マンガ、東京喰種を読んだことがありますか?
ボクはいまさらながらに読んでハマってます。
『東京喰種』(トウキョウグール)は、石田スイさん作の漫画作品。
『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて2011年41号から2014年42号まで連載された後、新編となる『東京喰種トーキョーグール:re』(トーキョーグール リ)が、同誌2014年46号から2018年31号まで連載された。
今回はその「東京喰種」の中に出てくる「赫子(かぐね)」という特殊能力の特性から、新時代のクリエイター 生存戦略を読み解いてみたいと思います。
ちなみに、「東京喰種」を読んだことが無い方は、「なるほど、そんな特性があるのか」くらいに読み飛ばしてもらって、後半の生存戦略部分から読んでもらえたらと思います。
「赫子(かぐね)」から見るクリエイター (デザイナー)の特性
「東京喰種」の喰種とは、人を捕食する生物です。
見た目は人間と同じ。人間との違いとして、喰種に産まれながらに備わっている、「赫子(かぐね)」と呼ばれる能力が出てきます。
喰種はその赫子(かぐね)を武器に戦闘や捕食を行うのです。
赫子(かぐね)にも種類があり、羽赫(うかく)、甲赫(こうかく)、鱗赫(りんかく)、尾赫(びかく)の4種類に大別され、その種類によって能力や強さも様々です。
赫子(かぐね)同士の相性もあり、苦手な赫子(かぐね)を持っている敵と戦闘する際には、致命傷を負ってしまう可能性もある、という設定。
その赫子(かぐね)4種の特徴にあわせて、クリエイター (デザイナー)の特性も分類できるな、と思ったのがそもそものきっかけでした。
羽赫(うかく)は精緻速攻のスピード型がで、軽やかさが特徴です。
クリエイター(デザイナー)に当てはめるとしたら、短納期で手数多く正確なデザインを上げるのが得意な人。
一方でスタミナが弱点で長期案件が苦手です。
甲赫(こうかく)は質実剛健なディフェンス型、堅守に優れているのが特徴です。
なので、クリエイター(デザイナー)に当てはめるなら、時間をかけてじっくりと良いものを作り上げるのが得意なタイプ。
一方で、急な変更や無茶振りにストレスを感じたり、やる気を無くしてしまうことも。
鱗赫(りんかく)は一撃必殺のパワー型で、戦況を一気にひっくり返せます。
クリエイター(デザイナー)のなかで言うなら、右脳感覚のアーティスト系で賞レース向き。
一方で、脆さもあって、デザインがハマらないと修正が終わらないパターンも。
尾赫(びかく)は安定万能なバランス型でオールマイティに戦えるのが特徴。
クリエイター(デザイナー)であれば、どんな案件にも適切に対応できてソツがないタイプです。
弱点らしい弱点がないかわりに、圧倒的な武器や特徴に欠けるのが唯一の弱点かも知れません。
で、それ以外に、まれに「二種持ち」や「赫者(かくじゃ)」みたいなバケモノクラスのデザイナーが現れます。
ここにたどり着けるのは業界でも一握りでしょうか・・・
自分の特性と得意を掛け合わせる
まずは上記の分類で、自分の特性がなんとなく見えてきたでしょうか?
2種持ちな方もいると思いますし、もちろん、簡単に4つに分けられるものでもないと思いますが、そのあたりは大体で。
さて、新時代のクリエイター 生存戦略において大事なのはここからです。
少年漫画において、強さはある種の絶対ですが、クリエイター(デザイナー)界隈について言えばそうとも言い切れません。
もちろん、スキルを高めることは大事です。
でも、それは青天井で、いくら極めても上には上がいる世界です。
さらには下から若い世代が新しいアプリやソフト、スキルを駆使して登ってくる。
スキルだけで戦うのはレッドオーシャンすぎます。
では、新時代のクリエイター (デザイナー)はどう生き残っていけばいいのか?
