COLUMN

ディレクター目線で考える、シンプルデザインとガチャガチャデザインの価値

シンプルなデザインは好きですか?

現在のデザイン事情について、先日こんなツイートをしました。

ボクはシンプルなデザインが大好きです。
ボクがディレクションをするクリエイティブのほとんどは、ムダなものをがっつり削ぎ落とした、シンプルかつミニマルなものが多いのです。

いや、デザインに限らず、何でもシンプルなものが好きです。

部屋にも何も起きたくないし、無駄な洋服なんかも必要ない。
余白と余裕に包まれた生活をしていたい。

シンプルとは最適で快適なこと。
ボクにとっては、その逆のゴチャゴチャしたものとはノイズであり、不要なものでしかないんです。

そんなことを思いつつも、まだ世の中にはゴチャゴチャしたデザインがあふれています。
それはなぜなのか?

今回はそんなデザインの不思議の理由に迫ってみましょう。

売り上げが上がるのはどっち?

シンプルなデザインが流行ってるし、最近は随分増えてきたかな、とも思ってます。
ファッションに関していうなら、数年前にブームになった「ノームコア」=「究極の普通」も随分一般化、定番化してきたように思います。

一方で、「シンプルなデザインがステキ」だと言いながら、まだまだ日本の商業シーンにはごちゃごちゃしたデザインが溢れています。

なぜなのか?

その理由としては、「その方が売り上げが上がる」からだそうです。

なるほど、この理屈はわかります。

一つのメディアに情報を詰め込めば、リーチする人の数や年齢層は広がっていくわけですから、「情報爆弾」としての価値が全くないとは思いません。

例えば、電車内の週刊誌の広告のように、とにかく見出しを並べておいたら気になる記事が一つくらいはあるだろう作戦ですね。

確かにこれまでの大量消費、大量生産の社会の文脈を考えたら、この手法については一理あると思っています。

でも、この先もこのままでしょうか?

思考停止のまま、ただ「売り上げが上がるから」と情報を詰め込んでいて、本当にこの先戦っていけるのでしょうか?

ターゲットは誰だ?

ウェブの発達、浸透によって、広告の意義や立ち位置も変化してきました。

昭和と呼ばれ、右肩上がりに経済成長を続けてきた時代には、情報は可能な限りマスにばら撒きたかったわけです。
とにかく多くの人の目にふれ、多くの情報を届けたかった。

なぜか?

その時代は「情報量」に価値があったからです。

とにかくたくさんあることが魅力であり、価値だった。
内容や見てくれではなく、可能な限り多くの情報に触れることそのものが価値になった時代だったわけです。

でも、平成も終わり、令和になった今、ボクらはそれほど大量の情報を一度に必要としているでしょうか?

いや、もはや今の時代に情報なんて、欲しようとしなくても浴びるほど流れ込んできています。
誰もが情報過多で胸焼けを起こしている時代です。

そんな中で、ガチャガチャの情報詰め込みデザインを欲する人がどれだけいるでしょうか?

いや、ごめんなさい、います。
まだいます。

情報量至上主義に現役を駆け抜けた、少々上の世代の方達は、まだその価値を求めています。
そして、今の日本の人口的には、その世代がまだ過半数を超えています。

何となくウェブを使える世代であり、かつ情報シャワーを感じてなく、あくまで情報はテレビが主体で、ネットは電子版のチラシくらいに思っている世代(あるいは人)。
その世代の方達にとっては、情報が詰め込まれたメディアは正義なのです。

だから楽天が売れるわけですね。

その世代をターゲットに商売をしたいのなら、それでいいと思います。

でも、もう少しだけ下の世代。

例えば大学生くらいの時にポケベルを持っていたとか、社会人の初任給でエアマックスやポンプフューリーを購入していた世代とか、あるいはもう少し上、バルセロナオリンピックくらいに社会人一年目くらいの世代になると、きっとそういう人は減ってきているはずです。
(2020年の時点で45〜55歳くらいですかね?)

そして、それより下なら言わずもがな。

何しろ、情報はもはやマスから与えらるものでも、無意識に浴びるものでもなくなっているからです。
そう、情報はすでに、自分で選んで採りに行く時代になっています。

八百屋や魚屋で新鮮な食材を探すのと同じ感覚で、ボクらは日々、情報を選り好みして生きています。

そんな時代にターゲットもコンセプトもごちゃ混ぜの、単なる情報の塊を届けて、果たしてどんな意味があるのでしょうか?

こんな時代だからこそ、情報は、今では最適化された『個人』に適切に届けられることが求められているわけです。

いつまでマスメディア幻想に溺れるのか?

実際、多くの場所や企業で、シンプルで洗練されたデザインが求められ始めています。

クリエイティブの価値は、まだまだ浸透し切れたわけではないけど、それでも気がついて、そこに注目し始めてる経営者は多いわけですね。

スタートアップやベンチャーも10年前と比べて驚くほどに増えています。
時代感、情報感、デザイン感が刷新された若い経営者が増え、ターゲットはどんどん情報飽和の時代に生まれた人が増えているわけです。

さぁ、選択の時間です。

いつまで昭和を引きずるつもりですか?

いつまでマスメディアに迎合する気でしょうか?

それに何の価値があると言えますか?

マルチターゲット至上主義に市場はいつまで耐えられるでしょうか?

今より、一歩先を見た経営者から順に勝ち抜けていく時代です。

信念や理念が固執や妄執になると危険です。
それは単なる意地と頑固という古代遺産でしかないからです。

さ、アップデートしましょう。

昨日までの常識に縛られないように。

ボクらは常に未来に向けて歩いてます。

今日という日、これから先に続く、一番古い未来のことです。

今日ではなく、明日を見る。

その繰り返しが、新しい価値観を紡いでいくはずです。

 

 

 

ABOUT ME
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Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。