COLUMN

creative report 002|etomoji 代表 清川 英恵さん

Twitterのタイムラインでよく見かけるクリエイターさんとお茶やご飯に行って、その方のクリエイティブ業務に関する考えや想い、設計や戦略を勉強させていただこうというこの企画。

新時代のクリエイター 能力3種の神器である「マネタイズ(営業術)」「セルフプロデュース(自己発信術)」「オリジナルスキル(自分の武器)」について、いろいろと話を伺います。

そして、後半には噂のあの方も登場っ!?

ぜひお楽しみください。

etomoji 代表の清川 英恵さん

今回お話をお伺いしたのはetomoji 代表の清川 英恵さんです。
ハナエさんはデザイナーであり、プランナーであり、プロデューサーとして活躍中。

自らが立ち上げた etomoji の代表として、デザイナーという肩書きを超えて、いろんなことを企画、提案し、そして日本中を飛び回って活動されてる印象です。

特に2019年の後半は、関東、関西を行き来して、多くのトークイベントに登壇されていたのが印象的でした。

そんなハナエさんの「クリエイティブの流儀」を探っていきたいと思います。

ハナエ流マネタイズ(営業術)

ハナエさんは元々、大手ゲーム会社でインハウスデザイナーをされていたそうです。
独立してフリーランスのデザイナーとして活動を始めたのが2018年の11月。

大手企業のインハウスデザイナーさんが独立する場合は、その企業さんや、お付き合いのある企業さんから少なからずお仕事を引き継いだり、ご縁で頂いたりすることもあると思います。
ですが、ハナエさんはそれをせず、まさに何もないところからスタートしました。
このあたりの思い切りの良さや決断力は見習うべき部分が多いですよね。

よく、独立したい、フリーランスで勝負したい。と思いながらも、その踏ん切りがつかない人はけっこういます。
勢いや成り行きがないと飛び出せないのは、やはり独立後の成功が確約されないからでしょう。

そういう意味では、大手企業さんの仕事を引き続きもらえるとなれば、最低限の収入は確保できるわけで、独立のハードルは下がるかも知れません。
ですが、それは同時に会社員時代のしがらみも一緒に連れて行くことになるわけです。

自分が独立したいと思った理由は何か?
その本質をきちんと見ておかないと、独立して収入は下がったのにやってることは会社員時代と一緒。なんてことにもなりかねません。

ハナエさんのように、まずはゼロからしっかり立ち上げて行くのだという覚悟と決意は、独立を志すクリエイター であればぜひとも持っておきたいですね。

さて、独立を果たしたハナエさんは、etomoji を立ち上げ、その活動を開始します。
最初はSNSをはじめ、Webを中心に営業活動を開始したそうです。

Webサイトでは、初期の定期収入を確保するために、「サブスクリプションによるデザインプラン」を設定。
これがスタートアップ企業とうまくマッチングして活動基盤を確立することに成功します。
この、安定収入の確保という部分は、フリーランスとして勝負するなら絶対に意識するべきですね。
もちろん、向き不向きはあるので、そのまま真似をすれば良いとは限りませんが、ある程度の収入見込みがあると活動の幅を広げやすくなるのは事実です。
自分にあった定期的な営業戦略というのは考えておくと良いさそうですね。

その次に、ハナエさんは「デザインだけで戦う」というレッドオーシャンを早々に放棄するという戦略に出ます。
そして、デザインではなく、そこにアイディアを掛け合わせた企画や提案を一緒に売ることで顧客を広げてきたそうです。

この判断はなかなか難しいと思うのですが、おそらく自己分析や業界把握の能力が高いのでしょう。
詳しくは自分の武器の作り方に繋がる部分ですが、やはり自分の「好き」と「得意」を掛け合わせることで、自分にしかない相場価値を高めて行くことは重要です。

好きと得意の違いについてはこちらの記事でも解説してますので、よろしければ参考までに。

さらに、ハナエさんの営業戦略として秀逸だと思ったのが、「未来に向けての30年構想」として、シニアの活動サポートを EICHI(エイチ)という別組織として立ち上げ、すでに動かし始めている部分でした。
これは目先の収益化を考えず、この先の時代の流れと展開を読んだ素晴らしい構想でした。

目の前のことだけでなく、その先のことまで考える。
自分のことだけでなく、未来の顧客、ユーザーのことまで考える。

こうしたビジョン想起と視野の広さ、それに向けての行動力は、間違いなくハナエさんの特徴です。
これから先の展開がますます楽しみですね。

ハナエ流セルフプロデュース(自己発信術)

新時代のクリエイター 三種の神器、二つ目はセルフプロデュース(自己発信術)力です。
ハナエさんは現在、etomoji代表としての本アカウントと、別人格(?)である清川ドラゴンの2面展開をしています。

もともと、最初はTwitterを営業ツールにしようと、etomoji アカウントを立ち上げました。
初期のイメージとして打ち出していたのは「考えを言語化する人」であり、「高級デザインのイメージ」だったそうです。
実際にそこから仕事につなげ、いくつも案件を獲得しているのはさすがですね。

また、今後はプランナーのイメージを強化していきたいとのことで、2年目はさらに発信を意識していく予定だそうです。

そのためにも、イベントの企画展開をどんどん推し進めるなどして、常に何かをプロデュースし、動かしている人だというイメージを打ち出して行く計画だそうです。

セルフプロデュースと一口に言っても、いろんなやり方があります。
それこそ、自分にあった方法で、自分の目指している場所に向かうように設計できないと、たんなる自己満足に終わってしまう。
当然、一朝一夕にできることではありません。

タイムラインやWebの海には成功者の声が溢れるほどに流れてきます。
でも、その成功例は本当に自分に合うやり方なのでしょうか?

