ディレクション入門

ネットの成功体験に踊らされるな!隣の芝生を青く育てないためのマインドセットの話。

みなさんは、ノマドやフリーランスやインフルエンサーに憧れますか?
もしそうだとしたら、それはなぜでしょう?

先日、こんなつぶやきをしました。

そうなんです。

ノマドも、フリーランスも、インフルエンサーも、単なるポジションでしかなく、それになったからといって成功なのかも幸せなのかもわからないのです。

なのに、ツイッターではこうした肩書きを羨んだり、あこがれたりする声を聞きます。
あるいは、さも成功者のような声が流れてきます。

今回は、自分が自分らしい人生を歩むためのマインドセットの話。

ボクらはなぜ、新しい働き方に憧れるのか?

ノマドも、フリーランスも、インフルエンサーも、言うほどに新しい言葉ではありません。
なんなら十分に浸透してきたし、一般的なものになったと言えるでしょう。

それこそ、会社員やサラリーマンや公務員という呼び名と変わらないくらいに。
なのにタイムラインにはそれに憧れる声が流れてきます。

インフルエンサーはインフルエンサーになるための方法を語り、ノマドの人は自由気ままにカフェで仕事をする姿を投稿する。
フリーランスというだけで、満員電車に乗らなくて良いと誇り、会社員をディスる人もいるわけです。

でも、それってあくまで情報の断片でしかありません。

フォロワー何十万人のインフルエンサーは、日々炎上のストレスに悩んでるかもしれないし、気ままなノマドは実は仕事に集中できないと焦っているかもしれない。

フリーランスになったことと、会社員より稼げるようになることはイコールではありません。
慣れない営業や経理処理に四苦八苦している人なんてたくさんいます。

それでも、隣の芝生は青く感じるのはなぜか?

それは、新しい働き方、新しい肩書きはポジションを取りやすいからです。

会社員がいまさら「毎月同額の給料振り込まれるとか最高!」とつぶやいたところで、それは新しい情報にはなりません。
多くの人が「まぁ、そうだよね」と感じる程度には「共通理解」の範囲だからです。

でも、ノマドの人が「毎日カフェで仕事、最高!」とつぶやくと、多くの人はそんな経験をしたことがないわけですから、「なにそれ?すげえ!」「うらやましい!」「自分もやってみたい!」となるわけです。

実際にそれがどれだけ素晴らしいかはわからないままに、自分の中で想像力を働かせるわけですね。
毎日毎日、同じ上司や同僚の顔を見ながら働き、ランチタイムに会社の近所の定食屋の行列に並んでいたら、それはそう思うのも当然です。

ですが、これが立場が逆だとどうなるか?

例えば、ノマドに働くのが当然の時代に、「オレ、今日から会社員ってのになった。常にデスクがあってワイファイ、電源は会社が用意してくれてる。しかもコーヒー飲み放題とかマジ最高!」とつぶやいたら、世の中の多くは「なにそれ、羨ましい!」となるような気がしませんか?

自分が経験したことがないことに憧れる。
だからそれが羨ましいと思う。

隣の芝は、そんなふうに青く育っていくのです。

自分の軸で考える

他人の行動や働き方を反射的に羨ましいと思ってしまったときは、注意が必要です。
それはもしかしたら思考停止の始まりかも知れません。

いま、自分が持っているメリットに目を向けず、デメリットだけを見つめている状態です。
さらにそこに流れてくる他人からの断片的情報に振り回されるわけです。

冷静に考えて、毎日カフェで仕事をすることはそんなに羨ましいことでしょうか?
たまにいくから良いのでは?
なんならカフェではのんびりしたいのでは?

そんな見えていない部分に想像力を働かせることで、あくまで一部を切り取っただけの情報を盲信しなくてすみます。

大事なのは「自分の軸で考える」ことです。

自分にとっては何があっているのか、生産性が上がるのはどれか、単なる憧れだけで短絡的に判断せず、もっと解像度をあげて検証すると良いですね。

ところが、近年はWebSNSの発達により、情報量が多くなりすぎています。
多過ぎる情報の前には、人は思考を停止するそうです。
選択肢が多すぎて、考えることをやめてしまうのですね。

だから、ツイッターから溢れた情報を盲目的に信じてフォロワーを増やそうとしたり、憧れだけで何の準備もなくフリーランスになろうとする。

新卒フリーランスなんかは良い例ですね。

間違って欲しくないのは、インフルエンサーになることや、新卒フリーラスになることを批判したり、否定したりしているのではない、ということです。

そうではなく、「ちゃんと自分の軸で考えて」その方向に進もうとしているのか?と言う部分をもう一度ちゃんと考えよう、ということです。

インフルエンサーになりたいのなら、インフルエンサーになって何をしたいのでしょうか?
フリーランスとして頑張るのなら、会社員の頃にはなかった別の苦労や努力をする覚悟はあるということで大丈夫でしょうか?
ノマドに働きたいというのであれば、その移動時間や飲食にかかるコストも含めて憧れているのでしょうか?

表面的な情報や成功に振り回されないために

表面的な情報や成功に振り回されないために大事なことは、思考を止めないことです。

思考を止めない。つまりは想像力を働かせたり、1日だけでも実践してみたり、やれることはいろいろあると思うのです。

例えば、ノマドに憧れるのなら、休日をつかってカフェで8時間働けるか試してみるのはどうでしょうか?
1日も持たないのであれば、それを毎日続けるのは無理でしょう。

フリーランスに憧れるのであれば、本業以外の時間を利用して、本業の半分でも稼ぐ経験をしてみることがオススメです。
お金を稼ぐのって、こんなにも大変なのか、と気づくことができるかも知れません。

インフルエンサーを目指すのであれば、1ヶ月でいいので連続投稿できるかを試してみましょう。
クリエイティブでもテキストでも、ラーメン画像でもなんでも構いません。
30日も続けることができないのであれば、仮にバズってインフルエンサーになったとしても一時的なものでしょう。
更新が苦痛になります。
そして、それだけ投稿し続けることが本当に自分にとって楽しいことなのかはまた検証する必要があると思います。

憧れてるだけだと、隣の芝生はどんどん青く育っていきます。
そうなる前に実践と検証を繰り返しましょう。

そうすれば、自分が憧れた世界がどれだけ断片的で視野の狭い世界のことだったのかと気がつくはずです。

そして、実践と検証を繰り返しても、やはりその憧れがなくならず、むしろ膨れ上がっていくようなら、それはそれでその働き方、生き方が向いている可能性が高いです。

カフェで生産性が上がるならノマドをする方がオススメだし、会社員としての本業の半分以上を休日だけで稼げるようになるとしたら、そちらに本腰を入れたら会社員の給料をうわ回る可能性は高いです。
30日間、休まず投稿を続けることができて、しかもそれが楽しいと思えるのであれば、ぜひ続けていきましょう。
気がつけば、インフルエンサーと呼ばれる存在になっている可能性があります。

大事なのは、考えることです。
しかも、動きながら考えること。

想像の解像度を上げつつも、実際にいろいろ試してみる。
これをやってはじめて、隣の芝生の色に気がつくことができます。

ただ見ているだけでは変わりません。

タイムラインの断片的な情報や、一方的な成功談に流されないで。

芝生の青さを確かめたけれれば、自分の足と目をつかって、芝生を見にいくしかないのですから。

ABOUT ME
Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。