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動画制作ディレクション入門⑥|撮影時の注意点

Andy
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さて、企画が決まって、構成ができたら、次はいよいよ撮影ですね。
料理でいうところのレシピまでが決まったので食材の買い出し、調達ってところです。

納品形式の確認

この撮影ですが、確実に最初に聞いといたほうがいいのが納品形式ですね。

最近でこそ動画サイズなり、拡張子なりの問題は少なくなってきましたけど、やっぱり「クイックタイム入れてないんで見れません」とか言われたりすることはゼロではないです。

試写くらいだったらYouTubuにあげてもいいんですが、YouTubeのリンクも見れませんみたいな企業さんも無くはないです。

余談ですが、2〜3年前はDVDに入れて郵送してください、みたいなのもありましたね。
そうなるともう、試写のタイムラグがすごい。

そういう意味では、試写の方向も含めたそういう方法論みたいなものは、最初に詰めちゃったほうがいいですね。

試写のタイミングと方法、納品の形式
これによって、カメラマンさんに撮ってもらう素材の設定が変わります。
単純にビデオカメラで撮影するのと、一眼レフのムービー撮影では、フレームレートが違います。

現在の基本画角は16:9のハイビジョンサイズですが、シネマサイズだったり、旧画角の4:3で納品、なんてこともないわけではないので。
そうしたところはしっかり詰めておきましょう。

まぁ、基本的には以下のフォーマットで撮影すればおおよそ問題ないと思います。

16:9(ハイビジョンサイズ)
フレームレート:29.97
拡張子:mov もしくは mp4

これ以外の納品形式の場合はクライアントさんや代理店担当者のこだわりがかなり強いってことですので、より要注意です。

さて、前振りが長くなりました。こうした納品形式を確認した上で、撮影や素材集めについても、ディレクターとしてしっかり管理していかないと、いろんな問題が先々発生していくわけです。

メンバー構成と撮影機材

撮影時の注意点、一つ目は撮影するメンバーの構成ですね。
撮影もディレクター1人でやろうと思えば無理やりにでもできなくはないんですが、求めるクオリティーに対してそれが正しいのかどうかを判断する必要があります。

利益だけを考えたなら、もちろん一人でやった方が安くすむ。
でも、例えば、カメラはiphoneでいいのか、ちゃんとしたカメラを使わなくていいのか、一眼レフの方がいいのか…そう言った判断っていうのは、出来上がる作品から逆算しないと見えてこない部分です。
クライアントさんの求めるクオリティをキチンと汲み取って、カメラはちゃんとプロを入れよう。とか、音声は使わないからカメラマイクだけでなんとかなるかもしれない。っていう判断が随時必要になってくるわけです。

あと、機材もそうなんですけど、結構、撮影をプロにお願いしたから何でも全部できるだろうみたいなイメージがあるとしたら、ちょっとそれは違ってたりします。
プロでも持ってる機材って色々違ったりするわけです。例えば、3脚とか大体皆持ってるんですけど、レールと言われるスライドしていくような特殊機材を持ってるかどうかっていうと、それは撮影プロダクションに違ったりとかします。

他にも、ミニジブって言われるクレーン。重りをのせて、ふあってポールであげていくような、ああいう機材を持っているところは持っている、持っていないところは持っていない。
その機材が必要なら、事前にレンタルしておかなきゃいけない場合もあるわけです。

持ってるところは、その撮影費にやっぱりちょっと上乗せして入ってたりする場合もあるし、いらないから安くしてくれるとこもあれば、もうはじめから込み込みのところもある。
借りてこなきゃいけないところは当然機材費が上乗せで入ってくるし、料金という意味では本当にお付き合いの世界も含めてな部分が大きので、知ってないとわからない。
例えば安く済むところがあるらしいよ。って言って、ただ単に何も聞かずにお願いしてしまうと、機材がたりません。ってなったり。

あと、撮影も得意分野もあるので、料理ものがすごい得意です。ロケものが得意です。スタジオものが得意です。スポーツ系は任せてください。みたいな得意なジャンルは把握しておきたいですね。

もちろん、カメラマンだってプロですから、撮れ、って言われれば撮れる。
でも、得意かどうかはまた別なんです。
オールマイティーに撮れる人ももちろんいますし、スポーツしか撮らない、という人だってゼロではない。

スチールのカメラマンもそういう意味では同じかもしれませんね。得意としているものがある。
そのあたりとかも知っていて、やるのかやらないのかで全然違ってくる。

もちろんカメラマンもプロなので、お願いした時にできませんとは言わないし、絶対やってくれる。
当然それなりのものは絶対撮る。とは思いますけど、それが思ったより時間がかかったりするわけですね。
扱い慣れてない機材のせいで、時間がかかってっていうことは出てくる。

そういうところは知ってた方がいいとは思いますね。

あと編集に入った時に、逆算で撮影準備ができているか。
素材が足りないって結構やっぱり出てくるんですよね。
カレーライス作ってて、人参足りない。人参は買いに行けばまだいいかもしれないけど、撮影って、撮っちゃったものしかもう使えないので、再撮をするという考え方以外はない。

