COLUMN

アートが企業やボクらに与えてくれる価値や意義を少しだけ考えてみる。

みなさんはArtは好きですか?
興味ありますか?

興味のあるなしは別としても、Artという言葉自体は聞いたことがあるはず。
ただ、それがなにか?と言われると、ちょっと説明までは難しいのではないかと思います。

日本ではまだまだ、Artそのものの社会的認知が低く、市場規模も欧米にくらべたら遥かに小さいものです。
事業として確立するためにはどうしても立ち遅れていたという現状もあります。

今回はその「Art」と「ビジネス」の関わり、あるいは価値について、これからの展望と展開を踏まえ、ディレクション目線にはなりますが、少し解説できたら良いなと思います。

なぜアートには価値があるのか

これは、ホリエモンこと堀江貴文さんとチームラボの猪子寿之さんが対談されたときの記事で書かれていたように記憶してますが、歴史に名を残すのは革命家と科学者と芸術家(アーティスト)だと言われているそうです。

なぜなら、世界を変革するからです。
革命家はレボリューションで、科学者はイノベーションで世界を変えます。

では、アーティスはどうやって世界を変えるのか?

アンディーウォーホルはポップアートで世間の価値観を変え、社会のニーズを変革させ、時代を一新したとされています。

まだ大量消費が軽んぜられていた時代の入り口で、現代社会に通じる大量生産・大量消費を自らのアートで「かっこいいもの」と認めさせ、時代のうねりをつくったからだと言われています。

つまり、時代のニーズの「うねり」を生み出す人。
それがアーティストだというわけです。

ちなみに、これは余談ですが、なぜバスキアの絵に元ZOZOの前澤さんが100億の価値を認めたか、という部分にも、時代の流れが関係しています。

アートはその作品が「どういう思想・思考・発想」で創られたのか、が非常に大事になります。
だから、その作品を見た後なら「なんだ、こんなのオレでも創れるわ」と感じる方もいるかも知れません。

でも、その造形が造れることが価値ではないのです。
その造形を創ろうとした思想、思考、発想こそがアートの価値になるからです。

また、希少性もアートの価値の一つです。
作者が亡くなれば、それらの作品が増えることはありません。
必然、求める人数が一定数いる以上、価値は上がり続けるという仕組みです。

つまり、アートの価値は本質と周辺の掛け算で生まれるということになります。

大切なのは本質です。
まず、その作品にどれだけ心を揺さぶられ、魂を震わせるか。
そしてその魂を震わされた人数がどれだけ多いか。
ここが掛け算されることでアートの価値は高まるという仕組みですね。

今の時代が求める「価値」

さて、大量生産・大量消費の入り口の時代において、新しい価値観をアンディーウォーホルが提示したように、いま、また時代は新たな価値観を求めていると感じています。

つまり、これまでの右肩上がりの経済成長時代が終焉し、物質の豊らから心の豊かさを求める時代になってきているという部分です。

昭和時代のように、お金があることが豊かさの象徴であった時代はとうに過ぎ去りました。
ミニマリストを代表するように、「心の豊かさ」「精神的な豊かさ」の価値が重んじられる時代です。

もちろん、シャネルのスーツを着ていることがカッコいいと思う人はまだまだたくさんいるでしょう。
一方で、全身をユニクロでオシャレにコーディネートしている姿がカッコいいとする価値観も存在しています。

それほどまでに消費者の趣味や思考はどんどん多様化し、細分化されていきます。

趣味や思考だけではありません。

ジェンダーの定義もカテゴライズが増え、その先はさらに境界が溶けてなくなるでしょう。
個が強調され、「どう生きるか」「いかに生きるか」にみんなが向き合う時代が来ているわけです。
ネットの中でインフルエンサーが「好きなことで生きていく」を声高に叫ぶのもそうした時代背景からですし、現実問題としてBlogやYouTubeなどから収入を得ることでそれが叶えられる時代になりました。

そんな時代になっていくからこそ、既存のビジネスモデルに頼る企業が淘汰され、独自にファンやコミュニティをつくり、自らの本質を描くストーリーを語れる企業が伸びてくるわけです。
そして、この思考潮流は今後ますます強まっていくでしょう。

だからこそ、「企業価値」がデザインという目に見える形で表現する時代から、心に届くように表現する時代に変化していっているのだと思います。

画一的な大量生産体制から、デザイン思考へと遷移し、さらにアート思考へと遷移していくのも当然です。

こうした時代背景の中で、アートの問いかけをトリガーとした、企業ブランディングという考え方が生まれてくると感じています。

アートが企業やビジネスに与える影響(価値)

これはあくまでひとつの定義でしかありませんが、「現代アート」は、この世界・社会・時代を解釈し、再構築したものです。

なので、アーティストのアート作品は「見ている世界を解釈し、そしてそれを作品として再構築したもの」だということです。

これは、デザインでは成し得ない「概念」の領域です。

そういう意味で、企業が現代アートを取り入れることは、その企業がいまの社会・世界・時代とどう関わりたいか、この時代をどう見るかというところまで含めてイメージブランディングできる、ということになります。

「取り入れる」と一言で言ってもいろいろとやり方はあります。
協賛することでアーティストさんの個展を開いたり、独自に美術館やギャラリーを持つ企業も増えてきています。
自社ビルの中にアート作品を飾る企業さんも多いですね。

これらをこの先のイメージ戦略に取り込めたら、時代のニーズの一歩先をいくアイディアが生まれるのは当然です。

例えば、アートを題材にした広告やwebCMの手法もそうですね。
最近ではadidasさんが動画広告として取り入れてます。
ただ、この考え方はまだまだ前衛的すぎて、理解し、取り入れてもらえる企業はまだまだ多くありません。

また、企業に限らず、個々人のビジネス面でも大きな影響を与えてくれます。

アーティストは時代の先読みが上手です。
直感が鋭く、感受性が豊かで、感度が高く、抽象を具体化するのが得意だからだと思います。
その感性、感覚の影響をボクらは知らず識らずのうちにアート作品から受けていたりします。

これも余談ですが、ボク自身がアートを意識し始めてから変化したことがたくさんあります。

例えば手帳の見方が変わりました。
いままでは、過去に起きたことは「現在」から見返しての「過去に起きた事実」としてしか認識できていませんでした。

ところが、最近は「過去に起きた事実」の地点に意識を向かわせ、「そこから現在を見通す」ということができるようになってきたのです。

そうすることで、現在に至るまでに必要だった事象がより明確に紐付けられ、断続的だった過去の事象の多くに「価値と意味」を見つけることができるようになりました。

これを繰り返していくと、さらに「現在の地点」から、これから起こりうる未来へ向けてのサーチができるようになると感じています。

これもすべて、アートに触れることで、自分と対話する時間ができたことから、「過去とひとつながりの自分」を意識できたのが発端です。

これを実現するためには、できるだけ多くの人にアートに触れてもらうことで、自分と対話する時間を持ってもらうことが重要です。
そのためにできることを一から積み上げている。というのが現状なのです。

ちょっと宗教じみて聞こえるかも知れませんが、ジョブズなどの有名なイノベーターたちが、みんなアートに造詣が深かった理由であると感じています。

これは大げさでもなんでもなく、左脳型のビジネスモデルが崩れ、右脳型の時代がやってきます。

アート思考の時代です。
アートを難しく捉えず、また得体の知れないものとして処理せず、もっと気軽に、日常から楽しんでもらえるものになるといいなと思うわけです。

 

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Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。