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動画制作ディレクション入門⑦|編集時の注意点

Andy
Andy
さて、今回は編集に関する注意点です。
撮影を終えて素材ができたので編集しますという話ですね。

映像選択について

基本的に編集を自分で、つまりディレクターがやる時もありますが、編集マンと呼ばれるプロをつける場合もあります。

理由としては自分が作品を客観的に見やすいから、というのが一番大きいです。もちろん編集が上手い、早い、というのもあるんですけど。

客観視というのがなぜ大事かというと、撮った素材って自分では落としにくいんですよ。

これも使いたいあれも使いたい、これもいいなあれもいいな、とどんどん入れていくと画だけが増えてしまって情報がスカスカだったりとか。

あと綺麗な画はいっぱい並んでいるけどテンポが悪いとかですね。

そういったことが発生するので一回そこは割り切って編集マンに「作業」としてお願いするワケです。

台本を書いて渡し、こういう風に繋ぎたいという思いだけ共有しておいて、編集マンに画を選んでもらう方が、あがりが綺麗というか気持ちいいものができると僕は思ってます。

もちろん、粗編を自分でやる時もあります。

ザクザクっとこれを使うと並べて渡した方が早かったりする時もあるんです。
例えばインタビューでここは使うんだというところは先に抜いて渡します。
基本的にはお願いして作ってもらった時に台本上での完成形を一回自分で考えているわけです。

そこから考えるのは引き算の方が多くなります。
だいたいが情報過多なんですよね。
映像がてんこ盛りだった場合、本当にそれは必要なのかというところ。

すごく雑に説明すれば、そのシーンには一回アップがあればいいのに、アップ入れてパーン入れて、もう一回アップにしましたっみたいな並び。

これは極端な例ですが、そんなに情報として言うことあります?みたいな時って結構あるんで、撮ったから使ってますみたいな画はどんどん引いていった方がいいですね。

それで画の選び方というのもどういう情報を言いたいのかという話で、例えば「机の上にお茶があります」と言いたいのであれば机を見せてからお茶にいきますし、「お茶があるのは机です」と言いたいのであればお茶を見せてから机を見せます。

その情報コントロールが言葉(ナレーションなど)ではなく、画で見せられているかどうかが大切です。

なのでナレーションがなくてもちゃんとその言いたい情報にフォーカスされているかどうかというのは編集の時にしっかり見る。

もちろん撮影の時から見なきゃいけないんですけど、ズームインしているのに、説明としてはズームバックの方が適していたとか、そういう部分は事前にカメラマンと話さないといけないですよね。

今、編集でも逆回転できますけど、その辺はやっぱり詰めておくし、情報の管理ですね。

画の綺麗さ云々にみんな目が行きがちなんですけど、情報を見るように癖をつけた方が編集は仕上がりが綺麗というか、わかりやすくなると思います。

まあ足りなすぎるのもキツイんですけど、それはそれで素ですと言えなくはない。間という捉え方ができるので、詰め込みすぎるよりかはまだ少ない方が映像は見やすいです。

そもそも、その映像は必要かってのも大事な考え方です。

本当にそのカットがいるのかっていうことですね。

極端な話、日本の何処何処という説明をする時に日本地図を入れなければいけない理由はないですよね。日本人としてみんなわかっているのであれば、東京タワーが見えればそれはもう日本の東京だとわかる。

そこに、キレイな画があるからという理由だけで、東京タワーを見せて、スカイツリーを見せて、さらにわざわざ新宿駅を見せる、というつなぎをしたら、その3個が本当にいるのかどうかということです。

東京タワーの話をしたくてスカイツリーの話をしたくて新宿駅の話をしたいんだったらいりますけど、「東京」と言いたいその一言に対してはどれか一個あれば多分いいと言う話ですね。それをあえて重ねていく理由はなかったりします。

プロの編集マンは、そういう映像の必要・不要みたいなところはしっかり判断して、やってくれるんです。

ディレクターはそれを見る時にちゃんと意識して見た方がいいよという話ですね。

ナレーションについて

もう一つ。
編集台本の中で重要になるのがナレーション原稿です。
これは具体的な注意点というか、考え方ですが、「1映像1情報」を厳密に意識したいところです。
結構動画を作る時にナレーションって慣れてない人が書くとすごく情報がてんこ盛りになります。

さっきの例で言うなら、東京タワーをズームインしていく中で、説明を全部言おうとしちゃうという。

この東京タワーが何年に造られて何百何十メートルで当時は何人の人が働いて…というのをずっとその1個の映像で言うと、やっぱり見る側には入ってこないですね。

「東京タワーです」というのがもう1個の情報なんですよ。
まあ言わないなら別の情報入れていいんですけど、ただ東京タワーを入れた時は「これは東京タワーです」。
それで何処にあるというのを言いたいんだったらその周りを映さないと。
それが次の画ですね。
位置情報を言いたいんのであれば、芝公園の近くにあってとか、あるいは最寄駅を見せてここから徒歩何分でみたいな見せ方をするとか。
高さを話したいんであればパーンアップを使うなり上空からの画を使うなりスケールがわかる画を出して、そこに高さの情報を入れる。

