ディレクション入門

今日までの自分を変えるための3つの心得。ボクが博多で「新しい」を始めた日。

冬の空気が濃くなってくる。
年末というには少しまだ早いけど、どうしても一年の終わりを意識してしまうこの季節。

ボクにとっては11月12日は特別な日だ。
正確に言うと、去年の11月12日が、特別な日になった。

ツイッターでも投稿したけど、ちょうど去年の今日、福岡で開催された「なにクリ」に参加した。

総勢40名弱のクリエイターさんが集う、クリエイター交流会。
この手のイベントに参加するのは始めてだったから、とてもワクワクしていたのを覚えている。

今回は、去年のこの日から、ボクがどのように変化し、何をやってきたかを簡単に紹介してみようと思う。

ポイントは3つ。
「行動力」と「熱量ある仲間」、そして「がむしゃらにやる」の3つかな。

行動力の重要性

Twitterでは「たぶん」と書いたけど、間違いなくこの日がボクのターニングポイントになった。

ここで上司ニシグチさん( @jyoushi_n )やセキさん( @achrored )をはじめ、素晴らしいクリエイターさんたちと繋がることができたからだ。

もともとツイッターのタイムラインの中では「なにクリ(なにわクリエイターズ)」のことは知っていた。
関西の熱量の高いクリエイターさんたちが集まり、本を出版したり、交流会を開いたりと、活躍していたのだ。

最初はタイムラインを眺めているだけだった。
すごいなぁ・・・という感想と同時に、どこか羨ましさがあったのも事実だ。

当時のボクといえば、公私ともにいろんなことが重なり、仕事に対してのモチベーションを保てず、酒に溺れたダメダメの状態だったからだ。
いま思い返してもひどかったと思う。

毎日のようにワインをボトルで空け、ベロベロに酔っ払い、翌日は昼過ぎまで二日酔いを抱えていた。
あの頃の生産性の低さは本当にヤバかった。

そんなボクが、刺激を受け、再び立ち上がれるようになったのは、上司ニシグチさんのおかげだ。
最初は「ストーリージェニックな名刺」の記事を読んだことが入り口だった。

当時、「名刺なんてもう不要。」という考えだったボクの目から鱗が落ちた。
そうか、ただの名刺をつくろうとするから仕事がつまらなくなるのだ。
コミュニケーションをデザインしようとすれば、こんなにも名刺に可能性が溢れる。
ホントに衝撃だった。
広告業界を志した当時の情熱が戻ってきた。

そこからTwitterを使ってコンタクトを取り、上司ニシグチさんにお会いしたのが一番最初の行動。
多分、9月の中頃だったと思う。
続いて10月に大阪で開催する「なにクリ」にも呼んでいただいたのだが、台風が直撃して関西空港が使えない、などのハプニングが襲い、参加出来なかった。
めちゃくちゃ楽しみにしていただけに、お預けを食らったような気持ちだ。

そんな中での、11月のなにクリ福岡開催。
もう、東京からの距離とかどうでもよくて、参加を即決した。
当然ながら、テンションは上がる。笑
そして、想像通り、いや、想像以上に素晴らしい時間を過ごすことができた。

「福岡」だろうが「大阪」だろうが、自分に必要だと思ったら、いや、楽しそうだと思ったら、まずは行動する
これはすごく大事なことだと思う。

もちろん、当時はそんなこと考えていない。
とにかく動かなくては、という焦りにも近かったかも知れない。
結果、それがよかったのだ。

行動しないと、今日と同じ日々を繰り返す。
それを365日繰り返したら、今日と同じ未来がやってくるだけなのだ。

気づいたら、動こう。

熱量ある仲間の重要性

なにクリが素晴らしかったのは、上司ニシグチさんだけでなく、その周りのクリエイターのみなさんの熱量も等しく高かったことだ。

中でも、なにクリ主催の一人であるセキさん( @achrored )とは、クリエイティブやディレクションに対する価値感や考え方がよく似ていた。

クリエイティブの価値をもっと高めたいという志と、ディレクションという業務の言語化、明確化はまさにボクも必要と感じていた部分だ。
一人ではとうてい出来ないと思考停止していた部分に、セキさんは「コミュニティ化する」という課題解決を提案してきた。

素晴らしいアイディアだった。
当時の腐りきっていたボクでは到底できない発想だったのだ。

コミュニティ名は「ディレクション・ラボ」。

立ち上げに参加して協力してもらえないかという嬉しい申し出をいただき、二つ返事で了解した。
断る理由なんてどこにもなかったからだ。

同時に、その時ちょうど上司ニシグチさんも自身が主催するコミュニティの構想をしていた。
上司がいないフリーランスクリエイターのために、みずからが上司となり、サポートしていく、という趣旨のものだった。
これまた素晴らしい発想と取り組みに共感し、鳥肌がたった。

「それ、いいっすね!まさにオンライン上司じゃないですか!!」

テンションがあがったまま、ボクが言い放ったその一言で、コミュニティ名が決まった。
そのときはもちろん思いつきの一言でしかないけど、今思うと「これしかない」くらいに本質をきちんと拾い上げた、どハマりのネーミングだったと思う。
11月12日は、「オンライン上司」の命名記念日でもあるのだ。笑

