COLUMN

第7回|”リーダー”と比較するとわかる。”ディレクター”のこれだけははずせない必須スキルとは!?〜後編〜

初めてのディレクション第7回

この連載は「得意なことがない」「スペシャリストにはなれない」と悩んでいる方が「ディレクション」という武器を手に入れるための入門書です。
何者にもなれない悩みをクリエイティブ・ディレクターのAndyさんにぶつけて、自分の武器を手に入れるヒントを一緒に探してきましょう!
あなたには、「ディレクション」という武器がある!

今回のご相談(前編からの続き)

「”ディレクターにこれだけは欠かせない!”というスキルはなんですか?」

質問者:ミホ(仮名)25歳 会社員  

Andyの回答
課題解決力でしょうか。といっても、そんなに難しく考える必要はなく、要するに”タスクに分解する力”ともいえるでしょう。

こんにちは。ライターのあさのみです。

さて、第6回の「前編」では、ディレクターに必要な「課題解決力」とは何か?というのを深堀りしていき、「タスク分解力」だと正体を突き止めました。

正体を突き止めたとはいっても、まだちょっとぼんやりしている「タスク分解力」。

より具体的にイメージするためにAndyさんから、ケーススタディのお題をいただきました!

一緒に考えながら読んでいただけると嬉しいです。

ケーススタディ:結婚式の二次会幹事をすることになった!

1:自分に向いている役割は何かを考えてみよう!

 

結婚式の二次会の幹事。よくあるシチュエーションではないでしょうか。
ボクは普段から「幹事が得意な人はディレクターに向いている」と言っています。
それは、「幹事」はまさに企画の実行を担う人だからですね。

結婚式の二次会は、要するにイベント企画なので
成功させるためには、ディレクターの存在が必須です。

では、あなたが結婚式の二次会の幹事を任されたとして
まずはどのようなポジションをやるイメージがありますか?

前編でリーダーとディレクターを比較して整理したので
ここでもこのフレームで考えてみましょう。

リーダーが得意なこと

・どういう雰囲気の二次会にするかを考える
・やるぞー!と言って協力者をどんどん集める
・この人のためならがんばるか〜とみんながひと肌脱ぎ始める

ディレクターが得意なこと

・多岐にわたる業務を把握し、人に割り振る
・段取りをする。ミーティングを設定したり、会場下見をしたり
・ヌケもれないかを考えてリスクヘッジをする

これはあくまで一例ですが、なんとなく役割分担のイメージはつきましたか?

ボクはどちらかというと後者で、「二次会幹事にAndyがいると重宝する」という理由で何かと巻き込まれがちでした(笑)

2:ディレククタータイプのあなた。まずは何からしますか?

今回は「ディレクター」タイプの方向けに
どうやってディレクション力を使ってイベント企画を成功させるかを
考えていきます。

さて、ディレクターのあなた。

結婚式の幹事をまかされたとき、まずは何をしますか?

少し考えてみてください。

 

 

まずすべきことは、ゴール設定ですね。

これをしないとタスクに分解できません。

 

ここでは、クライアントである新郎新婦にヒアリングをして、どのような二次会を望んでいるか、要望を聞き出します。

・ゲストとの交流をたっぷりしたい
・サプライズをしたい
・とにかく会場全体で盛り上がりたい

などなど、要望によってゴールが異なりますね。

このケーススタディでは
・とにかく会場全体で盛り上がりたい!お祭り騒ぎの二次会
というコンセプトで考え進めていきましょう。

お祭り騒ぎの二次会! ということで
夜空に風船を飛ばしたり、シャンパンシャワーをしたり!?
音楽ライブみたいな演出にする?
ビンゴ大会も景品をめちゃくちゃ豪華にする?
などなど、企画はもう少し詰めていくことになりますね。

(ここは、ディレクターがひとりでやらなくても、得意な人を巻き込んで、協力してアイディアを出せばOK)

3:コンセプトが明確になったら、いよいよ登場「タスク分解」あなたは「タスク分解」できますか?

 

さて、企画の大枠が固まりました。

「二次会」という、ざっくりしたものから「コンセプト」へと階層を1段下ろしたことで
より具体的なものになってきました。

ここまできたら、あとは「タスク」に分解できそうです。

どんなタスクが必要か、思い浮かびますか?

