今回は器用貧乏とマルチスキルの話です。
何をやっても続かない、スペシャリストに憧れるけど、なかなかそうはなれない・・・
そんな悩みをお持ちの方はぜひご一読ください。
スペシャリストにあこがれていた
20代のころのボクは、いろんなことに片っ端から挑戦しては挫折してきました。
一番長く続いたサーフィンですら、10年くらい。
仕事が忙しくなったので、一時中断のつもりでした。
ただ、それから一度もいくことはなく、今もいつかはまたやりたいと思いつつ、まったく復帰の目処はたっていません。
それ以外にもやってみて途中で投げ出した趣味はたくさんあります。
ゴルフ
スノボ
テニス
スポーツジム
キックボクシング
水泳
かろうじていまでも続いているのはバスケくらいですね。
音楽もいろいろやりました。
ギター
ベース
サックス
残念ながら音楽はスポーツよりもさらに才能がありませんでした。
あとは趣味として
カメラ
ムービー
編集
デザイン
イラスト
彫金
このあたりも一通り試しています。
動画の撮影編集やデザインはいまでも仕事としてやらないことはないですが、やはりディレクターとして動くことがメインなので、そのあたりの専門スキルはやはりスペシャリストと言えるほどではありません。
だから、一つのことを極め、それでご飯を食べていける人に憧れていました。
向いていないことに気がついた
ただ、残念ながらボクは一つのことを極めるのには向いていませんでした。
いろんなことに挑戦することこそが、自分がもっとも好きなことだと気がついたからです。
これはもう、性格的なものなのでどうしようもないと思いました。
そして、そこで開き直れたところが一つのターニングポイントになっていたのではないかと思うのです。
いろんなことを知り、経験したことが生きる仕事。
それこそが、いまやっているクリエイティブ・ディレクターという職業だったのです。
実際になにをやっているかというと、まずは企画を考えます。
企画会議は複数人でやることもあります。
ひとりで企画書を作成することもあります。
それらのアイディアを一つの提案書にまとめ、クライアントにプレゼンします。
そして、予算了承が出たらそれを実行するために必要なスタッフを集めます。
ここで、かつて憧れていたスペシャリストのみなさんと一緒にチームを組むわけです。
例えば動画を作るなら、カメラ、照明、音声のチームや、出演者、メイク、スタイリストなどの演者周辺のセッティングなどを行います。
また、現場ではスケジュールを組み、撮り順を指示し、上がってくる映像のクオリティチェックをするわけです。
編集では編集さんとの打ち合わせ、荒編のチェック、テロップ作成、BGM選定、カラーグレーディングのチェック、最終試写までを取り仕切ります。
もちろん、クライアントさんとのやりとりを含めたプロジェクト全体のマネージメントも行います。
こうした、多岐に渡る業務をマルチタスクでこなしていくのがボクのやっているディレクターという業務になります。
このとき、これまで経験してきた「物にならなかったスキル」が俄然役立つことに気がついたのです。
いつのまにか広く浅く積んでいた
例えば、撮影や編集などの経験があるので、現場ではより具体的な指示が出せます。
この太陽の向きでは撮れないと判断すれば、先に別のカットを撮るように先回りして考えるなどの手も打てます。
デザインをかじっているからこそ、テロップをどうみせるのかをデザイン的に考えたり、カラーグレーディングについてもより具体的な指示に落とし込むことができるわけです。
スポーツや音楽など、いっけんクリエイティブに関係がなさそうな趣味も、企画の部分で生きてきます。
自分の体験、経験、知識から生まれる企画は、体温があるというか、熱量の高いものが多いです。
それはやはり、リアルだからだと思います。
スペシャリストのみなさんは、そのスキルをひとつひとつ上に、高く積み上げています。
ですが、ボクのような器用貧乏は、そのスキルを上ではなく、多くの種類を横に並べているわけです。
高さではとうていかないません。
ですが、ある程度横に広げることができたなら、それは使い方次第では十分活用できる武器になるというわけです。
ディレクターというビジネススキル
ボクは器用貧乏という言葉を使うのをやめて、ジェネラリストと名乗るようにしました。
プロのジェネラリストになること、ジェネラリストを極めること。
それこそが、現在のボクの目指すところです。
それが叶うのが、いまやっているクリエイティブ・ディレクターという業種なのです。
また、縦に積むことも諦めたわけではありません。
例えばカメラや編集などは、いままた勉強をし直しています。
そう、横に積んだスキルに、二段目を積もうとしているわけです。
まだまだ、ここから。
器用貧乏を悔やむ必要はありません。
むしろそれを武器にしていきましょう!