ディレクション入門

モノが売れない時代で、ボクらは何を売ればいいのか?〜次の時代の販売戦略を考える〜

この先、大量生産・大量消費の時代が終わりを迎えるなかで、企業経営者が考えるべきは「売り上げ」ではなく、「ブランド作り」だと思ってる。
もちろん、この自粛という経済瀕死の荒波を乗り切るってのが目下の目標であることは十分理解してる。
ボクが言うのはそのもう一歩だけ先の時代の話。

今回は、そんな新時代の「販売のあり方」についてちょっと考察してみようと思う。
これもまだ時代の大きな流れのなかの一意見で、正解とは思ってないけど、一応ね。

時代の波をどう読むか

ここまで自粛期間が長引くと、どのタイミングで今の経済が右肩上がりに戻るかは正直読めない。
下手をすると1年とか2年以上の長期にわたるデフレ経済に突入する可能性だってある。
なぜならボクらは「新しいもの」は実は今の生活の中ではそんなに必要ないと気がついてしまったから。

誰かとリアルに合わない社会では、人が羨むような「新しいもの」「流行りのもの」「高価なもの」を持つ必要がなくなった。
パジャマの上だけジャケットに変えたらweb会議には参加できるし、最新のiPhone Xや11proを持っていなくても事足りる。
自分たちの生活が縮小するなかで、最新技術はもはやオーバースペックなんだよね。

もちろん、ボクだってこのあと経済回復が起きないとは思ってない。
たぶん、いままでに抑圧された消費欲求は一時的に高まるはず。

一部の旧時代に取り残された感覚のひとたちが、こぞって自分の欲しかったものを買い漁る可能性は高い。
この残存消費人口がどれだけ多いかで、日本経済のV字回復のてっぺんが決まる。

さて、考えるべきはこのV字の景気回復の波にどうのるか?の方だ。

モノを売るな価値を売れ

仮に、日本経済が一時的にV字回復したとしても、その時に売るべきは「商品」や「サービス」ではなくなってるとボクは思う。
いや、むしろそんなモノやサービスを売ろうとしている感覚は旧時代においてくるべきだ。

大事なのはその「商品」や「サービス」を選んでもらう「揺るぎなストーリー」の方になってくる。
つまり、その人にとって、買うものがそれでなくてはならない理由が必要ってことになる。

ただ大量のチョコレートを生産して売ればいいという時代から、「1日幸せになれる一粒のチョコレート」みたいな「ファンに届ける商品・サービス」へとシフトしていく時代だってこと。
これを企業理念の根底から考えていくのがいわゆるブランディングで、絶対に今から意識した方がいい。

そしてこれは経営者が独断で決めて、社員に押し付けるものではないんだよね。
企業として目指す先をわかりやすく言語化し、みんなで同じ方向に向かって走る感覚を常に共有する必要がある。
ここが無いとリモートでの信頼関係は築けないようになってくる。
マネージメントの本質が変化していくことになるはず。

ブランディングについて

ブランディングってのはボクらクリエイターがやりたいことを押し付けたり、好き勝手に提案することじゃないんだ。
あくまでクライアントさんの内にある本質を救い出して言語化、具現化していくこと。
表面だけをとりつくろったブランドのメッキはすぐに剥がれる。
だからこそ、魂で向き合う必要があるとおもってる。

で、ボクらクリエイターと企業経営者が同じ目線で「企業」や「モノ」や「サービス」を育てていく戦略を立てる。
このときに必要なのが言語化とビジュアル化。
ここではじめて表層の方の意味でのデザインが登場する。
それより前は設計の意味でのデザイン。
ここをまぜて考えてたり、表層デザインだけにしか目がいかない人も多いので要注意。

ちょっと話がズレたので、ブランディングにもどしていこう。

例えば「ティファニー」がブランドとしてすごいのは、あの「色」だけでブランド想起させるだけの力があるから。
それはこれまで、たゆまず積み重ねてきたブランドイメージの結果なんだよね。
だからこそ、時代を経て結婚や婚約のような「幸せのイメージ」があの色に宿った。
そして今もブランドは育ち続けてる。

これは一朝一夕でできることじゃない。
でも、このイメージがあるからこそ、きっとティファニーは時代の消費傾向が変わっても売れ続けると思う。
これまでより圧倒的に売れる。ということではなく、最適な方法で欲しいとする人に届くと言う意味で。
つまり、需要と共有を保てるってこと。

婚約する人は「ダイヤの指輪」ではなく、「ティファニーのダイヤの指輪」を買っていく。
これがブランドの持つ力。

かつてはこのブランディングという考え方は高級品店や一部の大企業だけがするものだと考える人が多かった。
でも、実はそうじゃない。

ボクの中では中小・零細企業も、近所のラーメン屋でも、立ち飲みの居酒屋でも、チェーンのレストランでも、すべからくブランディングは行うべきだと思ってる。

いや、店舗とか企業に限らず、これから立ち上げる新規のプロジェクトについては片っ端からブランディングの意識を入れていくべきだと思ってる。
逆にいうなら、そうしないとポストコロナの時代では消費者に「選んでもらえない」からなんだよね。

なので、新しい時代に向けて、ぜひ「モノの売り方」は考え直しておく方が良いと思う。

もちろん、ご相談は、お気軽に。

 

 

告知

Office io では、中小・零細企業さま向けのミニマル・ブランディング・サービスを提供しています。
企業や商品販売、プロジェクトのコンセプトから設計し、揺るぎない方針を提案します。

・企業イメージを統一したい
・運営施設の内装を整えたい
・プロジェクトのコンセプトが欲しい

そうは思いながらも、月間100万単位のブランディング費用はとてもかけられない・・・という企業さま、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

問い合わせはこちら

Office io のこれまでのお仕事はこちらをチェック

Office io|トータルクリエイティブをデザインする。温楽ノ森ロゴデザインについて

Office_io|音符と休符をデザインする。温楽ノ森のコンセプトデザインについて

Office io|「I」をデザインする。株式会社インプレシャスさまブランディング案件【前編】

Office io|「I」をデザインする。株式会社インプレシャスさまブランディング案件【後編】

Office io|肩書きをデザインする。いずみの編集室さまブランディング案件【前編】

Office io|発想をデザインする。いずみの編集室さまブランディング案件【後編】

Office io|つながる情熱をデザインする。MUSICINGさまロゴ制作

Office io|COHPLUSさま名刺デザイン

Office io|スマホケースに守護星をデザインする

Office io|名刺で「ご縁」をデザインする

ABOUT ME
Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。