COLUMN

ディレクションは突き詰めると「阿吽の呼吸」が理想形になるのかもしれない論。

今回はかなりゆるいエントリーです。
ちょっとした思いつきから、思考がいっきにひろがったので、ある意味備忘録的な意味合いをこめて。
まぁ、息抜き程度に読んでもらえたら嬉しいです。

理想のディレクションってなんだろう?

日々、というと大げさですが、これはけっこうよく考えます。
まずは何を理想とするか、にもよるのですが、ボクの中の定義としては「そのブロジェクトに関わるすべての人にとって、ストレスが限りなく少ない状態」って感じです。

どういうことか?

例えば、クライアントさんからの無茶振りがあれば、それは制作側にとって少なからずストレスになるわけです。
納期を縮めたり、もうちょっとブラッシュアップしたかった・・・という思いを残してしまったり、単純に金銭的にディスアドバンテージを被ったり。

では、逆に制作側のストレスをいっさい取り除くとどうなるか?

それはそれでクライアントさんのストレスになるはずです。

一日も早くリリースしたいのにできない。
思ったよりもクオリティが低い。
また追加料金を請求された・・・

これ、立場が変わっているだけで、目の前で起きている「事象」は同じなんですよね。

「一日も早くリリースしたい」がそのまま制作側の「短納期」に置き換わっているだけです。
つまりは相互でストレスの綱引きをしているだけ。

これがしっかり相互理解できたらそこまでのストレスはかからないはずなんです。

例えばさっきから例に出している「一日でも早くリリースしたい」というのも、クライアントさんの思いからすれば当然だと思うんです。

でも、それが「作業」だけ流れてきたら制作側は「急いで」と言われているような気がする。急かされてるから気分も乗らない。

これが、ちゃんとお互いの「情熱」を共有できていたらどうでしょう?

クライアントさんの「一日でも早く出したい」に対して、制作側が「もっと早くだせますよっ!!」ってなったら。
これはすごく理想的だし、何より最強だと思うのです。

ここはボクもディレクションをするときすごく意識する部分です。
もちろん、すべてにそれがうまくハマるわけではありません。
間にいくつも代理店が入ったり、担当の方とのコミュニケーションがうまくいかないときだってある。

でも、やはり理想は常にイメージしておきたい。

そういう意味での、「ストレスのないディレクション」は常に意識しておきたい部分だということです。

能動的か受動的か

で、この概念を突き詰めていくと、先述の「阿吽の呼吸」にまで行き着くのかな、と思ったわけです。

そこに行き着く前に、もう少しだけ詳しく説明しますね。
ストレスのないディレクションを目指す上で、次にポイントになるのが、能動的か受動的か、あるいは主体的かどうか、という部分があると考えています。

例えば、何かを制作するとき、デザイナーさんとボクが打ち合わせをする場合。

最初はボクの方から「○○までに仕上げてもらえますか?」とか、「いつまでだったら無理なくあがりますか?」みたいなことを聞くわけです。
当然ですね。
制作進行、スケジュール管理はディレクターの仕事ですから。
これは普通というか当たり前です。
ですが、この状況はディレクター主導であり、デザイナーさんは受動的にスケジュールを考えているシチュエーションだと思います。

(ちなみに当然ですが、締め切りの調整が効かないときは日時指定します。これはどうしようもないので。デザイナーさんに上がり目処を聞くのはこちらが調整ボードを握ってるときですね。)

で、ここから一歩進んで、しょっちゅう一緒に仕事をしているデザイナーさんだと、「○○までにあげたら良いですか?」とか、「○日出しだと遅いですか?」みたいに先行して上がりのタイミングを提案してくれるようになります。

これはコミュニケーションの段階が一つ上がったからだと理解してます。
つまり、デザイナーさん主導でスケジュール相談ができるようになっているわけです。

これが「一年後になります」とかならもちろん調整をお願いしますけど(笑)
一般的な作業日数の範囲内なら全然OKなわけです。

これ、最終的な「上がりの日」は実は変わらないかも知れません。
でも、デザイナーさん側から能動的に「こうしたい」と提示してくれている状態は、こちらから指定されるよりもメンタル的に楽なんじゃないかなーと思うわけです。

具体的にはこういうことです。

ボクはデザイナーさんに「5営業日後くらいに上げてほしいなー」と思いながら説明を終える。
するとデザイナーさんから「これなら4営業日後くらいで出せますよ」と提案がある。

この時点で、もしかしたらデザイナーさんは3営業日あれば十分と思っている可能性があります。
それでOKなんです。

ボクとしては5営業日からマイナス1営業日でスケジュールが組める。
つまりはクライアントさんに一日前倒しで出すことができて、仕事のスピードを加速できる。

一方でデザイナーさんとしては3営業日から一日プラスで作業ができる。
一日アイディアを寝かせることもできるし、作業そのものをゆっくりやってもOK。

クライアントさんもディレクターとしても、そしてデザイナーさんにとってもストレスのない制作進行が成立するわけですね。

これは締め切りに限らず、です。

例えばA、B案をお願いした中で、デザイナーさんから主体的にC案の提案をいただくのと、こちらから「念の為のC案」をお願いするのでは、同じ作業量だとしても精神的負荷が違うのではないかと思うのです。

同じ事象でも、主体的に動くかどうか、能動的に捉えるかどうか、これはすごく大きな差がでるはずです。

意識の差ですが、これは非常に大きいはずです。

(全部をディレクターに決めてほしい、そのほうが楽。という方はまた別ですよ)

阿吽の呼吸

で、ここまでの概念をベースとして、それを突き詰めていくと、タイトルの「阿吽の呼吸」にいきつくなーというのが今回の結論です。

つまり、ボクは何も言わないけどなんとなく5営業日後にあがるといいなーって思ってる。
デザイナーさんは何も言わないけど、4営業日後にあげてくる。

みたいなやつです。

これ、何も考えずにやってたら危ないです。

一方で、これができるくらい信頼関係のある方と仕事ができたら、それはストレスないだろうなーと思うわけです。

「これ・・・」

「OK」

の阿吽の呼吸で制作が進行していくわけですからね。

単純に「いつまでにできます?」「いつまでなら待てます?」みたいな不毛なやりとりがなくなるわけです。

スケジュールだけでなく、案出しにしてもそうですね。

何案まで出すのかとかは当然最初にきちんと話ておきます。
納得いただけることが重要ですから。
それでもクライアントさんからの要望で追加案なんかが必要になることもあります。
そうしたときに、阿吽の呼吸で進行できたら、きっとストレスは激減するはずだな、と。

何度も言いますが、これ、何も考えずにやってたらめちゃくちゃ危険なやつですからね。
くれぐれもいきなり真似したりしないように。笑

阿吽の呼吸はそもそも高密度なコミュニケーションの果てに成立する、極度な空気の読み合いを超越した概念です。
一朝一夕で出来るようにはなりません。

50年連れ添った夫婦がようやく、「おい」の一言で「お茶」なのか「ご飯」なのか「でかけてくる」なのかを判別するようになるわけですから。

なので究極の理想形ではありますが、ディレクションもその領域まで研ぎ澄ませたら、また新しい世界が広がるんだろうな、と思う今日このごろです。

めっちゃ他愛もない話でした。
そんなぼんやりした理想形を描きつつ、日々精進したいと思います。

 

ABOUT ME
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Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。