人が歩いてもいいんですけど。
さっき言った画の数と情報はできるだけ揃えていく。となると不要な情報はどんどん落としていかないと、色んなものがどんどん増えてしまうという。
なのでナレーションに関しても、「本当にその情報はいりますか?」というのは常に自分の中で考えながらやっていくという感じですね。

あとナレーションのセオリーなんですけど、15文字3秒と言われています。普通にナレーターが読む場合です。

よくやるのはワードで原稿設定をした時に横15文字で設定してしまって15文字改行で点丸を入れずにずっと書いていくと、15文字で10行作ると30秒のCMができるという、150文字ですかね。

ただそれはフルで読んだ時です。間とか素とかはない原稿ですね。
一回それを書いちゃって、あとは削っていくみたいな作業をやりますね。

まあ3秒なんで1つのカットを5秒から6秒にしておくと、そこに15文字分の情報は入りますというような。
素も入れてですね。そういう考え方です。

ナレーション原稿の書き方についてもう少しだけ。
ナレーション原稿に仕上がる前のものを編集台本という言い方をするんですけど、編集マンに渡す台本ですね。

一番向こう側に画があってこういう画を使いたい。次にテロップ。テロップこういう文字を入れますという。それでタイムコードがあって尺というコメントにかかる尺を入れるんですね、時間を入れるんですね。

それで一番こっちがコメントといって、さっき言った15文字3秒といった感覚で文字を入れていくという。これを作って編集マンがどんどん画を入れて内容を仕上げていくというのが編集作業という形になります。

文字校正についてどうするのか、という話しが出てたんですけど。まず文字が一番多いのはテロップなんですけど画面で一回一回やっているときりがないので、テロップ原稿というのを作ります。もう編集マンはその原稿の文字をコピペします。

だから点が入ったら点をそのままコピペしちゃうし、点がなかったらそのままないのをコピペするような感じですね。

誤字脱字があればここで直します。文字原稿、テロップ原稿、テロップの文字だけを抜き出した原稿。それでこのテロップ原稿の書き方は結構色々あるんですけどワードで文字だけ打ち出してシーンのタイムコードを書いて文字、タイムコードを書いて文字というパターンもありますし、位置まで指定したい場合もありますね。例えば右上に入れたい、そういう時は四角枠を書いて、それがテレビ画面だとして、ここに例えば「生茶のCM」と入れたいと言ったらここに位置まで指定して書くとか、そういうことをやったりします。

テロップ原稿の書き方に決まりはないんですけど、編集マンが見てわかるということが一つと、文字に対して校正をみんなで一緒にできるように同じデータを使うということですね。

ナレーション校正については、インタビューとかはそのまま入れるしかないんで入れるんですけど、例えばシーンによってはナレーションを入れている場合があったり、さっき言った東京タワーが333mでみたいな話とか。
これに関してはまず事実関係の確認はこっちでやっているとしてですね、クライアントにチェックしてほしいところで特殊な読み方が出てくる場合とか特殊なイントネーションが出てくる場合とか、こういう時は聞いてもらわないとわからないんですよね。

文字だけではわからない校正の部分

クライアントに余裕があればさっき言ったMAに来てもらって、実際にナレーターが読んでいるところで聞いてもらってその場で直してもらう。
それが一番確実で間違いがないですね。

あとクライアントのOKもそこで出るのでですね。それができない場合はさっき言ったみたいに自分で仮ナレーションを入れて渡して、それを聞いてもらってそこのイントネーション違うよとか。
あと読み方が間違ってるよとか、なんとかムラと読むのかなんとかソンと読むのか、なんとかチョウと読むのかなんとかマチと読むのか、そういった特殊なところは本人しかわからなかったりするので。

ネットで調べても本当にそれが正しいかどうかわからないからですね。
音なんで余計わかりにくいという。それはやっぱり来てもらうというのが一番ですね。

あとテレビではアクセント辞典というのがあってそういうのを使ったりとかするんですけど。まあさすがに今の現状でweb動画を作る中ではクライアントが処理できる範囲の情報だという認識ですね、今のところはですね。

そんな政府の特殊用語みたいなことが出てくるわけではないので。
基本的にはクライアントさんのOKがもらえればOKかなという感じで今は進めています。

まあ状況が変わればまた変わるかもしれないんですけど。
そこは今後どうするか内容によって変わってくるんじゃないかとは思います。そんな感じですかね。

Andy
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さて、次回は試写と修正についてです
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Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。