COLUMN

動画制作ディレクション入門⑧|試写・修正時の注意点

Andy
Andy
さて、続いては編集からの流れで、試写、修正についてです。

試写

質問にありました、試写とその回数のやり方ですけど、基本的に試写はやればやるほどクライアントも言いたいことがいっぱい増えていくものだと認識しておいた方が良いです。

なので、最初にここをちゃんと制限して、打ち合わせから納品までを綺麗にもっていくかというのがディレクターの一番大事なところだと思っています。

自分がちゃんと編集を見て納得したものをもっていくのが大前提ですが、だいたい僕は3回の試写で抑えるようにはします。よっぽど何か無い限りは。

1試写に関しては全体構成。

まだ台本しか見ていないクライアントに対して、「あの台本通りのストーリーで繋ぐとこうなります。軸として見せたい内容にしても間違ってないですよね」という流れの確認をします。

この時はテロップも入ってないし音楽も入れてないです。インタビューの抜き素材くらいですね。尺も例えば5分で作りたいと言っていたらちょっと長めに出してますね。
6分とか7分とか。それで全体を見てもらって。

CMは30秒と決まってしまっているんでそんなにオーバーさせないですけど、ナレーションについても仮でいれる場合もありますが、まだ尺が確定してないのでその場読みくらいのときもあります。

ちょっと余裕のある全体構成をまず1試写で見てもらってコンセンサスを取る。

「ああこの方向だよね」「ああ、あのシーンちゃんと入ってるね、言いたいことちゃんと言えてるね」みたいな感じですね。

2試写については、そこから内容をもっと絞り込んで尺を詰めながらテロップを入れたり、デザインまわり…人の名前のテロップの出し方とかですね。

それは例えばwebサイトにはめ込む動画であればwebサイトと似たようなデザインの方がもちろん納まりというか見た目はいいと思います。

あとは終わり方とかですかね。

スタッフロール入れるのか入れないとか、そういった細かいところも含めてデザイン的なものを入れ込んで確認するのを2試写にしています。

ここで1段上がったように見えるということです。

テロップが入るので「ああなるほど、わかりやすくなったね」という話をもらえるとだいたいOK。
そこでOKをもらったらなるべく、ここの時点で内容は変えたくないんでですね、当たり前なんですけど。

2試写が終わった時点で内容は変えませんよと。
内容が変えるのであれば1試写と2試写の間に言って下さいということですね。

それで最後に最終試写というところで3試写目をもってきます。

この時にできればBGMを入れたりとかSE、音ですねサウンドエフェクトなんかも少し入れてしまって。あとナレーションがある時はここは僕は自分で仮ナレを吹き込んでおきますね。「だいたい尺間的にもこの位です」と見てもらえますからですね。

自分でナレーションして早口になるようだったら情報量が多いということ。あるいは画が足りないか。まあそういうところを調整するのが最終試写。

ここでOKをもらったらポスプロに持って行って完成試写をポスプロの時にやるという感じにしています。もう完成試写はいじらないですけどね。これでできましたね、良かったですねという話なので。

修正

その試写の合間で修正指示をどうやってもらうんですかという質問があったので回答しておきます。

これも企画提案で言ってたのと本当によく似ているんですけど、本質的にどうしてほしいかというのがちゃんと噛み砕かれないと、修正は永遠に終わらないと思ってもいいと思います。
例えばもっとインパクトを出してと言われる時に、そのインパクトて何なのかということなんですね。

本格的な修正指示というのは、担当者が持っているインパクトというイメージをどれだけ深掘れるか、というのが打ち合わせというか修正指示ですね。

だからメールだけでもらうと本当に困るんですよ。どうしたいのという話になるんで。

そのインパクトも、例えば早いズームアップを入れたらインパクトになるのか、ドーンという音を入れたらインパクトになるのか、画面の色をガチャーンと変えちゃえばインパクトなのか、やっぱりそれはわからないんですよね、出してみないと。

かといってそれを毎回やっていると試写を3回位足さないといけない。
なのでできれば全部の試写じゃなくてもいいんですけど2試写位の時に内容が確定する時に、やっぱりクライアントさんには同席してもらって、ちゃんと対面で映像を見てもらった上で打ち合わせ試写を入れたほうがいいと思いますね。

それでその場でインパクトという話しが出た時に、どんどん提案していく。

「じゃあこういう音入れますか」とか「画面の色がっつり変えちゃいますか」とか「あるいはここいきなりデジタルでズームをバーンと出しましょうか」とか「あるいはテロップでバーンと入れますか」とか色々言ってるうちにそれだねみたいな話になると具体的な作業に落とし込める。

