分で決める
「やらなくてはならないこと」と「やりたいこと」は似て非なるもの。
そのどちらも近日中に仕上げる必要がある場合、その選択にまだ「明日やる」という余力があるなら、迷わずに「やりたいこと」を選んだ方がいい。
何しろ、人間「やるべきこと」はほっといてもヤルのだから。
だからボクは、「やりたいことを明日に回す」という選択こそが、「明日やろうは馬鹿野郎」の真意だと思っている。
「やらなくてはならないこと」ではなく、「やりたいこと」を今日やるのだ。
これは何も、1日だけの短期的なやりたいことだけじゃない。
中・長期的にやりたいことをプランニングするときにも通用する考え方だと思う。
例えば、海外旅行に行きたいのなら、仕事より何より優先してそれをまずやるように設計する。
休みを確保する前に、チケットを取ってしまう手もあるかも知れない。
「行けたらいいな」ではなく、「行く」。
そういうことが大事なのだ。
さらに言えば、間違っても明日出来る仕事(他人のためのタスク)をいまやるってことじゃない。
明日できることは明日ヤル。
今しか出来ないことを優先する。
いまやりたいことを最大限に優先する。
この考え方はある種ミニマリズムの1つで、エッセンシャル思考と呼ばれるものだ。
手順前後にならないように、重要度の取捨選択をきちんと行う考え方。
常に「自分の」優先順位を考えられるか?
闇雲に仕事だけのToDoListを消化してないか?
そんなことを考えながら、たまに「明日やろうは馬鹿野郎」と呟いてほしい。
少しだけ、明日の自分の未来が変わるかも知れない。
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