すごくシンプルな、例えばドキュメンタリーっぽいやつをやってる時に、場面転換で空1回入れたいとか、街のひきをちょっと入れたいとかって言ってる時に、撮り忘れているともうないんですね。
別の素材で買ってくるみたいな荒技はありますけど、カメラの質感だったりとかその場の空気感とかちょっとづつ違うんで。
当然、撮影者の癖も違うから、そういう意味で「無い絵は作れない。」っていう考えで、撮影をしていかないとちょっと厳しくなりますね。

もっと極端な話、インタビューとかですね。
この言葉絶対必要だったのに、っていう言葉を撮れずに帰ってきちゃった時とかはちょっと青ざめますよね。
インタビューでよくやるのは、ちゃんと最初に聞いて、自然な流れで会話を取るんですけど、絶対これはキラーワードっていうのを言わせますね。
最後に、これだけ言ってもらっていいですかってお願いする。
それくらい逆算して、素材を撮っておく意識が大事です。
あと、無い言葉を無理やりナレーションで入れる。みたいな手はありますけど。本人が語った言葉とナレーションではちょっと違う。

ナレーションは、あくまで客観情報の方なんで。本人の熱いコメントが欲しいのに、ナレーションで燃えてます。って言われてもそんなにピンとはこない。
そういうところですかね。

なので、台本作りから大事なんですけど、撮影に入る前に台本作るんですけど、その時に「本当にこれで大丈夫かな」と何度も確認して、撮影ベースにプラスαの要素っていうのも、できれば意識しておきたいところですね。
台本の項目だけ取るんじゃなくて、そん時面白いと思ったところとか、この辺は、ロケになりますが、スタジオ撮影は役者さんがいるんで、プラスαアマチュアの方の面白さって方になりがちですが、例えば、ラーメン屋の取材にいって、本当はラーメンだけ撮っておけばいいのに、店主の話があまりにも面白いからそっちもちょっと一応押さえとく。

後日エクストラで動画で出したら、それがバズったという話はやっぱりあるんです。
その辺は自分の感性もそうでしょうけど何を面白いと感じるか。

作業として撮影に行くと項目しか取れないんです。面白いものを探しに行くつもりで行ってかつ、撮り洩らしをしない。両方の意識はあったほうがいいんじゃないかと。

現場管理と状況判断

そうしたことをきちんとこなすためにも、全体を見る力というか、現場管理状況判断ですね。これはカメラマンさんももちろん、ベテランの方、ごく自由に撮ってくださる方もいるんですが、どっかでコントロールを入れないと本当に自分の欲しい画が入っているどうかわからなかったり。

段取りで行くと時間がそんなにゆっくり撮影させてくれたりしない場所があったり、あるいは無理やり1日で撮り切らないといけないスケジュール組んだりとかあるので撮りながら次の段取りをアシスタントの人に指示できるかどうか。

あるいはカメラマンさんにそこは任せていいと判断したら自分は次の仕込みに回るとか、これは経験値も含めるんですけどね。
さっき言ったプラスアルファのひらめきというのはどちらかというとミクロというかウチウチの狭い世界の話で、それとは別に客観的な管理能力・判断能力というのは必要かなという気がします。

全体管理能力を身につけるためには、これはもう意識するしかないですよね。今日明日でできるようなことではなく、ひらめきに強い人もいるし全体管理に強い人もいるし、そこはじぶんの個性だったりとか能力だったりとかして、たりないと思えば組んでいけばいいんですよね。

ひらめきに強いタイプのアシスタントを入れて自分は全体管理をするとか。あるいは色々言いたい人は狭い世界が好きなんでそういう人がいてくれるなら自分は全体管理に回るとか。
その辺は一人でやると出来ないこともチームでやると出来るという。

プロデューサーとかは言えば全体管理をやってもらえますし、アシスタントがいれば自分は全体管理に回るとか、そこは組んだスタッフの個性とかで色々とやっていければいいんじゃないかと。
一人で全部やってしまおうとすると結構厳しいというか、大変ですね。経験値がどうしても必要となるので。
先ほども、これだけのメンバーが必要ですよ。と話をした内容ですね。

撮影に入った時に段取りをしっかり組んでやるという意味ではスケジュールと香盤表でそれぞれ別に作ったりはします。
撮影スケジュールの全体の流れに関しては出演者の方とかはこれで十分わかってくれればいいと、あとは現場説明でやりますと。スタッフの間ではそれがどこに使われるのかとか、どういうつながりになるのかとか。

あとどの項目が撮影済みでどの項目がまだ撮影されてないのかというところを一瞬で把握できないと現場がすごく時間がかかるんですね。
共通理解をどこまで持って進めていけるかというところになるので、まあこっちの向かって右側にある降板表というのを作ります。

