第8回|”恋愛”をディレクションで攻略するための3つの極意!
この連載は「得意なことがない」「スペシャリストにはなれない」と悩んでいる方が「ディレクション」という武器を手に入れるための入門書です。
何者にもなれない悩みをクリエイティブ・ディレクターのAndyさんにぶつけて、自分の武器を手に入れるヒントを一緒に探してきましょう!
あなたには、「ディレクション」という武器がある!
こんにちは。編集/ライターのあさのみです。
はじめてのディレクション〜スペシャリストでないあなたが「見えないスキル」を形にする方法〜。
これまでの7回はビジネスに使えるディレクションスキルの基本を解説してきました。ガチ!な話ばかりだったので、今回は少し息抜き。
質問箱からいただいたお悩みをもとに、ビジネスから離れて、”恋愛”でもディレクションスキルって使えるの?というテーマでお話を聞きました。
今回のご相談
「今までモテたことがない男子です。恋愛もディレクションで攻略できますか?」
質問者:匿名
Andyの回答
「”モテる”や”恋愛の攻略”の定義にもよりますが、恋愛にもディレクションが必要な要素はたくさんありますよ!」
恋愛でディレクションスキルがどう活かされるのか!?
Andyさんのこんなツイートを見つけました!
ディレクションのスキルって、実は全部みんなが無意識にやってることがベース。
例えばデートの場合
・行く店や映画のリサーチ
・その日のスケジューリング
・雨が降った時のリスクコントロール
・サプライズは企画そして、思い出に残るデートにはしっかりした軸、つまりコンセプトがある。
— Andy(クリエイティブ・ディレクター) (@we_creat) December 15, 2019
今回は、雑談回ということで、わたしがモテない人代表として
モテ男!?Andyさんにチャチャ入れながら詳しく聞いていきます!
ぜひ気楽にお読みください〜♪
恋愛をディレクションで攻略する極意1 ○○○設定が最初の一歩!さて、○○○とは!?
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]まず→『”モテる”や”恋愛の攻略”の定義にもよりますが』と回答するあたりがさすがAndyさんですよね。笑[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]「モテる」とは何か「恋愛を攻略する」とは何か、確かにイメージが人それぞれ違いますよね。合コンで連絡先をたくさん手に入れることなのか、片思いの人と付き合うことなのか…。ゴール設定を明確にすることが、ディレクターとしては必須ですね。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]それは、もしかして、第6回・7回でテーマにしていたディレクターの必須スキル「タスク分解力」と同じ話ですか!?復習ですね![/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]その通りです。課題解決=ディレクションなので、ただ単に「モテたい!」だけでは、課題が大きすぎて分解できないんですよ。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]なるほど…まずは自分にとっての「モテてる」状態とは何かを具体的にするところが恋愛をディレクションで攻略する第一歩ってことですね。[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]ビジネスでもありますよね。クライアントの要望が「売りたいんです!!」みたいな大きすぎる課題のとき。知名度をあげればいいのか、顧客単価をあげればいいのか、ブランドイメージを定着させればいいのか、など、方法は無限にあるので「売れてる状態」の分解からしっかりヒアリングが必要です。恋愛の場合は自分自身の中でゴールを明確にしてください。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]ゴールの定義を設定するところから恋愛を始める!ディレクターっぽい![/chat]
■恋愛をディレクションで攻略する極意1
ゴール設定が最初の1歩!
どうなれば成功か、どうなった状態が理想なのかを、まずは定義する!
恋愛をディレクションで攻略する極意2 キーワードは○○○○○意識!
