ディレクション入門

第1回|器用貧乏で、何者にもなれない自分がコンプレックスです

はじめまして。

はじめてのディレクション
〜スペシャリストでないあなたが「見えないスキル」を形にする方法〜

編集/ライターの「あさのみ」と申します。

今日からはじめるこの連載は、「得意なことがない」「スペシャリストにはなれない」と悩んでいる方、なんでもそれなりにこなせるけど、これといった専門スキルがなく、器用貧乏に悩んでいる方「ディレクション」という武器を手に入れるための入門書です。

実は、クリエイティブ・ディレクターであり、このメディアサイトwe.の運営者であるAndyさんも、20代の頃は器用貧乏に悩んでいたそうです。

ディレクションはそもそも…

・スキルとして可視化しづらく、それ単体でお金を稼げないと思われがち。
・クリエイティブ業界にしか関係のない限定的なスキルだと思われがち。

だけど、ディレクションの本質とは実行力。どんな分野でも、どんな時代でも通用する、道を切り拓くためのスキルです。

では、あなたの中に眠っているディレクション力をどうやって見つけ出す? どうやって磨く? どうやって使う?

クリエイティブディレクターAndyさんに、その悩みに答えてもらいましょう!

全員がスペシャリストを目指す必要はない。
ジェネラリストを極めて力にしましょう。

 あなたには、「ディレクション」という武器がある!

今回のご相談

評価面談で上司に「あなたには尖ったスキルがない。今後活躍するためには自分の得意が何かを見極めて磨いた方がいい」と言われました。
そんなことは自分がいちばんわかっていますが、得意なことなんてないんです。
すべての分野が平均的。器用貧乏が本当にコンプレックスです。

質問者:26歳 カオリ(仮名) 会社員

Andyの回答
「あなたにとって当たり前にできることが、実はすごい力です。あなたの総合力に、”ディレクション力”という名前をつけましょう。」

さてさて、詳しくAndyさんに聞いてみました。

あなたにもできる!? ディレクション入門!簡単チェック

あなたには、この中に「まぁ、一応できているな」と思えるスキルはありますか?

□リーダーやクライアントから企画の意図や意向、その背景などを聞き取る

□ぼんやりとした企画の課題や要件などをわかりやすく整理する

□企画のコアとなる部分を見つけ出し、それを他の人に説明する(プレゼン、資料化などアウトプット形式は問わず)

□プロジェクトのゴールを設定し、関係者全員と共有する

□タスクが見えないざっくりとした業務を細かくtodoに落とす

□締め切りから逆算して、無理のないスケジューリングをする

□企画から妥当な予算を算出する(漏れなく見積もりを取る、情報を集める)

□プロジェクトを成功させるために必要なスキルを持つ人を見つけ出し、依頼する

□全体の進捗をチェックして、こぼれている業務があればフォローする

□進行する上で発生しそうなリスクを予想し、事前に調整ができる

□発生してしまった問題に対しては、リスクが少ないうちに先手を打つ

□チームの中で、業務面、心情面含めての滞りを察知し、全員が気持ちよく仕事ができるような配慮をする

全てに当てはまらなくても、だいたいできているな、意外とやってるかも、と思えるものが複数ありませんか?
もしかして、あなたは「え……これってどれも社会人として当たり前のスキルなんじゃ……」と思ったかもしれません。

これらはすべて、ディレクションスキルです。

プロジェクトを成功に導くための実行力、調整力とも言えます。
あなたにとって、些細なこと、当たり前にできるこれらのスキルは、束ねると「ディレクション」という武器になるのです。

「ディレクションスキル」ってそもそもどんな力なの?

チェックリストにあった「ディレクション力」を図でまとめるとこんな感じ。

ディレクションという名前をつけ、体系立てて整理すると、「すごい力」に思えませんか?

そう、「すごい力」なんですよ。

アイディアが出せる人も、才能溢れるクリエイターも、もしかしてあなたが憧れているかもしれないプロフェッショナルも、ディレクション力なくして、価値を具現化することはできないのです。
もちろん、プロフェッショナルの中には、優れたディレクションスキルを持っている方もいるでしょう。しかし、あなたにとって当たり前にできることが、すべての人にとって当たり前にできるものではないのも事実。

器用貧乏を総合力と読み替えると、「ディレクション」という武器になる

仮に、プロジェクトチームの中にあなたがいなかったとしたら、その企画や業務はうまく進行したでしょうか?

