COLUMN

動画制作ディレクション入門⑩|映像のトレンドについて

Andy
Andy
最後に映像のトレンドについて。
(この講演では2017年5月現在のことを話しています)

最近の流行

映像のトレンドの意味合いをどう捉えたらよいのか分からなかったので色んな物を上げましたけど、最近多いのがWebメディアだと思います。

Web動画メディアの台頭ですね。
クラシルで木村文乃さんがCMを最近出していると思うのですが、Webメディアと云えば記事がテキストベース記事のメディアが、Webマガジンが多かったと思います。

それがWebメディアに動画が入っている感じです。

クラシルはたしか料理専門動画の総合チャンネルを狙っているし、スポレイはエクササイズ系の動画を集めているようなWeb動画メディアですね。

けっこうベンチャー企業が入ってきて資本も投入されているので増えていきます。

全部で1分以内の動画で簡単に観る事が出来て、真似できるという所が動画というよりは全体的なトレンドになるのですが、今後も増えるかもしれません。
雨後のタケノコのように。

縦型動画

関連するのですがスマホ対応、縦型でそのまま観るスクエア、インスタグラムはサムネイルが全部そうなのですけど、横向きにわざわざしなくても観られるサイズというのもすごく増えています。

その辺りはトレンドというか変化は凄く感じますね。
編集が要らないライブ配信が元々ユーストリームでもあったと思うのですが、今マネタイズが出来る仕組みを作ったような所が増えてきて、ショールーム、STAGEA LIVE、など、素人でも構わないのですが公認を持った人が配信して、投げ銭でお金を稼げるようなシステムで配給をしている所が凄く増えてきている感じです。

最新の撮影機器

最新機器を導入している所が多くてドローンや360度VR動画など、フェイスブックが力を入れてやっています。

大体はフェイスブックスをクロールしていると何処かのプロモーションが360度動画や、ドローンを飛ばしている映像という事も有るのではないかと思います。

この辺の機器の導入もトレンドではあるのですが先ほども言った通り企画構成の目的にきちんと沿っているかどうかで機器を選ばないと何のためにやっているのか、ということになります。

格好良い映像を作るだけなら別なのですけど、何のためにドローンを使うのか何のために360度見せたいのか、というのは企画の段階から落とし込んで行かないと、せっかくの最新機器を使っても効果が得られない可能性があります。
トレンドについてはそのような所ですかね。

質疑応答

Web動画のことで、いわゆるCMやWebPVだと、パソコン編集で納品まで行ってしまうことが多いのでしょうか?

ほぼパソコン編集ですね。そこまで予算をかけられないという所が一つECSって編集室を使用することもありますが、今の時点では少ないですね。
ただ、4Kになるといかざるをえないですね。

ただし、4KをWebに出す意味はほとんどなく、むしろ画質を下げて軽くみせたほうがいいですねという話はよくしますね。

4Kにこだわられた時もありますが、なるべく企画の段階でそこの可能性を排除して安くするようにしていますね。
いまのところ4Kはテレビに任せておけば良いと思っています。

MAだけ入ることはあるんですか。

MAだけはあります。むしろMAだけ入れたほうがクオリティがぐっと上がるので。
逆にMAは予算のうちから入れるようにお願いしますね。

全然この領域は知識がなくて初歩的な質問含めていろいろあるんですけど、撮影香盤表の説明をしていただきましたが、これは誰が作るべきでしょうか。

基本的には現場を管理するディレクターが作ったほうがいいですね。
動画を作る人がわかっていないと作れないものだと思うんですよ。

アシスタントに残りを書いてもらうこともありますが、自分の感覚をこの表に落とし込めないと撮影がうまくいかないと思ったほうがいいと思っています。

時系列のスケジュールはみんな書けると思います。これは平面の組み立てで、現場にその人がいればなんとかなるものだと思います。

色々な要素が加わるので、香盤表は立体的に組み立てていくべきですね。
プロデューサーまたはアシスタントプロデューサーが作ることもあるのですが、現場にいる人がこれを書けないと現場をうまく回せないと思います。

どこまで緻密に書くかはその人によりますし、その場で指示がうまい人はこっちだけでする人もいますが、共通理解のしやすさという所ですね。

100%必要と言うよりは自分の理解と共通理解のためにあった方がよりいいかなと思います。なので現場監督が作った方がいいと思います。

動画の修正指示についてですが、制作側において紙でしたらいわゆる赤字という修正記号がありますが、それに近しいものはあるのでしょうか。
また、対面で現場に行き口頭で指示を伝えた方がいいのでしょうか。

テロップレベル・文字レベル・画面内デザインは決まった記号はないのですが修正指示で十分伝わるならいいと思います。なぜかというと具体的な指示まで落とし込んでいるからです。文字の「てにをは」を直すことやデザイン画面のフォントをもうちょっと大きく、色を変えたいなどは具体的な指示なので、記載でわかると思います。

さっきの印象修正についてはエモーションな部分になっているんですよね。
「ドバッ」と出して、「ガツン」と見せてなどクライアントさんはどういう意味かを言語化はできないと思います。

今までのいろいろな映像を見てきてそれを言っているはずなので、何かその人がイメージしている過去に見たことがあるものを言語化できないだけなので、こちらからいろいろ出していってそこを拾い当てる感じですね。

例えば、堤幸彦監督は「TRICK」で場面を切り替える時に夜空に月を映してそこに「ポン」と音を入れています。
今までにない手法で印象に残っている。
月だから音を入れたわけではなく、カット変わりに音を入れると印象が変わるという話です。