 

 

□協力者に声をかける(アサイン)
□いつまでに何をすればよいのかを決める(スケジューリング)
□最初のミーティングの設定
□会場候補をあげる
□予算を計算する
□当日必要な準備物を洗い出す

ほかにもまだまだありそうですが、いったんここまで。
正解不正解はないので、「実行できる粒度」のタスクに分解できていたらOKです。

これ、実は、todoリストとも呼ばれるもの。
「タスク分解」って要するに、todoリストの作成なんですね。

これは、結婚式の二次会であっても、アイドルになりたいという夢の実現のためであってもtodoリストが作れなければ実行のしようがありません。

どんなにすばらしい企画でも、実行できないと意味がない。
なので、ディレクションが必要なのですね。

 

このtodoリストの作成力こそ、ディレクターの必須スキル。

 

「二次会をしよう!」と聞いて
「todoがひとつも思い浮かばない……!」
という方は、ディレクターには向いていないと言えるかもしれません。

「todoならすぐにざっと洗い出せるけど、そんなことでいいの?」
という方は、ディレクターの素養があると思います。

自分にとって得意なこと、武器になることは、意外と自分にとっては「当たり前」のもので気づかないのですよね。

ちなみに、todoが膨大になるビッグプロジェクトなどは
専門家をアサインし、タスクを振り分けるのもディレクターの仕事のひとつ。
todoをすべて自分で処理する能力は、必須スキルではないですよ。

二次会でいうと、
几帳面で丁寧な事務処理能力の高い人に会計をお願いしたり
盛り上げ上手で場の仕切り・進行ができる人に司会をお願いしたり
行動力がある人に下見や買い物をお願いしたりなどが
それにあたります。

まったくむいていない人に業務を振り分けてしまう人も中にはいるので(笑)
スタッフィングスキルも、ディレクターの武器になるスキルです。

必須スキルをベースに、自分の強みを磨いていこう!

6回、7回と2回連続で「ディレクターの必須スキル」というテーマでお話をしました。

ディレクションスキルは、複数スキルの掛け合わせなので
必須スキルである「タスク分解力」をベースにして

・コンセプトを作り上げる企画力(攻める力)
・未来を先読みするリスク管理力(守る力)
・未来から逆算する進行管理力(第4回、5回で取り上げました)

など、自分の得意なことと掛け合わせられると、
さらにディレクターとしての強みが発揮できると思います。

まずはベーシックスキルである課題解決力を意識して磨いていきつつ
自分の得意なことと掛け合わせながら
あなたらしい「企画実現力」を発揮していってください。

次回予告

「これまで一度もモテたことがない男子です。恋愛もディレクションで攻略できますか?」

質問者:匿名

Andyの回答
「攻略できるか、と言われると、個別のケースによると思いますが、恋愛にもディレクションが必要な要素はたくさんあると思います!ディレクションを恋愛にどう活かすのか!?解説していきます」

告知

「武器がない」と悩む方からの質問を募集しています。

年齢、立場、悩み事(ざっくりでも具体的なシーンに関してでも)を書いて、Andyさんに悩み相談をするような感覚で、お気軽にこちらにお送りください。
匿名でOK!
こちらの連載で取り上げ、Andyさんに回答してもらいましょう!

もっと「ディレクション」について読む

「ディレクション」は武器になるシリーズ

はじめてのディレクション
〜スペシャリストでないあなたが「見えないスキル」を形にする方法〜

第1回|器用貧乏で、何者にもなれない自分がコンプレックスです

第2回|ジェネラリストを名乗れるほど、すべてが完璧にできるわけではないのですが…

第3回|いろいろやりすぎて、何年経っても専門性が身についている気がしません

第4回|”進行管理”と”ディレクション”の違いはなんですか?〜前編〜

第5回|”進行管理”と”ディレクション”の違いはなんですか?〜後編〜

ディレクションスキルを学ぼう!

ディレクション入門①
ディレクションって、結局どんな業務なの?仕事内容を徹底解剖。

ディレクション入門②
キャンプの昼ご飯決めでわかる、ディレクションの質の話。

ディレクション入門③
プロの仕事から学ぶ、ロゴ制作のプロセス大公開

ディレクション入門④
ヒアリングの苦手意識を克服しよう!

ディレクション入門⑤
ネーミング&コピーライティングのコツ

ディレクション入門⑥
打合せで活きるディレクション力を学ぼう!

ディレクション入門⑦
プレゼンテーションの基礎・基本を学ぼう

ディレクション入門⑧
打ち合わせのまとめ方

ディレクション入門⑨
スケジューリングのコツを考えてみよう

 

ABOUT ME
企画・執筆|いずみの編集室 あさのみ ゆき
企画・執筆|いずみの編集室 あさのみ ゆき
フリーランス編集者、ライター。専門は子どもの知的好奇心をテーマにした読み物。日常の中にある知らなかったわくわくや初めての発見を見つけられる誌面作りにこだわっている。 「私自身も、専門家としての突き抜けられなさに悩んでいる1人です。だけど、たくさんの専門家に取材をしてきて思うことは、自分がわくわくすることに根気強く向き合えば、必ず一人ひとりに合った道が見つかるということ。この連載を通して、共に”知らなかった自分の力”を発見していけると嬉しいです。」