他にも、北海道からかけつけたレタッチャーの大谷さんや、のちに一緒にトークイベントに登壇させていただくことになるmoneさんやスエオカさん、個別に仕事でお世話になる、しかのまさよさんやカトウヒカルさんなんかと初めてお会いしたのもこの時だ。

昼の12時から交流会が始まり、最後は夜中の12時まで12時間ぶっ続け。
気がついたら5次会まで参加してた。笑

単に楽しかっただけでなく、とにかく熱量の高いクリエイターさんたちばかりで、爆発的な刺激を受け、自分がどれだけ甘えていたか、思考停止していたか、痛いほどに気付かされた。

この熱量高い仲間との出会いが、ボクの今後を変えたと言っても過言ではない。
大いに刺激を受け、とにかく一年間、自分なりに活動をしてみようと心に決めた。

モチベーションは自分一人だとどうしても長続きしない。
そんなとき、周囲に同じ熱量の人がいることはとても重要だ。
そして、Twitterのタイムラインにはそんな人がたくさんいる。
フォロワーの数がどうとかではなくて、その人がやってる行動や、思考、想いをしっかり読み解こう。
きっと、自分と同じ熱量の人に出会えるはずだ。

がむしゃらにやることの重要性

この日から、いろいろな活動をやってきた。

年末から年始にかけてはディレクションラボオンライン上司、二つのコミュニティの立ち上げに参画。

東京と京都(大阪)の二拠点活動をしようと心に決めたのもこの頃だ。
年をまたいで、東京でもクリエイター交流会を開催したいと、ディレクションラボを通じて知り合ったmasaさんとの共同主催という形で江戸クリを立ち上げた。

3月には東京、5月には大阪でのトークイベントを自主開催して自ら登壇した。
4月は上司ニシグチさんの立ち上げたクリエイターの制作プラットフォームである「platform」に参加して、動画作品をつくるようになる。
7月から8月にかけてはディレラボ夏祭りと題して、1ヶ月のクリエイター祭りを主催、ディレクションした。
9月には京都クリエイターズ(みやクリ)の立ち上げのアドバイス。
10月にはOffice io をリブランディグし、事業の一つとしてSpicaの立ち上げをディレクションした。

これらが個人クリエイティブだとすると、ビジネス面でも大きな動きがあったのが2019年だ。

特にOffice io の存在が大きい。
1月の終わりにOffice io がスタートするきっかけとなる展示会のクリエイティブ・ディレクションを引き受けた。
2月には大阪の企業さんと単独でのクリエイティブ・ディレクション契約を結び、4月の展示会を経て、5月にはOffice io として東京の企業さんとの契約を果たす。
6、7月とオフラインでの活動を広げつつ、10月のリブランディグにむけて準備を進めてきた。
ioでの動きについてはまた改めて記事にしたいと思う。

とにかくできること、やりたいことをなんでもやると決めて動いてきたのが2019年だったし、実際にやってきた。

そして、いま振り返ると、ボクがやってきたのはほとんど全部「他人のやりたいこと」の手助けだった。
自分からこれをやりたい。と動いたのは江戸クリと夏祭りくらいかもしれない。
でも、それに気がつかないくらいがむしゃらだった。

その活動は確実にボクの中で核となり、重要な経験として蓄積されている。

自分のやりたいことが見つからない。という人は、とにかく人のやろうとしていることを手伝ってみると良い。
自分の中のガソリンを使うより、他の人のガソリンを使う方が上手く燃えて動ける人もいる。
ボクなんかはそのタイプだ。

ここで、「自分のやりたいことじゃないから」と言って動かなければ何も変わらなかっただろう。
結局、自分でやりたいことがないからと言って、頭のなかだけでそれを探しても見つからない。
だったら、なんでもいいからがむしゃらにやろう。
そのうち自分のやりたいことが見つかるかも知れない。

でも、見つからなくても別にいい。

がむしゃらになれることがあるということは、ある意味自分のやりたいことをやってる状態と大して変わらない。

自分が主体的でありさえすれば、誰の企画や提案だって構わないのだ。

「行動力」をもって「熱量ある仲間」と知り合い、そして「がむしゃらにやる」。

何を成せるかなんて、未来にならなきゃわからない。
どんどんやろう。

「新しい」が始まる日。

さて、こんな理由で、11月12日、今日はボクのなかでの記念日だ。

「とにかく一年やりきる。」はボクの中でのテーマだった。
何しろ飽きっぽい性格で、すぐに放り投げちゃうクセがある。笑

それがちゃんと一年走りきれたのはまさに一緒に走る仲間がいてくれたからこそだ。
コミュニティに限らず、Twitterのタイムラインでもそれぞれの活躍を見ては刺激を受けていた。
感謝しかない。

そして、ここからまた2020年に向けて動き出すつもりだ。
積み上げた経験と本質を大切にしながら、もう少しだけ走ってみる。
そのための仕込みを年内にやる。

もしかしたら、この一年とは違った走り方になるかも知れない。

同じ場所に居続けることは、自分の成長を止めてしまうと知っているからこそ、さらにできることを考え、やるべきことを洗練させていく。

まだまだ、やりたいこと、やるべきことは山ほどある。

闇雲に走り続けてきたこの一年を振り返るとともに、次は自分の望む場所に向かうために全速力で走ろうと思う。

新しい未来に挑むのはいつもワクワクする。

さぁ、もう一度、新しいを始めよう。

ABOUT ME
Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。