ここで「印象をもたせたい」という話まで落とし込むことができれば、ここに音を入れる手法がありますよと提案も出来ます。

極端な話、撮影の時点でこれをただ撮るだけではつまらないね、登場感欲しいよねといわれれば、どう登場させるかということになるので、真っ暗中にスポットライトを「バン」と当てましょうか、何もない画面からずっとスライドしていきこれがいきなり横切るだけようにしましょうかなど技術提案ができる。

それが相手の中のビジョンと合致すれば落とし込めると思います。それが具体的指示なので編集でも伝える時は具体的指示で。

カメラマンでも具体的にスライダーで出すこともできますし、これを単体で撮影しておいても写真でも画面上にスライドインさせることができるわけです。あるいは加工は必要ですが、ここから浮き出てくるようにしましょうなど、具体的な話にできているので修正指示として伝えることができる。

具体的な所までどのように落とし込めるか。文字にできるか。クライアントのイメージをディレクターが言語化して作業に持っていくというような感覚かなと思います。

最近、映像系で炎上することが多いと思うのですが、客観的に見て「それ炎上しそうだよね」と思うことが多々あるのですが、企画段階でそういったものを発見できる仕組みがありますか。

まず炎上のボーダーラインは昔よりもずっと下がっていて、何で炎上するのかわからないですね。不道徳なこと、差別的なものなど一昔前でもダメだったことはしていないのに炎上するようになっていますよね。

その幅をどう捉えるかで、逆に炎上商法というのも生まれているのもその部分です。

カップヌードルであるタレントさんを起用して炎上してすぐに終了したCMがありますが、PVだけで言えば大成功なんですよね。

そのタレントさんを起用すれば批判する人はいるということは絶対予想していたはずで、さらにそれを批判した人を批判するに人もいることも予想していたと思います。

あれは炎上商法として成り立っていて、これはインパクト勝負だと言っているはずなんですよね。それは企画側のコントロール下にある炎上なので、プロモーションになっていると思います。

予期しなかった炎上が一番ダメで、それが一昔前、昭和の時代でもダメなことは管理側のプロデューサーとクライアント側が話し合っていくしかないと思います。

一人の価値観で決まらない時代になっているので、全然関係ない人にヒアリングすることも一つありかもしれないですね。10人いれば全員いうことが違うこともあるので、ある程度戦略的炎上やむなしも賛否両論あればありだと思います。

否、しかないものはダメだという判断だと思います。
半分が反対でも半分が賛成なら勝負という判断や一人でもダメならダメという判断もクライアントさんとの関係性もあるとは思いますが、企画の段階で何を狙ってそれを行うのかがはまっていればせめてもいいかなとは思いますね。

ファブリーズ対着物みたいなものがあったと思うのですが、あれは否がくることを予想できたと思うのですが、なぜあそこまで行ったのかなと疑問に思います。

予想できないこと、コントロールできないこともあると思います。
難癖に近い炎上もありますし、車のCMで父がサーフィンしてそれを子供と母親が見ているというだけで炎上したこともありますし、逆にそれは微笑ましいと見ている人もいるわけというところで。

なので、炎上させないというよりは、何で炎上するのか読めない部分もあるとは思いますが、この理由で炎上させないというところを守る部分を先に決めないと今の時代は厳しいですね。

例えば企画の部分で媒体やチャンネル、コンテンツ、タレントさんのキャスティングをどこまで担当されているのか。また、動画についてKPIはどのように判断しているのか教えてください。

企画から納品であればどこでも全部ですね。臨機応変に企画だけ、撮影編集だけなど部分的にすることもあれば、すべて担当することもあります。

KPIに関してはWebサイトに埋め込む時は再生回数が一つの基準となるかと思います。そういう測定は出しますね。実例で出した、Webサイトを作り、カラオケボックスと連携して怖い部屋にして、そこで写真を撮ってあげてくれた人がどれだけの割引をもらうといったキャンペーンを組んだことがあって、単純にハッシュタグでどれだけリツイート・拡散されるかが一つ。

あとはWebサイトのPVがどれだけ伸びるのかというところ。最初にクライアントさんと目標を設定して、本当にできるかどうかを目指しながらやっていったという。Web動画単体でどれだけの効果があるのかを出しづらい、再生回数イコール購買数ではないという一概に数字だけで追い求めることは簡単ではないですね。

求められた時は最低限ここまではやりましょうという話はしますし、単純に動画だけ作ってお渡しすることもあります。

採用を受けたい人たちが見る、新卒採用の説明会で流すときの動画を作ったこともありますが、それに関しては再生回数云々ではなく動画を見て就職した人たちの離職率が減少した情報での効果というのは出していますね。

パーセンテージももらっていて、30人入って半分ぐらいやめてしまっていたのが、今年は2人3人になったそうです。
圧倒的に変わったという話を聞くと、知っていて入ったので心構えが違ったようです。

それに自分たちも蓄積しながら行っているので、明確に数値は出せないですけれどもやるプロジェクトごとに何を成功としますかという話は詰めていきますね。
数字の時もあればエモーションの時もあります。

最後に

大動画時代の幕開けだった2017年。
今後もますますその波はMedia業界を飲み込んでいくと思います。

誰でも手軽に動画がつくれるようになった。
だからこそ、商用動画についてはしっかりとしたディレクションが求められるのだと思います。

今回は講演の書き起こしをリライトして掲載してますので、読みにくい点、わかりにくい点も多々合ったかと思います。

もし、詳しい内容に興味を持たれた方がいらっしゃれば、ご一報ください。
ボクとしては嬉しい限りです。

とは言え、動画時代もまだまだここから。
ボクも引き続き精進していきたいと思います。

さらっとでも読んでくださったみなさま、ありがとうございました。

 

Andy
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次回はもっと大枠の「ディレクション論」でもやりますねー
ABOUT ME
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Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。