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]では、今回は「片思いの相手と付き合う!」というのをゴールに設定したとして、どうやって恋愛をディレクションで攻略していくのでしょうか?[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]そのゴールを達成するためのタスク分解をすると?[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”](突然のテスト形式!?)「楽しいデートを重ねる」とかでしょうか。相手の方に一緒にいて楽しいと思ってもらえれば付き合える気がします![/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]それも1つの方法ですね。ここで大事なキーワードがでそうです。何かわかりますか?[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]……!「相手意識」=「ターゲット意識」ですか!?[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]そう、ターゲットという言い方は最近はやや古くなりがちですが、企画には必ず受け手がいます。自己満足では、「一緒にいて楽しいと思ってもらう」はなかなか達成できません。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]わたしも普段誌面を作るときは「だれに」「なにを伝えるか」の2点を強く意識しています。それと一緒なんですね。自分のエゴの押しつけは御法度!![/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]いえいえ、あながち御法度でもないですよ。「相手意識」を持ったディレクションには2パターンあるとボクは思っているんですよ。[/chat]
ディレクターには大きく分けて2タイプいると思ってる。
A)自分のフィールドに巻き込むのが上手い人
B)相手のフィールドに乗っかるのが上手い人ターゲットに対し
前者は意外性や発見、インパクトを与え
後者は安定や安心、持続性を与えるこれは良い悪いの優劣ではなく、単にタイプの違い。 pic.twitter.com/2LLZ3XDVNG
— Andy(クリエイティブ・ディレクター) (@we_creat) August 12, 2020
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]確かに著名なディレクターやクリエイターさんを思い浮かべると、どちらのタイプもいるような気がします。[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]優劣ではなく、タイプなんですよね。どっちが自分にとってやりやすいか。どちらも「ターゲット意識」はあるんですよ。
[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]例えば、Aパターンの場合、自分がすごく登山が好きで、相手がインドア派で、登山に興味ないとします。この状況で自分のエゴを通してデートに登山を選ぶのはリスク高いですよね。
そこで、相手意識を加えてアレンジすると、例えば読書好きのお相手のために、ゆっくり山小屋で読書をするというのを目的にする。
お相手は自分では山に登ってまで読書しようという発想はないと思うので、新しい発見があるデートとなり、サプライズ度はあがります。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]なるほど…!それは好きになっちゃうかも!?Bパターンの場合は、読書好きの相手と本屋めぐりをしてからゆっくり家で過ごす、とかですかね。[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]そうですね。サプライズ度はさがりますが、確実に及第点はいけます。ディレクターはアーティストではないので、過剰な表現力や奇抜な企画などは求められていません。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]Andyさんはどっちパターンですか!?[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]ボクは案件や目的によって使い分けますかね。
「ブランディング」に近い案件のときはパターンA。
伝えたい相手が明確な具体的な販促系の案件のときはパターンB。
もちろん、あえて逆で仕掛けることもあります。
今はそうやってできるけど、昔はAで押そうとして、撃沈したりしてたなあ。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]Andyさんも撃沈時代があったんですか!?[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]テレビマン時代(※かつて制作会社でドキュメンタリーを作る仕事をしていた)、ボクはサーフィンが好きで、サーフィン企画ばかり出してたんですが、2年くらいずっとボツが続いてたんですよ。
サーフィンが好きだからやりたい!って熱意だけでは通らなくて。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]ふむふむ。[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]ようやく通った企画が、サーフィン好きの少年を追いかける成長ドキュメンタリーでした。成長の話には、どんな人でも自分を重ね合わせて共感できる力があります。[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]そこではじめて、「これまでは自分がやりたいことだけを書いていたから通らなかったんだ!」「テレビ見た人がどう楽しいかを考えればいいんだ!」って気づきました。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]そんな原点があったのですね。[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]そのコツをつかんでからは企画がどんどん通り始めまたんですよ。信頼されて企画もどんどんまかされるようになったし、自分の中に成功セオリーが増えていく感覚もありました![/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]いい話ですね…(Andyさんの恋愛スタイル聞きたかったのに、はぐらかされた…!?)[/chat]
■恋愛をディレクションで攻略する極意2
企画にはつねに、受け手がいる!
「ターゲット」にどうやって届けるか、を意識せよ!
恋愛をディレクションで攻略する極意3 ○○○○は、ねらわないほうがいい!
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]相手を意識したディレクションをするためには、ヒアリングが必要ってことですね。[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]そうですね、ターゲットの深堀り、ニーズの聞き取りは大事です。まあ、恋愛の場合、すべて相手に聞いていたらサプライズ感もなくなりますし、うっとおしいですけどね(笑)。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]確かに(笑)。実際の企画もすべてのターゲットにふかーくヒアリングをするわけにはいかないから、想像力もディレクターにとっては必要なのか。[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]あとは、特に大事なこと。
それは、1度で成功すると思わないことです。ヒアリングして、想像して、デート(=プレゼン)が、イマイチでもそこで「ダメだった」と思わないほうがいいです。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]ぎくぅ。でも失敗したくないじゃないですか。[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]ヒアリングも「仮説」があってこそなんですよ。
「仮説」と「検証」を繰り返して、ゴールに近づいていくのがディレクターのやる課題解決です。なので、「失敗」は「失敗」じゃない。
「仮説」が当たらなかったという「検証」ができた。材料が増えただけです。むしろゴールに近づいている。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]経験を積めば1回で企画が通ることも増えるかもしれないけど、最初は1発OKは期待せず、積み重ねていくってことですね。
確かにいきなり大きな企画=告白はリスクが高いし、成功しなくて当たり前かも。なのについついできるだけ手数少なく成功したいって思っちゃうんですよね。反省。[/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]あとは、相手からのダメだしをネガティブに捉える人も多いですよね。足りない部分を知ることができるのはメリットなのに。
足りなかった部分は再度ヒアリングしてもいいし、改善をする方法だって考えられます。それがディレクターです。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]か、かっこいい…![/chat]
■恋愛をディレクションで攻略する極意3
1発OK!1発成功はねらわない。
コツコツと「仮説」と「検証」を繰り返し、ゴールに近づけ!
