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第6回|”リーダー”と比較するとわかる。”ディレクター”のこれだけははずせない必須スキルとは!?〜前編〜

初めてのディレクション第6回

この連載は「得意なことがない」「スペシャリストにはなれない」と悩んでいる方が「ディレクション」という武器を手に入れるための入門書です。

何者にもなれない悩みをクリエイティブ・ディレクターのAndyさんにぶつけて、自分の武器を手に入れるヒントを一緒に探してきましょう!

あなたには、「ディレクション」という武器がある!

こんにちは。編集/ライターのあさのみです。

はじめてのディレクション
〜スペシャリストでないあなたが「見えないスキル」を形にする方法〜、
今回は6回目。ご感想などいただけて嬉しいです!(大歓迎です!)

さて、今回は、これまでの5回で、「自分ってディレクター向きかも?」と思ってきた方が、きっと知りたくなっている「ディレクターに最低限必要な必須スキルって何?」というテーマです。

今回のご相談

 

「”ディレクターにこれだけは欠かせない!”というスキルはなんですか?」

質問者:ミホ(仮名)25歳 会社員  

Andyの回答
課題解決力でしょうか。といっても、そんなに難しく考える必要はなく、要するに”タスクに分解する力”ともいえるでしょう。

タスク分解力!? 「なんだか難しそう……私にはそういう力はないな……」とブラウザバックしないでくださいね。


Andyさんのこのツイートに勇気づけられつつ、ディレクションスキルの最も基本になるものを教えてもらいましょう。
これは、あなたが意識せずにやっていることかもしれません。
無意識のものを意識して使えるようになると、力がさらに磨けるはずですよ!

ディレクターに必要なスキルは「課題解決力」。でも、そこで思考停止しないことが力をつけるカギとなる。

ディレクションには課題解決力が必要だと言われることも多いです。
ボクもディレクターとしての必須能力を1つあげよ、と言われたら「課題解決力」と答えます。

「課題解決力が必要」って、これ、本当に、よく聞く言葉ですよね。

でも、実は「世界平和って大事だよね」くらい
広い言葉じゃありませんか?(笑)

全員が「うん、それはもちろん大事!」って答えるくらい
否定のしようがない概念だけど
どういうものが「世界平和」というのか具体的にイメージするものは人それぞれ違うはず。

「世界平和を実現する!」と言っているだけでは実現できないのと一緒で、
「課題解決力を身に着ける!」で止まっていては、ディレクターに必要なその力を身に付けることはできません。

今回は
「課題解決力を身につけましょう!」で思考停止するのではなく
ディレクターに必要な「課題解決力」とは何かを深堀りしていこうと思います。

その本質がつかめたら、その力を磨く方法も自ずと見えてくるはずです。

まずは前提! 「リーダー」と比較して考えるとよくわかる。「ディレクター」の役割とは何だろう。

これまでの連載の中でも何度もお伝えしましたが、「ディレクションって何?」という質問に端的に答えるならば「企画を実現する力」と言えます。

リーダーと比較してみましょう。

■リーダー
・企画の方針、方向を決める。夢を作る。
・自分の持っているビジョンを(感覚的に)関わる人と共有する。
・みんなを行きたい方向に引っ張っていく。(先導する)

■ディレクター
・「夢」を実現させるための、具体的な道筋を考える。
・共有されたビジョンを言語化し、具体的に共有する。
・みんなの行くべき方向を指し示す。(誘導する)

リーダーとディレクターリーダーとディレクターの違い

 

もちろん、リーダー兼ディレクターという方もたくさんいらっしゃいます。
また、リーダーは会社などの組織内における上司の場合もあるでしょうが
「クライアント」となる場合もありますね。

例えば、office ioにお仕事をご依頼いただいた場合
クリエイティブ・ディレクターとしてのボクの仕事は
クライアントさんの話をじっくり聞いて、その方の中にあるビジョンや夢を引き出し、言語化するところから始まります。

つまり、ボクの中にあるビジョンではなく、クライアントさんの中にあるビジョンを形にするお手伝いをディレクターとしてやっているのです。

さて、この図解を見てお気づきの方もいるかもしれませんが
ディレクターは、「0から夢を作る力」は必須ではないということですね。
(もちろんそういう力のあるディレクターは強みになりますが、今回のテーマである”必須すきるは何か?”というお題からはそれますね)

夢やアイディアやビジョンを、
「具体的に形にしていくフェーズ」を担当するのが
ディレクターです。

器用貧乏の方の中には、ひとつを極められないが故に「自分の夢がない」と悩んでいる方もいらっしゃいます。
また、ディレクター=リーダーだと思い、チームを導かなければ!と背負いすぎている方もいるかもしれません。
しかし、ディレクターとリーダーは役割が違いますので、一人で担わなくてもいいのです。

「やりたいことはぼんやりあるのだけど、どう実行したらよいかわからない」というリーダータイプの方も多くいます。
そういう方にとって、右腕となるディレクターがいることがどんなに心強いか。

どちらが偉いとか優れているとかではありません。
一人で担わなくてもいい。
これにつきます。

いよいよ結論!ディレクションにおける「課題解決力」とは「タスク分解力」である!

