ディレクション入門

マルチタスクを身につけて質の高い仕事をするための4つのポイント

GWが終わってしまった。

あんなに長い休みだったのに、何もした気がせず、早くも日々の仕事に追われてる。
やってもやって仕事は増えるし、終わりなんてこない。
そんな感覚に悩まされていないだろうか?

終業時間が迫っても、上司からはさらに仕事を振られ、先輩からは資料収集を頼まれる。今、いったいいくつの案件を抱えているのだろう?
もう自分でもわからなくなってきた。

1日に1つの仕事しか出来ないようでは困るから、一度にたくさんの仕事をさばく。
マルチタスクをどう上手く処理していくかはビジネスマンとしてはとても大事なスキルだ。とは言え、それが上手く行かないときのストレスは凄まじいものがある。

では、どうすれば良いのか?
今回はそんな、過酷なマルチタスクと上手に付き合うための心構えの話し。

あくまで技術ではなく、マインドセットであるとことがポイントです。

1.仕事は適度に詰め込む方が良い

すごく矛盾した言い方だけど、「忙しい、忙しい」と良く口にする人ほど、たいてい忙しくはない。

もっと細かいことを言うなら、SNSで寝てない自慢をする人は、間違いなくそのあと快眠している。
なぜなら、本当に忙しい人や、本気で寝てない人はそんなことをしている場合ではないからだ。

1秒でもあれば寝たいし、忙しいというヒマがればメールの1つでも返信する。
もちろん、そこまでブラックに働け、なんて思わない。

とは言え、やはり仕事は適度に忙しい方がいい。
なぜか?

逆に、意外と仕事に余裕があるときの自分を思い出して欲しい。
デスクで君は何をしているだろうか?
ついダラダラとネット検索を繰り返したり、意味もなくぼーっとしたり…人なんてそんなもんだ。
だから、適度な緊張感と程よい焦りが生じるくらいの仕事量は、本来歓迎すべきものだ。
強制的に集中させてくれる。
中途半端な集中力で、ダラダラと仕事をし続けるくらいなら、開き直って遊びに行った方が良い。

有給を取るのが難しいなら、本屋でも映画館でもいい。
何か日常とは違う刺激を得ることが、明日の仕事のモチベーションにつながる。

あるいはあらたなイマジネーションの種になる。
永遠に集中し続けられる人なんていない。
いかに上手く、自分の集中力をコントロールするか、それが重要だ。

そして、マルチタスクで適度に忙しい状況は、それを自発的に発生させてくれるものとポジティブに捉えよう。

忙しいと嘆く前に、まずは手帳を取り出してスケジュール管理をやり直す。
Todoリストを作成してもいい。
終わった順に横線で消していくのは気持ちがいい。
仕事をできるだけ細分化して付箋に書き出し、一コマ終わるごとに付箋を破るのもおすすめだ。

このTodoリストに、予想所要時間を書き込むことも忘れないでほしい。
この部分のビジネスハックはまた別記事で紹介しようと思う。

2,時間があるから完璧な仕事が出来るワケではない

よく勘違いしがちなことに、「時間が無いから仕事のクオリティが上がらない」というものがある。

安心して欲しい。
それは幻想だ。

例えば昨日、2時間かけて書き上げた企画書があるとする。
それを3時間かけて出来た場合、どれほどクオリティが上がっていると言えるだろうか?

デザイン的に見た目を向上させたり、テニヲハ的なミスなどは減らすことが出来るかもしれない。
でも、「本質的」な意味ではそれは「仕事のクオリティ」の向上ではない。
あくまで「見た目」の問題であり、「ミスが減った」というあたり前のこと止まりだ。

本質的な仕事のクオリティを上げる、という意味において、その1時間はムダとしか言えない。
何しろ2時間かけた企画以上の斬新な提案は、1時間どころか、1日を追加したところで出てこないからだ。

よくよく考えて欲しい。
その2時間をかけて書き上げた企画書は、本当に2時間も必要だっただろうか?
もしかしたら1時間で書き上げることが出来たのではないか?
同程度のクオリティのものであれば、企画書のベースはテンプレートで持っているべきだ。

もっと言うと、企画を考える時間と、企画書を作成する時間は別々にする方がいい。
本来、企画書の作成とは、そこに文字を落とし込むだけの「作業」でしかない。
考えながら作るから時間がかかる。
作業だけなら、1時間もいらないハズだ。

