ミニマル思考

40代ミニマリストが“10年使ったApple Watch”を手放した理由──次の10年を託す時計とは

ミニマリストが辿り着いた「次の10年の時計」

いよいよ、10年使った腕時計を手放す時がきたようだ。
2016年に購入した Apple Watch Series 2。
ほぼ10年、毎日のように腕に巻いていた相棒だ。

通知、天気、アラーム、睡眠、歩数。
便利さの象徴として、生活を“管理”し続けてくれた。

けれど─電池の消耗も早くなり、充電の煩わしさがまさってきた。
そんななかで、ふと思った。

「これは、時間を“生きている”んじゃなくて、
ただ“管理している”だけかもしれない」

その瞬間から、Apple Watchの役割が
少しずつ終わりに向かっていった。

今回は、そう考えるに至った理由を丁寧に解説してみようと思う。

毎日の“便利”より、装いとしての品格が必要になった

Apple Watchは便利だ。
でも僕は、次第にそれ以上のものを求めるようになった。

  • 毎日の充電が煩わしい
  • 出張に充電ケーブルを持ち歩くのがストレス
  • 電池が切れると「時間すらわからない」
  • Series2ゆえに腕を傾けないと画面が点かない
  • すでにビンテージ感すら漂っている
  • 通知はすべてオフ、SuicaはiPhone、アラーム以外使わない

もはや、「時計」としての役割すら揺らぎ始めていた。

そして何より大きいのは、

“装いとしての格”が自分の年齢とステージに追いつかなくなったこと。

40代になり、仕事で出会う方の層も変わる。

装いとは「自分のためではなく、相手への敬意」。
若い頃は無視できても、
大人になればそうはいかない。

Apple Watchは便利でも、
ビジネスの場で“成熟の品”にはなりにくい。

時計とは、時間の“味わい方”を選ぶ道具だと気づいた

便利を手放すと、時計の価値が変わった。

時計は、時間を測る道具ではない。

「どんな時間の使い方をしたいか」を映し出す鏡だ。

  • 管理するのか
  • 味わうのか
  • 整えるのか
  • 呼吸するのか

40代からの10年を考えたとき、僕はもっと時間を「味わう」道具がほしくなった。

辿り着いた2つの国産時計

次の相棒として候補に上がったのは2本。

The CITIZEN と Grand Seiko。

間違いなく、どちらも世界に誇る国産の名機。
でも、そこに宿る思想は驚くほど対照的だ。

  • The CITIZEN … 理性・構築・精度のクラシック
  • Grand Seiko … 感性・陰影・余白のジャズ

どちらを選ぶかで、この先の10年の“時間の味”が変わる。

LeicaからNikonに変えたときと同じように、
ここ数年で僕の中に芽生えた感覚がある。

「日本のものづくりへの信頼」
「国産を選ぶという姿勢」
「丁寧で誠実な美意識」

やはり、この辺りの思考と強く結びついているのだ。

一方で、国内消費を高めたいという気持ちもある。
なぜなら、日本が経済的に元気にならないと、働くすべての人が報われない。
それは僕も、僕の周囲だって同じだ。
だからこそ、その小さな循環を、自分の選択から始めたい。

Apple Watchを手放すこと

お気に入りのデバイスを手放し、お気に入りの道具に乗り換える。
これは成熟を選ぶ、ひとつの儀式なんじゃないかと思う。

僕はただ便利を捨てたいわけじゃない。
ただ、過剰な管理から距離を置き、もう一度“時間を味わう”生き方に戻りたいだけだ。

そのために選ぶ次の時計。
そのために、Apple Watchを手放すことを決めた。

次の10年の相棒を探す旅は、ここから始まる

Apple Watchは素晴らしい。
でも、人生のステージが変わると
必要な時計も変わる。

Apple Watchを手放したことで、ようやく「次の10年を託す時計」を選ぶ準備が整った気がする。

そして今、僕は2つの国産時計のあいだで悩んでいる。
The CITIZEN か Grand Seiko か。

どちらも同じ“国産の名機”でありながら、
理性と感性──まったく違うリズムで時間を刻む時計。

「理性の時間」か、「感性の時間」か。
この先の10年を、どんなリズムで生きたいのか。

もしあなたも次の相棒を探しているなら、こちらの記事もぜひ読んでみてください。
どんな時間を生きたいかで、選ぶ時計は変わります。

👉 40代からの腕時計論──The CITIZENとGrand Seiko、“時間の思想”をめぐって

ABOUT ME
Andy
メディアプロデューサー/プランナー|元ドキュメンタリー番組ディレクター テレビ番組制作を経て、2014年からウェブ広告業界へ。映像・グラフィック・デジタルを横断するディレクターとして、企業の広告戦略やブランド表現をトータルでプロデュース。現在はDot.のジェネラルマネージャーとして活動中。 一貫して「ディレクション」を軸に、メディアの変遷(テレビ → ウェブ → SNS)を横断しながら、その本質を言語化・体系化することに取り組んでいる。