ここで大事なのは、発注側はスキルだけを求めてるわけじゃないってことです。
何よりもスピードを大事にしていることもあれば、丁寧に作り込まれたクリエイティブが必要なときもある。
一発勝負のコンペだったら一撃必殺の力が欲しいし、どちらに転ぶかわからないようなふわっとした案件なら、臨機応変に立ち回れるバランス型のクリエイター さんにお願いしたい。
そう、案件に応じて自分の特性を活かせる場面をつくるのが大事になります。
手数とスピードが必要な案件で、丁寧に仕事をしたいから時間をくれ、と言われてもクライアントは困ります。
だからといって、ゆっくり良いものを作るのが特性な人が、無理してスピードに特化したクリエイティブを上げるのもストレスでしょう。
大事なのは案件との相性だということです。
これを叶えるためにはどうするのがいいのか?
一つは「自分の特性を知っておく」ことです。
どんな案件のときにストレスを感じて、どんな案件だったら楽しく対応できたのか。
できないことはない、のと、楽しくできる。では同じクリエイティブが上がってきたとしても自分のストレスが段違いだと思います。
そして、それは多分にもれずクライアント側もそうです。
クリエイター が楽しそうで、余裕があると、いろんな提案やアイディアが出てきます。
それがそのままクライアントのメリットにもなるのです。
逆に不得意案件だと、どうしても両者がギスギスしたまま進行していくことになります。
もう一つは周囲、あるいは親しいディレクターさんにその特性を理解しておいてもらうことです。
そうすれば、適正の案件がきたときに真っ先に声をかけてもらえる。
クリエイター (デザイナー)と案件との相性はとても大事ですから。
特性に得意を掛け合わせる
さて、さらに新時代の生存戦略を深掘っていきましょう。
自分の特性を理解したあとは、そこに自分の得意を掛け合わせていくのがオススメです。
得意といっても、それはスキルのことではありません。
もっと性格的なことだったり、先天的に持ち合わせている「自分では当たり前」のこと、全く意識をしなくても「息をしているレベルでできる」こと、です。
例えばコミュニュケーション。
自分は誰にでも話しかけるのが苦にならない、という人がいると思います。
これは自覚していないと得意であるとは気がつきません。
でも、世の中には人に話しかけるのが苦手な人はたくさんいる。
これが自分の「得意」です。
そこに自分の特性を掛け合わせることができたら強いわけです。
例えば、羽赫(うかく)、甲赫(こうかく)、鱗赫(りんかく)の特性に対して、尾赫(びかく)は万能型だという話をしました。
本来であればクリエイターの「なんでもできます」はリスクがあるとボクは思っています。
「なんでもできる」は裏返すと何もできないってことにもなり兼ねないからです。
だから何かに特化して見せた方が発注者にはわかりやすいし、自分自身の売り込みもしやすいはずなのです。
ただし「営業トーク力」がある人は例外で、手持ちのカードは多い方がいいと考えます。
これは、相手に合わせてその場で商材を変更できるから。
なので、尾赫(びかく)の万能型である特性に、コミュニケーション(営業トーク力)を掛け合わせることができたら、その能力は飛躍的に上昇するはずです。
スピードを求められてる時はスピードを。
丁寧な仕事を求められているときは丁寧さを。
その人の前で、「これが得意です」と後出しジャンケンができるわけですから。
もちろん、営業トーク力は他の特性にも掛け合わせは可能です。
コミュニケーション能力だけに限りません。
例えば「ちょっとした気遣い」をするのが得意なら、それを自分の特性に掛け合わせたら良いわけです。
スピードがめっちゃ早いのに、合間にちょくちょく確認を入れてくれる。
とすると、ただ早いだけより、そのクリエイター さんにははるかにアドバンテージがあります。
いろんな提案をするのが好き。なら、丁寧に仕事をしつつも、B案、C案をラフで出すのも手かも知れません。
クライアントの選択肢が増え、喜ばれることも多いでしょう。
自分だけの武器は必ずあります。
それはなかなか自分では気がつきにくい部分ですが、いろいろと調べたり、周囲の人に聞くことで言語化できたり、自分なりに見えてくるはず。
そこを知り、掛け合わせたら戦える。
特性と得意を唯一無二の武器に昇華することができるわけです。
自分の武器を手に入れるには、まず自分を知ること。
東京喰種を読みながら、そんなことを考えていた台風一過の三連休最終日でした。
たまにはマンガも良いですね。
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