ディレクション入門

企業経営者の皆さん!ちょっと仕事に役立つ「クリエイティブ思考」についての話をしませんか?前編

みなさんは「クリエイティブ思考」って聞いたことありますか?
なんだか、「クリエイティブ思考」というと概念的ですごく難しく聞こえてくるかも知れません。

でも、本質を理解したらそんなに難しいものじゃないってことがわかると思います。

今回はそんな、巷でよく聞く「クリエイティブ思考」について、少し掘り下げて見たいと思います。

クリエイティブ思考(シンキング)ってぶっちゃけなんなの?

「クリエイティブ思考」を究極シンプルに説明するとしたら、「新しいものを生み出す」考え方のことですね。

え?なにそれ?
ただそれだけのこと???

と、思うかも知れません。
でも、これって、これまで「前例」の成功トレースで走り続けてきた人たちにとっては簡単なことじゃないんです。
だから創造や創作、表現者やアーティストといった0→1思考を学び、ビジネスに取り入れようってことになるわけです。

これはボクの推測でしかないのですが、戦後日本の右肩上がりの成長は失敗を恐れない、いや、むしろ失敗って何かわからないくらいのいけいけドンドンのエネルギーで成り立っていたのではないかと思います。
それがバブルが弾け、平成になって経済が成熟し、「失敗」がわかりやすくなってきたのではないでしょうか。

つまりは利益を損なうこと=失敗の時代の到来です。
ここからが、失われた時代の始まり。

みんな守りに入ったんですよね。
過去の成功事例にすがりつき、とにかく失敗しないように、ミスをしないように・・・上司や企業のことばかり考えて仕事をするようになってしまった。

本来、どんな仕事もどこかしらクリエイティブな要素があるはずなのに、そこを無視して、型通り、テンプレ通り、いつも通りに「こなしていく」ようになったんだと思ってます。

守りに入った世界では、成功も発展も訪れるわけがありません。

今の日本の景気の冷え込みは、何も震災やコロナだけがもたらしたものではないと思います。
それより、もっと根深い体質があったはず。

ただし、ここからは一気に時代が加速します。

いつしかボクらは平成のぬるま湯の中にいました。
ゆとり世代を揶揄しながらも、実はボクらがゆとり真っ只中だったっていう悲しいアイロニーです。
9.11も、3.11も、何度も変わるチャンスはあったはずなんです。
でも、変わり切ることはできなかった。
いい悪いじゃなく、そういう時代だったんですね。
ある意味では、平和な時代。

今、令和になって思うのは、そんな平和や安泰なんて長く続かないってことです。
戦争のない時代に生まれたことに感謝しつつ、未曾有の災害や厄災の時代と戦うことになったわけですから。
どちらが幸せとかではなく、今、生きる時代の中でボクらは自分の幸せを探すしかないんだと思います。
ポストコロナでは世界が一変するでしょう。

また、この先、怒涛の倒産ラッシュが来るかも知れません。
いや、実はもう来てるのかもですね。

でも、その次は「再起の時代」の始まりなんです。

一度は倒産した企業経営者も、捲土重来の思いで復活してくる人が多いはず。
また、倒産ギリギリの絶望の淵を経験した企業経営者は死に物狂いで再建を図ります。
新しいビジネスが、一気に加速する時代へ突入するはずです。

だからこそ、「クリエイティブ思考」が求められれている、とも考えられます。

そんな時代を乗り越えようと、取り沙汰されたのが「クリエイティブ思考」というわけです。

そして、この「新しいものを生み出す」考え方は、大きく4つの要素から成り立っています。

クリエイティブ思考の4大要素

クリエイティブ思考の4大要素①温故知新

いつの時代も、過去から学び、今を知り、未来に活かすこと以外に新しいものは生まれません。
例えば、イノベーションは既存の技術の組み合わせから生まれるわけです。
そう考えたら、過去を知らない、あるいは知ろうとしないのはナンセンスですよね。
過去のリソースがあるからこそ、未来の可能性を探れるわけです。

クリエイティブ思考には、「温故知新」は欠かせません。

クリエイティブ思考の4大要素②創造

当然ですが、創造なくして「クリエイティブ」とは呼べないでしょう。
そして、創造するためには自己と向き合うことが必要になります。
なぜか?
それが創造の原点だからです。