あなたはリーダーではないかもしれません。
また、謙虚な方ほど、「あの人のおかげでうまくいった」と思いがちで、最後にシュートを決める人や、目立つ仕事をしている人に目が向くかもしれません。

しかし、それを下支えしているあなたの力はありませんでしたか?

ディレクション力は、確かに、1つ1つ切り出すと、たいしたことないものにも見えます。
だからこそ、あなたの上司も「尖ったものがない」と言ったのでしょう。
でも、それは上司の方が、これからの時代に必要なディレクション力を理解してないということですよ(笑)

ただし、まだまだディレクション力というのは、クリエイティブ業界に限定したものと思われているところもあり、理解が得られないのも仕方がないことです。

なので、あなた自身が、その価値を体現し、アピールしていく必要もあります。
そのためには、自分の持つ「器用貧乏」という素質を、「総合力」として位置づけ直し、誇りを持つことが第一歩。

マインドセットをしましょう!

器用貧乏は才能です。 プロのジェネラリストになるのです!

悲観することはありません。1つを尖らせる方向ではなく、総合力を磨いていくという戦い方もあるのです。

次回予告

「自分はスペシャリストではなく、ジェネラリストだとは思うのですが、すべてがなんでもできるわけではなく、能力チャートでいうと五角形が平均的に小さいような感じです。Andyさんのように企画提案がガンガンできるわけでもなく。それでもディレクションはできるのでしょうか?」

質問者:ヤス 27歳 会社員

Andyの回答
「できますよ!ディレクション力は、総合力とはいえ、全てが完璧にできなくてもよいのです。まず大事なのは自分のキャラクター(能力)を知ることですっ」

告知

質問募集


we.では「武器がない」と悩む方からの質問を募集しています。
年齢、立場、悩み事(ざっくりでも具体的なシーンに関してでも)を書いて、こちらにお送りください。

「ディレクション」は武器になるシリーズ

はじめてのディレクション
〜スペシャリストでないあなたが「見えないスキル」を形にする方法〜

第1回|器用貧乏で、何者にもなれない自分がコンプレックスです

第2回|ジェネラリストを名乗れるほど、すべてが完璧にできるわけではないのですが…

第3回|いろいろやりすぎて、何年経っても専門性が身についている気がしません

第4回|”進行管理”と”ディレクション”の違いはなんですか?〜前編〜

第5回|”進行管理”と”ディレクション”の違いはなんですか?〜後編〜

第6回|”リーダー”と比較するとわかる。”ディレクター”のこれだけははずせない必須スキルとは!?〜前編〜

第7回|”リーダー”と比較するとわかる。”ディレクター”のこれだけははずせない必須スキルとは!?〜後編〜

ディレクションスキルを学ぼう!

ディレクション入門①
ディレクションって、結局どんな業務なの?仕事内容を徹底解剖。

ディレクション入門②
キャンプの昼ご飯決めでわかる、ディレクションの質の話。

ディレクション入門③
プロの仕事から学ぶ、ロゴ制作のプロセス大公開

ディレクション入門④
ヒアリングの苦手意識を克服しよう!

ディレクション入門⑤
ネーミング&コピーライティングのコツ

ディレクション入門⑥
打合せで活きるディレクション力を学ぼう!

ディレクション入門⑦
プレゼンテーションの基礎・基本を学ぼう

ディレクション入門⑧
打ち合わせのまとめ方

ディレクション入門⑨
スケジューリングのコツを考えてみよう

we.の収益は全て「クリエイティブの価値を高め、広め、深める。」の理念の元、メディアwe.の運営や、それに付随する全ての活動に使わせていただきます。

ABOUT ME
企画・執筆|いずみの編集室 あさのみ ゆき
フリーランス編集者、ライター。専門は子どもの知的好奇心をテーマにした読み物。日常の中にある知らなかったわくわくや初めての発見を見つけられる誌面作りにこだわっている。 「私自身も、専門家としての突き抜けられなさに悩んでいる1人です。だけど、たくさんの専門家に取材をしてきて思うことは、自分がわくわくすることに根気強く向き合えば、必ず一人ひとりに合った道が見つかるということ。この連載を通して、共に”知らなかった自分の力”を発見していけると嬉しいです。」