では、いつ企画を考えれば良いのか?
これがマルチタスクをどんどん消化していくための1つのポイント。
企画をはじめ、「アイディア」はデスクの上で生まれることは殆ど無い。
もちろん、ゼロとは言わないが、「さぁ考えよう」と思うだけでアイディアが出て来るようなら苦労はしない。

ヒントは、日常生活の中にある。

私自身、一番アイディアが浮かびやすいのはシャワーを浴びているときだ。
次に歩いているとき。
あとは寝る前。

面白いもので、人間は1つアイディアが浮かびだすと、次々と芋づる式に発想が始まる(個人差はあると思うけど)

そうなったらしめたものだ。

メモで良いから書き記しておき、翌日整理をすれば、あとは企画書のテンプレートに落とし込めばいい。
大事なのは、つねに企画を考える脳をニュートラルに持っていることだ。

これは特に難しいことではない。

シャワーを浴びる前、会社に向かって歩く途中、仕事終わりにオフィスを出る瞬間、その端々で、考えるべき企画のテーマや概要に目を通すだけ。
それだけで脳は勝手にそのことを考えようとする。

もちろん、マルチタスクをこなしていると、いろんなことを一度に考えなくちゃならない。
でも、間違いなく人間は一度にいろんなことを考えることはできない。

なら、1つずつ終わらせて行けばイイ。
脳はとてもシンプルなのだ。
その時に大事になるのが、やっぱり仕事の優先順位の付け方だ。

3.優先順位の付け方は人それぞれ

良く、ビジネス書を読むと、仕事の優先順位の付け方が書いてある。
急ぎではない重要事項からやれ、とか。
苦手な作業からヤルとあとが楽、とか。

でも、このやり方の効率の良さなんて正直、十人十色だ。
正解なんてない。

本来、優先順位は自分がつけるものだ。
苦手だと決めるのも自分なら、重要だと思うのも自分。
〆切はあるけど、それに間に合うかどうか判断するのも自分でしかない。

極論、今日の13時〆切の仕事を今日の12時からやってダメ、ということはない。
〆切さえ守れたら、その時間の使い方が一番有効である可能性もあるのだ。

大事なのは、自分なりのマルチタスクのこなし方を確立すること。
言うなれば、仕事術のレシピをちゃんと持つことだ。

カレーライスの作り方は千差万別だけど、出来上がれば全てカレーライス。
味は違っても、メニューが変わることはない。

ただし、この仕事のレシピは、残念ながら一朝一夕には身につかない。

重たい仕事からこなすほうが自力が発揮出来るのか、あるいは軽い仕事からやるほうがエンジンがかかりやすいのか。
そのあたりは自分で試しながら判断するしかないのだ。

とりあえずオススメなのは、自分のやりたい仕事順でどんどん試してみることだ。
そうすると、自分がどんな仕事にストレスを感じ、後回しにしているかが見えてくる。

それこそが、いままで自分の仕事のスピードにブレーキをかけていた一番の原因だ。
その理由をしっかりと見極めよう。

4.後回しにする原因・理由を明確にする

さて、あとに残った仕事はどんなジャンルのものだっただろうか?

直接業務には関係はないが、上司や先輩から頼まれた営業に関すること?
経理や事務処理などのこまごました作業?
企画提案やプレゼン準備などのメイン業務?

もし、その後回しにした仕事が、自分の業務の根幹に関わる部分だったらヤバイ。
多分、その仕事は向いていない。

料理人が仕入れや片付けは好きだけど、料理をつくるのが好きじゃないから後回しにしたい、と言っているようなものだ。
その人はすぐに仕事を変えるため動くことをオススメしたい。

その料理人であれば、市場の仕入れ業者に転職するなど、もっと得意でやりやすい業種があるハズだから。
ビジネスマンも同じだ。

根幹にかかわらない部分なら、工夫のしようがある。
得意な人に変わってもらったり、そもそもその仕事を受けないようにしたり。
そうすることで時間を作り、さらに得意なことに当てる時間を増やそう。

マルチタスクと言っても、好きなことがどんどん増え、それが成果になるのが目に見えたら、決してイヤな思いはしないハズだ。

目の前に積み上げられた仕事をイヤな顔をしながらも片っぱしからこなしているだけでは、ビジネスマンとはいえない。

それは給料をもらって機械的に仕事をするサラリーマンだ。

自分の強みと弱点を知り、マルチタスクだからこそ力を発揮する、それがビジネスマンだ。

さぁ、意識を変えることは今からでも出来る。

マルチタスクだからこそ輝くビジネスマンになろう。

明日の仕事は、きっと今日よりもっと楽しい。

 

ABOUT ME
Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。