自分だから発想できるもの。
自分だから生み出せるもの。
自分だから創造できるもの。

禅問答のようですが、それを見つけるためには、結局自分と向き合うしかない。

創造(クリエイティブ)とは、自分と向き合うこと、というのはそういう意味です。
そうしないと単なる誰かの模倣やパクリになってしまうからです。
(模倣そのものが悪いわけではないですが)

そして、これは個人も企業も同じなんですね。

つまり、自社のアイデンティティがわかってないのに、新しいサービスを生み出すことは出来ないわけです。
また、仮に出来ても一過性のものになってしまいます。
なんのために?が言語化出来ないと上に積み上がらないんですね。

ちなみに、芸人の一発屋と呼ばれる人は実はこれに近いものがあります。
自己がないから、表面的な人気が過ぎ去ると忘れられてしまう。

でも、自己を持っている人は、自分の本質を理解しているから長く戦えるわけです。

クリエイティブ思考の4大要素③表現

さて、創造はまだ自分の中の妄想、考え、アイディアにすぎません。
つまり、形にできるかどうかはこの「表現」次第だということです。

創造を伴う思考は、第三者に理解してもらう必要があります。
そこで必要なのが表現というわけです。

言語化、イラスト、動画、音楽…表現方法は無限だけど、理解してもらえるかはその次のステップなんですよね。
さらに、多くの共感を得るパワーが必要になります。

もちろん、それだけの要素でもないのでひとくくりには言えないですが、SNSでインフルエンサーになれる人は、この辺りの感度、感性が高い人が多いです。

クリエイティブ思考の4大要素④拡散

さて、どれだけ素晴らしい表現が出来たとしても、それが周囲に伝わらないと意味はありません。
(自己満足で終わるなら別)

説明にはロジックが必要ですが、時としてそれを超えた拡散力も必要になります。

むしろ、良いアイディアは意図しなくても拡散されていく場合が多いですね。
狙うのではなく、そうあるべきアイディアであること。

これらを合わせることで、「クリエイティブ思考」は成り立っていると言えます。

経営者がクリエイティブ思考で売り上げを上げるコツ

では、このクリエイティブ思考をどうやったらビジネスに活かせるのか?

ボクは、経営者の方ほどクリエイティブの概念は勉強した方がいいと思ってます。
それはクリエイターであるボクがビジネスやマーケティングを学ぶのと同じですね。

同じサービスや商品でも、コンセプトがあるかないかで大きく変わります。
先ほどの例ではないですが、一発屋で終わらず、ちゃんと長く愛され、楽しんでもらう商品やサービスを世に送り出すには、それ相応のコンセプトが必要なんです。
そのコンセプトを生み出すのも、クリエイティブ思考の一つです。

経営者の方はアイディアが豊富だから、コンテンツ思考が先行することが多いんです。
あれをやりたい、これをやりたい。
でも、そのやりたいことをそのままやるだけだとごちゃ混ぜの幕の内弁当ができるんですね。

残念ながら、それだと記憶に残らない。
だからコンセプトを決めてコンテンツを一串で貫く必要があるわけです。
そうすることで、全てのコンテンツに存在意義が生まれるからです。

コンテンツをコンテンツとして終わらせず、しっかりと意義を確立してコンテクストとして設計する。
この横つながりの思考が、ないものを生み出す「クリエイティブ思考」なんだと思ってます。

また、企業がさらに成長するには、これまでとは違うことをしなくちゃいけないわけです。

これは当然ですよね?

今までの積み重ねが今なんだから、未来を変えたいなら今を変えるしかないですから。
今と同じを積み上げたら、やってくるのは同じ未来がやってくるだけです。
これは誰にだってわかる理屈。

でも、これを自ら出来る人はほとんどいないんです。
同じ世界しか見てないから、これも当然なのかも知れません。

そこで新しいことを始める思考をもつ、つまりはクリエイティブ思考をどう発揮するか、が鍵になるというわけです。

やり方としては2つ。
外部の人にやり方を聞くか、あるいは自分自身がクリエイティブ思考をする以外にないわけです。

この場合は、学ぶことも大事ですし、それを外部のクリエイティブディレクターに委託して、一緒になって考える手もあるわけです。

新しいものを生み出すのに必要なのは、情熱と思考。

その二つをうまく組み合わせたら、ビジネスは間違いなく加速します。

さて、長くなってきたので、後半はまた次回!

より具体的な「クリエイティブ・ディレクション」について解説できればと思います。

どうぞお楽しみに。

 

ディレクション入門①
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ABOUT ME
Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。