時間と撮影リストみたいな感じで、あとどこで使うのか、誰がスタンバイして衣装は何で、撮ってる間に誰がスタンバイするのかというところまで時間軸で出したりしますね。
これはまあ本当に現場次第というか、必要だと思ったら作るみたいな感じですね。

一人しかいないのにっていう時もありますけど、やっぱりスタッフの方がその方がどのシーンを撮っているのかみたいなところはわかった方がいいので、そういうスタッフ用に作るみたいな感じですね。それが香盤表というやつですね。

Q and A

質問で「一眼レフで撮影するとどうなんですか。」みたいな話をもらったんですけど、基本的に一眼レフの弱点って音声なんですよね。
よほど音声ユニットを組まない限りはカメラマイクしか使えないので、カメラマイクって全ての音を取っちゃうんですよ。インタビューとかには全然向かない。インタビューだったらICレコーダーを置いてやればいいという手もあるんですけど、画と音を編集で合わせるのがすごく面倒くさいですよね。

昔映画でカチンコって8ミリで撮ってた時、8ミリフィルムは画しか取れない音声は別で取ってたんですよ。あれをカチンて当たった瞬間に当てて編集タイムラインに載せて編集してたんですけど、その手を使う手はあるんですけど、まあ大変ですよね。

それで切ってつなぐと今デジタルだから後半も全部一緒にグッと短くなってくるから段々ズレちゃって、それでリップシンクて口が音と合ってるかどうかを1フレーム単位で見ていかなければいけないので、基本的には音がある時には僕は一眼レフは絶対使わないですね。
一眼レフ風に撮れるムービーカメラがある時はそれ位はやりますけどね。

逆に一眼レフでいいところ、光を捉えるとかボケ足がきれいとか、そういう画の作り方は強いんで、例えばプロモーションビデオで音声がいらないもの、観光ビデオとかもそうですし、画だけで勝負できてBGMとナレーションを後から入れるくらいで済むみたいな画のきれいさにこだわりたい時は一眼レフはすごく向いてる。あと手軽ですし。
そういう時には使えます。

もちろん一眼レフに音声キットを付けることも出来るんです。
ピンマイクが取れるようにワイヤレスで飛ばすセットを組み込んで持ってやればいいんですけど、そこまでやるなら多分カメラでやった方が早いし楽という考え方ですね。

そこは逆に言うとカメラマンさんなんか、こういう画が撮りたいんだ、という打ち合わせをして、じゃあ一眼レフで行きましょうとか、じゃあ一眼レフ風に撮れるようにしましょうとか、そういうところは事前の打ち合わせなのかなという気がします。
だから一眼レフがダメとは全然思わないですけど、やっぱり機材としての得意不得意を知って使うというのが大事なのと。

これも質問にあったんですけど、撮影の許可についてですね。今本当に厳しいんで色々みなさんに言われると思うんですけど、まあ考え方ですね。

一つ、建築物の映り込みに関しては基本的には全然問題ないです。無視してOK。というのが建築物には著作権も肖像権もないんですね。
なので例えば東京の街をパーンしていてスカイツリーが入りました、東京タワーが入りました。それに対して苦情を言われることはないです。

気をつけなければいけないのは、それを意匠として造っている場合。
すごくデザイナーさんが著名で、例えばそういう形のモノとしてアート作品として登録している場合があるんですね。意匠作品登録みたいな。
その場合はちょっと別です。なので特殊な造形の建築物は確認を入れる方が良いですね。

もう一つ、気をつけなければいけないのは敷地内の方の許可ですね。
東京タワーとかスカイツリーが映る分にはいいんですけど、それを撮った場所、庭が私有地だったりしたらそれは入る許可が必要です。

撮影許可、公園でもそうですけど、例えば代々木公園なら代々木公園の管理者に許可を取らないと撮ってはいけないんです。
ちゃんと出演者がいて、もうそこでドラマ仕立ての何かが起こっているにも係わらず無許可でやっていると、それはどこであっても言われますね。

東京は特に厳しいですね。
表参道とかもちょっとおしゃれな場所で、ここで撮りたいと思ってちょっとでもフラッシュ焚いたら警備員が飛んできます。
そういう意味では場所の許可は意識した方がいいです。

あと室内もそうです。自分たちの私有地だったらいいんですけど、カフェとかの店内で撮影をお願いする場合、撮影許可だけでなく、撮影料を請求される場合もあります。
単純にダメと言われる場合もあります。その辺りの方が気をつけた方がいいと思います。

人の映り込みは今一番うるさいですね。
できれば、例えばイベントとかを撮影するんであれば、イベント主催者に許可をお願いしてしまってイベント主催者から告知をしてもらう方が楽です。
で、全体的にまず許可を取る。

あるいは街中インタビューとかの場合は、ちゃんとした誓約書を準備しておいて、使っていいですかと聞いて撮って、そこでサインをもらうというのはやった方がいいと思います。

Andy
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簡単に、ですが、そんな感じです。
さて、次は編集をみていきましょう。
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Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。