真似をしてみる、試してみる、ということはもちろん大事です。
一方で、思考停止のまま、ただそれを真似るだけでは時間の無駄です。
ちゃんと再現性はあるのか?
自分に向いているのか?
自分の行きたい方に進んでいるのか?

そのあたりは常にチェックしながら積み上げて行く必要があるでしょう。

ハナエさんのように明確な目標を持ちつつ、自分の進むべき道が見えている人はそれが出来るから強いわけですね。
これはボクがよくTwitterの発信で言う「自分軸」のことです。

ある意味、自分自身の成長コンセプトとも言うべき「自分軸」は、しっかり考えておきたいところです。

さて、etomoji アカウントとは別で、ハナエさんはもう一つのアカウントを運営(別人格扱い)しています。
それが「清川ドラゴン」です。

今回の対談では、後半には清川ドラゴンさん本人が登場するというサプライズ。笑

清川ドラゴンは、クリエイタープロレスと称した団体(実際は個人の集まり)で発信するために作った裏アカウント的な立ち位置のものだったそうです。
クリエイタープロレスや清川ドラゴンは、いまや界隈を超えて盛り上がりをみせています。

清川ドラゴンアカウントは、表とは全くことなるキャラ設定で、まさにプロレスでいうところのヒール(悪)役キャラ。
そのため、言いたいことを言えるというのが最大のメリットですね。

実は、清川ドラゴンのアカウントは、本気で運営をすると決めて、一度リブランディグをかけているそうです。
Twitterのヘッダーや、アイコンの写真撮影をプロに頼み、名刺をトレーディングカード風にデザインするなど、プロのクリエイターとして本気で遊ぶことでクオリティを爆上げしました。

その結果として、清川ドラゴンを支持するクリエイターたちの巻き込みにも成功しています。
この巻き込みは決して狙っていたものではないようですが、やはり本気が人を動かす、というのは間違いないですね。

この「清川ドラゴン引退事変?」は、クリエイタープロレス界隈が一気に広がるブレイクスルーのきっかけになった出来事ではないかと思っています。

清川ドラゴンは、「本アカではできないことをやる」「本来は無かったニーズを作り上げる」をテーマに、その運営に楽しみを感じているそうです。

さらに、自分のトレーディングカード風の名刺を実際にお会いした方に渡したところ、自分もそれが欲しいという声から、実際の受注へとつなげています。
まさに「本来は無かったニーズを作り上げる」を実践しているわけですね。
単なるSNS上の活動だけでなく、リアルベースにまで落とし込む手腕はさすがです。

遊びでも仕事でも、一生懸命やれば何かが生まれる。
これはクリエイターとしては最高の展開ではないでしょうか?

目の前の仕事に愚痴を言う暇があるなら、その裏で自分が楽しめることをすればいい。

清川ドラゴンは、そんなクリエイターがもともと持っていたはずの原初の創造力を刺激してくれますね。

ハナエ流オリジナルスキル(自分の武器)

さて、三種の神器、3つ目はオリジナルスキル(自分の武器)についてです。

ハナエさんは比較的早い段階から、自分のユニークさは「アイディア」だと分析し、それが武器にできるように設計をしていました。

デザインスキルだけで戦うにも、そこは青天井です。
そんなレッドオーシャンでわざわざ戦う必要はないわけですね。

そこで、デザインというスキルにビジネスアイディアを掛け算することで、自分の唯一無二となる武器、オリジナリティを創出しています。

プロデュースや企画など、アイディアを活かせる仕事で広く展開していくことで、デザインにこだわることなく戦えます。
また、そうした企画や提案にはたいていクリエイティブが必要になってくる。
その時に自分ができるデザインを提供する、というやり方ですね。

好きなことだけを突き詰めるのももちろん一つの手ではありますが、やはり自分の得意の幅を広げることが武器になるわけです。
アイディアの豊富さ、企画・提案とともに関東、関西を関係なく飛び回れるフットワークの軽さ、それを実現させるだけの行動力、実行力。
ハナエさんの能力の掛け算は非常に合理的で秀逸です。

また、今後の新しい武器として「ご縁」に再現性を持たせることを考えている。と言う言葉が印象的でした。
確かに、仕事のほとんどは人との縁から生まれます。
仮にSNSから繋がってご依頼をいただくとしても、やはりそれは縁があるからお声かけいただくことになるわけですね。

そうした「出会いとビジネス化の相関関係」を分析、言語化して、それに再現性をもたせられないかを検証中ということで、この考えには関心を通りこして脱帽しました。

今後の展開が楽しみです。

編集後記

ハナエさんに話を聞くなかで印象的だったのが、「いい意味の裏切りを提案したい」という言葉です。
大手ゲーム会社に長くつとめたこともあり、その根底にはエンターテイメントを提供したいという思いが強く根付いているそうです。

そして、あらゆるエンターテイメントは、「いい意味の裏切り」があることによって、より面白いものとして人々に楽しまれるわけです。
当たり前ですが、予定調和のエンターテイメントは魅力に欠けますからね。

こうしたエンターテイメント思考と、目先だけでなく、長期の未来までを考えることのできるハナエさんの時空を超える立体的な思考はとても強い武器なんだと感じました。

・目の前から30年先までの四次元的な戦略思考
・自分を知ることで広げる好きと得意の掛け算
・ニーズを創出するエンターテイメント意識

このあたりは非常に印象深かった部分ですね。

また、ボクとしてもいろいろと広く、深く考えるきっかけをいただく素晴らしい機会となりました。
ありがとうございました。

クリエイティブレポート、第二回のゲストはetomoji 代表のハナエさんでした。

ぜひ、次回もお楽しみに。

ABOUT ME
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Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。