 

ディレクターが実行する人なのだとしたら
ディレクションにおける「課題解決力」とは
企画を実行するにあたって、解決しなければならない問題はなにか、を考える力です。

「企画」は、いわば冒頭で話した言葉を使えば「世界平和」。

それを実現するには、
・どんな状態を世界平和と呼ぶのか=ゴール設定する
・そのゴールを実現するために解決しなければならない問題はなにか=タスク分解をする。
ことが必要です。

ようやくでてきました。
企画実行をするディレクターにとって、必須スキルとなる課題解決力とは
「タスク分解力」なのです。

カーナビの目的地をセットして
どのルートでいくのか
どこで休憩をとるのか
など具体的なプランを考えるイメージですね。

例えば、「アイドルになりたい!」という夢があったとして
このままでは夢は夢のまま。
実行はできません。

まずは、どんなアイドルになりたいのかのゴールを設定する。
そして、そのゴールに向かうには、何をしなければならないのか?
実行可能な小さなタスクに切り分けていきます。

・原宿でスカウトされる
・オーディションに受かる
・SNSで人気者になる
・タレントプロダクションに所属する

そうなるためにはどんなtodoがある??
と、これもさらにどんどん分解していきます。

・原宿でスカウトされる

なら、

・原宿に行く
・スカウトされるようにする

さらに細かく

・どんな姿格好ならスカウトされやすいか調べる
・どんな時間帯が良いか調べる
・どの人がスカウトなのか知っておく

など、どんどんブレイクダウンしておきます。
これがタスク分解力ですね。

そして、もちろんゴールに向かうための筋道(タスク)はいつも一つではありません。

・原宿でスカウトされる

が無理だったら、次は「オーディションに受かる」をやれば良いわけです。
(もちろん、同時並行でもOK)

そのタスクを実行して積み上げていけば、夢は実現に向かうのです。

タスク分解力

 

漠然とした大きな企画を実現するためには
どのようなタスクが必要なのか
何から考えたらよいか、手をつけたらよいか
あなたはパッとイメージがわきますか?

”いつまでに、という期限を考える必要があるな”
”いくらかかるか、という予算を考える必要があるな”
”誰に助けてもらうのか、というチームを組む必要があるな”
”必要なものはなにか、洗い出す必要があるな”

このように、大きな塊の課題を、実行可能なレベルのものに切り分けていければ
いいのです。

実は、冒頭に投げかけた「課題解決力」ってなんなのか?という疑問を
このように細かく分解し、具体的にしていく力も、ある意味タスク分解力。

「課題解決力」で思考停止せず、具体的に目に見えるものにしていきましょうと問い掛けたのはそのためです。

なので、今回は結論が遠くなりましたが
あえて、大きなところから入っていき
ゴール設定(=ディレクターの役割の定義)をし、そのために必要な力を具体的に考えていくという展開でお話をしてみました。

次回(後編)の予告

ディレクターの必須スキル「課題解決力」はすなわち「タスク分解力」だっ!!とまさに「分解」して具体的にできました。

が、今回はまだまだ「概要」。
後編では、より具体的な事例を例に「タスク分解力」とは何かを教えていただきます!

次回 後編テーマ

ケーススタディ:結婚式の二次会幹事をすることになった! 

さあ、結婚式の二次会を、「タスク分解」を使って、どのようにディレクションしますか!?一緒に考えてみましょう!

告知

「武器がない」と悩む方からの質問を募集しています。
年齢、立場、悩み事(ざっくりでも具体的なシーンに関してでも)を書いて、Andyさんに悩み相談をするような感覚で、お気軽にこちらにお送りください。
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もっと「ディレクション」について読む

「ディレクション」は武器になるシリーズ

はじめてのディレクション 〜スペシャリストでないあなたが「見えないスキル」を形にする方法〜

第1回|器用貧乏で、何者にもなれない自分がコンプレックスです

第2回|ジェネラリストを名乗れるほど、すべてが完璧にできるわけではないのですが…

第3回|いろいろやりすぎて、何年経っても専門性が身についている気がしません

第4回|”進行管理”と”ディレクション”の違いはなんですか?〜前編〜

第5回|”進行管理”と”ディレクション”の違いはなんですか?〜後編〜

第6回|”リーダー”と比較するとわかる。”ディレクター”のこれだけははずせない必須スキルとは!?〜前編〜

第7回|”リーダー”と比較するとわかる。”ディレクター”のこれだけははずせない必須スキルとは!?〜後編〜

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we.の収益は全て「クリエイティブの価値を高め、広め、深める。」の理念の元、メディアwe.の運営や、それに付随する全ての活動に使わせていただきます。

ABOUT ME
企画・執筆|いずみの編集室 あさのみ ゆき
企画・執筆|いずみの編集室 あさのみ ゆき
フリーランス編集者、ライター。専門は子どもの知的好奇心をテーマにした読み物。日常の中にある知らなかったわくわくや初めての発見を見つけられる誌面作りにこだわっている。 「私自身も、専門家としての突き抜けられなさに悩んでいる1人です。だけど、たくさんの専門家に取材をしてきて思うことは、自分がわくわくすることに根気強く向き合えば、必ず一人ひとりに合った道が見つかるということ。この連載を通して、共に”知らなかった自分の力”を発見していけると嬉しいです。」