恋愛とディレクションの共通点はほかにもたくさん!
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]Andyさん、ディレクションで恋愛を攻略するレクチャーをありがとうございました![/chat]
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]今回はデート(企画)を成功させるディレクションにしぼりましたが、まだまだ恋愛に必要なディレクションスキルはたくさんあるんですよ。[/chat]
例えば…
・合コンでの自己紹介はプレゼン
・デートの設計はスケジューリングとコンテンツ設計。
・高級ディナーやクルージングを考えるなら予算管理も必要。
・遊園地に行くなら、雨の場合のリスクコントロール。
・おいしいお店をたくさん知っているなどはリサーチ力。
[chat face=”th_Wandy.jpg” name=”Andy” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]ディレクションは企画実行力なので、無意識にやっていることも多いと思いますよ。[/chat]
[chat face=”asanomi.png” name=”あさのみ” align=”right” border=”none” bg=”gray” style=”maru”]確かに…すべてにおいてディレクションスキルを意識して恋愛してたら怖いけど(笑)。日常生活でも使えるもの、やっていることが多いんですね。だから、ディレクションは器用貧乏さんの武器になるのか![/chat]
「企画」をデートに置き換えてお話を聞きしたので、次回は、この流れで「ディレクターが鍛えるといい企画力」について詳しくうかがいたいと思います。
お楽しみに!
次回予告
「私はどちらかというと、しっかりきっちり進行をするタイプなので、自分の幅を広げるために、ディレクターとして”企画力”を磨いていきたいです! 苦手意識があるのですが、どうすればよいですか?」
質問者:ダイ
Andyの回答
「奇抜なことを考えるのが企画ではありません!左脳的に、論理的思考を使って企画を立てるステップをご紹介しましょう」
告知
「武器がない」と悩む方からの質問を募集しています。
年齢、立場、悩み事(ざっくりでも具体的なシーンに関してでも)を書いて、Andyさんに悩み相談をするような感覚で、お気軽にこちらにお送りください。
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こちらの連載で取り上げ、Andyさんに回答してもらいましょう!
@we_creatの質問箱
「we.」では「ディレクション」についての質問を募集しています。初めてでどうやったらいいかわからない!
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ディレクションって、どうしたら上手くなるの?そんな疑問・質問、お待ちしております!https://t.co/ICHyllvUXZ #質問箱 #peing
— Andy(クリエイティブ・ディレクター) (@we_creat) May 22, 2020
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「ディレクション」は武器になるシリーズ
はじめてのディレクション
〜スペシャリストでないあなたが「見えないスキル」を形にする方法〜
第1回|器用貧乏で、何者にもなれない自分がコンプレックスです
第2回|ジェネラリストを名乗れるほど、すべてが完璧にできるわけではないのですが…
第3回|いろいろやりすぎて、何年経っても専門性が身についている気がしません
第4回|”進行管理”と”ディレクション”の違いはなんですか?〜前編〜
第5回|”進行管理”と”ディレクション”の違いはなんですか?〜後編〜
第6回|”リーダー”と比較するとわかる。”ディレクター”のこれだけははずせない必須スキルとは!?〜前編〜
第7回|”リーダー”と比較するとわかる。”ディレクター”のこれだけははずせない必須スキルとは!?〜後編〜
ディレクションスキルを学ぼう!
ディレクション入門①
ディレクションって、結局どんな業務なの?仕事内容を徹底解剖。
ディレクション入門②
キャンプの昼ご飯決めでわかる、ディレクションの質の話。
ディレクション入門③
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ディレクション入門④
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ディレクション入門⑤
ネーミング&コピーライティングのコツ
ディレクション入門⑥
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ディレクション入門⑦
プレゼンテーションの基礎・基本を学ぼう
ディレクション入門⑧
打ち合わせのまとめ方
ディレクション入門⑨
スケジューリングのコツを考えてみよう