COLUMN

企業経営者の皆さん!ちょっと仕事に役立つ「クリエイティブ思考」についての話をしませんか?後編

前回の記事では、「クリエイティブ思考」がなぜ今必要で、どうビジネスに生きるのか、みたいなところを解説してみました。

なかなかに簡単な内容ではないのですが、でも、だからこそこの「クリエイティブ思考」を扱い、プロジェクトやビジネスを推進する「クリエイティブ・ディレクター」という職種がいろんなシーンで必要になってくるのではないかと思いっています。

今回は、そんな前編を受けて、後篇として「クリエイティブ思考」をビジネスに活かす、「クリエイティブ・ディレクター」という職種について掘り下げてみたいと思います。

クリエイティブ・ディレクションの力

いま、あらゆる分野の企業がクリエイティブ・ディレクションの力を必要としていると感じています。

課題を解決し、体系立てて組織をデザインする「デザイン思考」と、自由な発想、感性から導き出される「アート思考」。

この二つは、乱暴ないい方をすると、右脳と直感で企業にイノベーションをもたらすことにつながります。

これを自在に操ることが出来たら強いわけですね。

でも、「思いつき」はあくまで思いつきであり、それを変幻自在にコントロールすることは簡単ではありません。

だからこそ、いままで語られることのなかったクリエイティブディレクションという考え方を体系化し、ビジネスを成功に導くための「ツール」とする必要があるのではないかとボクは考えます。

広告クリエイティブにおいて、よく言われるWhatHowという言葉があります。

シンプルにいうなら、「what」は「モノ、こと」をたずねる言葉であり、「how」は「モノ、こと」以外をたずねるする言葉です。

でも、クリエイティブ・ディレクションにはそれ以前にあるWhyの部分が重要になります。

つまり、「なぜ?」ですね。

既存の枠組みを疑い、新しい発想や考え方、これまでにないシステムなどを生み出すためには、まずこの発想が必要になります。

例えば、「なぜ、何のために、こういった商品が世の中にあるのか?」を考えるということですね。

例えばトースターなら、より良いトースターを考えるのではなく、そもそもトースターってなんで必要なの?ってとこから考えるわけです。

魚焼きレンジや、フライパンでも食パンを焼くことはできます。

にも関わらず、なぜ、この世の中にトースターが必要なのでしょうか?

それがトースターの存在意義であり、アイデンティティとなります。

もちろん、これは時代とともに変遷します。

もしかしたら、冷静に考えたらこの時代にはトースターの存在価値はなかった・・・みたいなことになるかも知れません。

ニーズに対しての課題解決はプロダクトを作ることだけじゃないんですよね。

そいうい意味では、クリエイティブディレクターは企業のオリエンをそのまま企画にしようと考えてはいけないわけです。

オリエンの本当の意味を見抜くことができなければ、提案の意味がないからですね。

それをするために必要なのがWhyだというわけです。

この、そもそもを考えることができるかどうか、これが「クリエイティブ・ディレクション」の力です。

クリエイティブ・ディレクションを身につけるには?

では、どうしたら「クリエイティブ・ディレクション」の力、あるいは「クリエイティブ思考」を身につけることが出来るのでしょうか?

実は、クリエイティブディレクションの能力を身に着けるには、自分なりの方法を見つけるしかないんです。

なんと元も子もない話だ・・・と思うかも知れませんが、残念ながら真実だと思います。

優秀なクリエイティブディレクターの部下が、優秀なクリエイティブディレクターになるとは限りません。

なぜなら、上司と同じやり方でクリテイティブディレクションを学んでも、そのやり方が部下にとっては有益とは限らないからです。

これはシンプルに、クリエイティブ・ディレクションという能力がテンプレート化された固有の能力ではないことを示しています。

だからこそ、クリエイティブディレクションの技能を身に着けるには、自分の得意なこと、不得意なことを把握して、自分のやり方を見つけるしかないわけですね。

そのためには、いろんな人のクリエイティブ・ディレクションについてじっくり考えたり、学ぼうとすることが大事になります。

真似だけではダメですが、知ろうともしないものをできるようになるというのもまた無理ゲーだからです。

そして、出来るだけ優秀な人から学ぶことはやはり価値があります。

「良いクリエイティブ・ディレクターかどうかは、ヒットした企画の次でわかる。」とは良く言われる言葉です。

一発のヒットを出すのであれば、それは実力以外に運や周囲の状況、時流なんかもあります。

(もちろん、一発のヒットを出すことですら難しいのですが・・・)

その一作目のヒットから技法や方法論を身につけて、ヒットを連発できるのが良いクリエイティブ・ディレクターだということですね。

ネットで検索すると、偉大な先輩たちの名前がどんどん出てきます。

まずはそこから学ぼうと意識することかな、と思います。

そして、クリテイティブ・ディレクターにとっては経験が一番重要になります。

成長するためには経験が必要なんです。

ただし、経験とは年数のことじゃありません。年齢でもない。

多くのトライアンドエラーの中で、クリテイティブ・ディレクションとは何かを常に考え、自分のクリテイティブディレクションの軸を作ること。

それこそが、唯一の自分の中での成長の鍵となるのだと思っています。

そもそも、クリエイティブ・ディレクションとは?