これは流石にメールだけではできない作業ですね。

だからできればスカイプとかでもいいのでなるべく対面で、それでもダメならもう電話でとか、そういう形をなるべく取るようにした方がいいと思っています。

そういう意味では、作業工程を詰める時に戻ってしまうんですけど、こういうやり方をしましょうねと最初に言っといた方がいいですね。

2試写に関しては一回対面でみんな集まってやりませんかとか。
そこで話があって向こうが「ああいいね」と言ったら具体的な作業で次に進めるという感覚の方が間違いがないですね。

これができないと本当に永遠と色々やりますね。
出す度に「ちょっとそうじゃない、ちょっとそうじゃない」そのちょっとそうじゃないがよくわかんないんですね。

どうやって本質的な作業に落とし込むかというところは、本当に打ち合わせをするしかないという感じです。

さっき言ったみたいに例えば仮の動画とか別の素材とかを見せて「こういう感じですかね」という話ができれば話しはより早いです。

それを編集マンに見せればその通りにやってくれますから。そこの中継とか落とし込み作業をディレクターがしっかりできるかできないかで、その後の進み方の深度、深みもそうですしスピードも変わってくると思います。

再編集

では、修正と再編集は何が違うのか。

結構クライアントさんが「ここ編集してよ」と言ってきて、それが全然元々のものと違うものだったりすると、それはもう修正じゃない、再編集だということですね。

再編集の場合はお金を頂かないと、こちらも人が動いているので対応がしづらい。
その辺の判断も現場レベルで求められた時にディレクターが判断しないといけないんですけど。

判断のポイントはいくつかあります。
一つは、同一素材の使用で修正かどうか判断する場合ですね。

新しい素材を作るとか、新しく撮り直すとか、あるいは新規ナレーション原稿を書かなければいけないとか、まあナレーション原稿くらいは妥協する時はありますけど、追加撮影とかは撮影費が発生するので無償では無理ですね。

他のスタッフが動くみたいな場合です。
そういったことがあると、それはもうお金が発生しますよと、それは再編集という扱いになりますよ、という言い方をしますね。
編集室処理では対応出来ない場合と考えても良いかも知れません。

もう一つのポイントは、当初のディレクションに沿った修正かどうか。

さっき目的を決めるのが大事みたいな話をしたと思うんですけど、このCMで言うと有効成分を見せながら最後の男の美学をドンと押したいという、その方針を試写中の思いつきとかで全然違うものにいきなりされると、もうやってたことが意味がわからないってことになります。

それを目的のために作ってたのに、他のものをまた用意しなければいけなくなる。
例えば写真だけの予定の映像構成が、「タレント入れた方向にやった方がよかったよね」みたいな話ってしまうと全然違うものなんですよね。

そうなるともう頭から作るので再編集というか、まあ作り直しですよね。

それになるのかどうか、「最初にコンセンサスとったディレクション通りだよね。その思いつき修正は全然違ってるよね」というところは一回詰めておいた方がいいということ。

あと大幅な修正のせいで予定したスケジュール内に終わらない。
これは編集マンの方とかも、優秀な方は大体掛け持ちでやってたりとかして1日べったり付いてくれるような人はそうそういないんで。

まあ自社内でやっていればまた別なんですけど。
それはそれで色んな仕事がもちろんありますから。

スケジュール変更で対応が必要になった場合とか、他の人に迷惑がかかる時は再編集という扱いにして予算をもう一回組み直させてもらいますよという言い方をしています。

結局、追撮とかすると人が動く。
新しい画面を作るとかなると人が動くという。
デザイン、テロップが追加されるとかいうのは範囲内かなという気がするんですけど、文字レベルというやつですね。

BGMと効果音(SE)

BGMを入れるのも、フリー音源を使用するか、作曲提供をしてもらうかで変わってきます。
2試写くらいまでは仮音というか、雰囲気を見てもらうためにフリー音源を入れておくことはよくあります。

ただ、権利的な問題とかをいろいろ考えると、ボクは作曲提供で使用権ごともらう方が安心だという話はよくします。
特に大企業さんの場合は、リスクコントロールという部分を強く意識しますね。

で、その後は効果音であるサウンドエフェクト(SE)なんかも入れて完成にもっていきます。
それがMAでの作業って感じですね。そこからがホスプロでの作業って感じです。

Andy
Andy
では、次回はポスプロについてみていきましょう。
ABOUT ME
アバター
Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。