時代の流れが早すぎる。と感じたのはここ数年ことでした。
そのスピードが、ここ数年で特に早くなっているような気がします。
新型コロナの蔓延と緊急事態宣言、それによる自粛。
自分自身は動けないのに、ネットの中では急速な変化が押し寄せてきてます。
YouTubeを開設する人は各業界へと広がり、clubhouseをはじめとした新しいSNSの波及。
いつの間にか動画編集はスマホアプリでも簡単になり、オンライン化は歯止めが効きません。
この怒涛の時代の変化の中で、事業成長を考えるなら、企業経営者はますますクリエイティブ・ディレクションの重要性を理解する必要があるなと感じています。
企業成長のために
企業がさらに成長するには、これまでとは違うことをしなくちゃいけない時代になりました。
これは当然です。今までの積み重ねが今なんだから、未来を変えたいなら今を変えるしかないわけです。今と同じを積み上げたら、やってくるのは同じ未来ですから。誰にだってわかる理屈です。
でも、これを自ら出来る人はほとんどいないのが現実です。これまでと同じ世界しか見てないから、当然といえば当然かもしれません。
だったら、社外の人のやり方を見るか、その人にやり方を聞くしかない。これが外部のクリエイティブディレクターが必要な理由の一つです。
いま、あらゆる分野の企業がクリエイティブディレクションの力を必要としています。
デザイン思考で課題を解決し、体系立てて組織をデザインする方法や、その一歩先にあるのアート思考など、乱暴ないい方をすると、右脳と直感で企業にイノベーションをもたらすクリエイティブな能力。
これを自在に操ることが出来たら強いわけです。
いままで語られることのなかったクリエイティブ・ディレクションという考え方を体系化し、ビジネスを成功に導くことが、これから先の企業成長に求められるコアになると感じています。
クリテイティブ・ディレクションとは、雑然とした不明瞭な状況を整理して順位付けをし、課題解決の手段を導き出すことです。
そこには、「物事の本質」を発見する力が必要になります。
ただ、商品を売るということではなありません。
その商品が必要な、求められるような、売れるような世の中をつくること、あるいはそのニーズを察し、導き出すことの方が重要になります。
そして、クリエイティブ・ディレクターはなぜ自分の企画が良いのかを明確に言語化しなくてはなりません。
それが出来ないと、クライアントとの共通認識を作ることが出来ないからです。これができる様になるには、経験も必要不可欠だと思います。
ただし、経験とは年数のことじゃありません。
密度の濃い学びの中から、自分独自ののクリテイティブ・ディレクションの軸を作れるかどうかにかかっています。
広告クリエイティブの未来
広告クリエイティブにおいてよく「WhatとHow」という言われ方があります。
クリエイティブ・ディレクションにはそれ以前にあるWhyの部分が重要になります。
「なぜ、何のために、こういった商品が世の中にあるのか?」を考える必要があるからです。
例えばトースターなら、より良いトースターを考えるのではなく、そもそもトースターってなんで必要なの?ってとこから考える。
ニーズに対しての課題解決はプロダクトを作ることだけじゃないわけです。
ただし、クリエイティブ・ディレクションの能力を身に着けるには自分なりの方法を見つけるしかありません。いろんな人のクリエイティブ・ディレクションについてじっくり考えることが重要になります。
同様に、クリエイティブ・ディレクターはオリエンそのままに企画を考えてはいけないわけです。オリエンの本当の意味を見抜くことができなければ、今の時代に最適化されたアンサーを出すことが出来ないからです。
でも、実はこれが一番難しい。
考えるのが難しいのではなく、その考えを理解してもらうことが難しいのです。
トースターの改善を軸にしたプロジェクトで、トースターは不要だから別のことを提案するのが先ほどのwhy思考なのですが、それを理解出来る経営者はまだ日本にはそう多くはありません。
だからこそ、これからの企業経営者は「クリエイティブ・ディレクション」を学ぶべきだと言うわけです。
クリエイティブ・ディレクションの価値
クリエイティブ・ディレクションとは、ざっくり言うならクリエイティブでビジネスに貢献することです。
だから先ほどの様な「トースターは不要」という提案も、ビジネス貢献に根ざした提案なのです。
ここが理解されるかどうかは大きな差になります。
この、クリエイティブ・ディレクションの技能を身に着けるには、自分の得意なこと、不得意なことを把握して、自分のやり方を見つけるしかありません。
例えば優秀なクリエイティブディレクターの部下が、優秀なクリエイティブディレクターになるとは限らないわけです。
なぜなら、上司と同じやり方でクリテイティブディレクションを学んでも、部下にとって有益とは限らないからですね。
良いクリエイティブディレクターかどうかは、ヒットした企画の次でわかると言われています。
一作目のヒットから技法や方法論を身につけて、ヒットを連発できるかどうか、その再現性こそが真の能力だからと言えそうですね。
ただ、ここにも「クライアントの意向」は介在します。
良いパートナー企業さんと仕事をすること。
これこそが、もっとも大事なことだと思います。
クリエイティブ・ディレクションを学ぶ意味
クリエイティブ・ディレクションを学べば、企業の戦略を把握し、消費者や生活者、ユーザーなどの市場環境を把握、理解し、コミュニケーション設計ができるようになります。
ここでの『クリエイティブ』は広告デザインだけを意味するわけではなく、課題解決のための解決方法をアウトプットしたものを指します。
もちろん、そのアウトプットも商品やサービスに限りません。メディア構築や広告媒体かもしれませんし、企業全体ということもあるでしょう。
このクリエイティブ・ディレクションができている企業・組織は、大きな成長を遂げることができるはずです。
ただし、実現することは簡単ではありません。
そこを企画し、導く、そんなスキルを持つ人をクリエイティブ・ディレクターとよぶわけですね。