クリエイティブ・ディレクションとは何か?と聞かれた時、色々と答えに困ることが多いです。

一つには企画提案力だったり、制作進行力だったりします。

突き詰めたら課題解決力になるって部分も、ボクはしょっちゅう発信してます。

ですがそれらはどれも個別能力の断片なのかも知れません。

あえて、もっと大きく囲って定義するなら、「クリエイティブ・ディレクションとは、クリエイティブでビジネスを成長させること」なのかも知れないと最近はよく思います。

ビジネスがあって初めて、クリエイティブの価値が生まれるのです。

逆に言えば、自己満足の誰も必要としないクリエイティブは単なる趣味ですね。

クリエイティブディレクションの視点から見ると、商品開発の方法やビジネスの根幹は、表現の作り方と似ています。

混沌としたもの(アイディアや考え、意見)から、整理して順位付けをし、解決の手段を導き出すこと。

物事の本質をすくいだし、それを誰もが見てもわかるように言語化、ビジュアル化すること。

そのプロジェクトやアウトプットによってもたらされるゴールを設定すること。

これらの能力が複合的に組み合わされることで、ビジネスは圧倒的に成長するはずです。

クリエイティブ・ディレクションとは、単に目の前にある商品を売ることではありません。

その商品が必要な、求められるような、売れるような、そんな世の中をつくることです。

だからこそ、クリエイティブディレクターは企画の良さを言語化しなくてはならないわけです。

それはすなわち、クライアントとの共通認識を作ることにつながるからですね。

この共通認識がうまく作れないと、プロジェクトもビジネスも上手く進んでくれません。

(多くのプレゼンがうまくいかないのは、ここに原因があったりします)

そして、企業の戦略を把握し、生活者や市場環境を理解し、ビジネスにおけるDtoCコミュニケーションを企画・設計する。

このようなスキルを持つ人をクリエイティブ・ディレクターと呼ぶのではないかと思うわけです。

ちなみに、ボクの言うここでの『クリエイティブ』とは広告だけを意味しているものではありません。

課題解決のためのソリューションをアウトプット(=コミュニケーション)したものをボクは「クリエイティブ」だと呼んでいます。

だからこそ、すべてのビジネスにおいてクリエイティブ・ディレクションは存在するわけですね。

ここでのアウトプットは、商品、サービス、あるいは広告かもしれません。

ブランディングやCI設計となった場合は、企業全体ということもあるでしょう。

このクリエイティブ・ディレクションが明確にできている企業・組織は、大きな成長を遂げることができるわけです。

どんどんと世の中が複雑化しています。

それは単にインターネットの存在だけでなく、コロナや災害級の猛暑といった、アンコントロールな要素も含めて全てです。

そんな複雑な世の中において、企業と消費者、あるいはプロダクトやサービスといった商品と消費者のコミュニケーションを生み出すために、優秀なクリエイティブディレクターが必要とされ、すべてを統合してアウトプットするクリエイティブ・ディレクションの考え方が不可欠になっているのだと感じます。

これを考えるときの大事なポイントの一つとして、「誰かの成功事例を探さない」ってのがあります。

時代は常に流れています。

過去から学ぶのは大事ですが、二番煎じではクリエイティブとは呼べないのです。

常に今と過去を疑い、新しい考え方、発想をし続けること。

それこそがクリエイティブ・ディレクションの本質なのかも知れません。

まだまだ、ボク自身も修行の身。

これらを体系化したり、言語化したりするのは簡単ではありません。

でも、だからと言ってそれはやらない理由にはなりません。

常に今を疑い、新しい発想、思考を自ら実践すると言う意味でも、まだまだこれからも発信を続けて行きたいと思います。

 

はじめてのディレクション
〜スペシャリストでないあなたが「見えないスキル」を形にする方法〜

第1回|器用貧乏で、何者にもなれない自分がコンプレックスです

第2回|ジェネラリストを名乗れるほど、すべてが完璧にできるわけではないのですが…

第3回|いろいろやりすぎて、何年経っても専門性が身についている気がしません

第4回|”進行管理”と”ディレクション”の違いはなんですか?〜前編〜

第5回|”進行管理”と”ディレクション”の違いはなんですか?〜後編〜

第6回|”リーダー”と比較するとわかる。”ディレクター”のこれだけははずせない必須スキルとは!?〜前編〜

第7回|”リーダー”と比較するとわかる。”ディレクター”のこれだけははずせない必須スキルとは!?〜後編〜

ABOUT ME
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Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。