COLUMN

ドラゴンボールビジネス論④レッドリボン軍の組織体制から学ぶ、ブラック企業の見抜き方。

当時、世界最悪の軍隊と恐れられていたレッドリボン軍。
その組織の大きさとは裏腹に、その組織運営はとても杜撰なものでした。
今回はレッドリボン軍のマネージメントを題材に、ブラック企業の組織体系とその経営者のあり方を見ていきましょう。

ブラック企業の要素①トップが現場の報告をちゃんと聞かない

電話だけで要件を済ませているのも問題ですが、基本的にレッドリボン軍は部下の報告をちゃんと聞きません。
何かあれば「貴様は死刑だっ!!」です。
これは明らかにブラック企業の特徴です。

現場の状況も顧みず、自分の判断だけで指示を出し、思い込みだけで処理をする。
さらにミスをしたら「お前は首だっ!」とか言われたら、それに付き合う現場はたまったものではないでしょう。
そして、トップがそうだから当然ですが、そんな企業が伸びるわけがありません。
本来なら原因不明の事態が起きた時こそ、その状況をキチンと把握し、最善の手を打つ努力をすべきです。

ブラック企業の要素②現場がどんな仕事を任されているか理解していない

レッドリボン軍は大きな組織です。
しかし、現場を任された部下たちはみんな「どんな仕事を任されているのか」その全貌を把握していません。
「そんなのお前たちは知らなくていい」と言ってますが、きっと自分も知らないのでしょう。


なので「ドラゴンボールを探す」という作業をただこなしているだけです。
これでは部下のモチベーションも上がるはずがありません。
これも典型的なブラック企業の要素と言えます。

イソップ寓話「3人のレンガ職人」のエピソードですが、何の目的もなくレンガを積むだけ人と、みんなのために教会をつくるという大志を抱いてレンガを積む人では、仕事に対するモチベーションが違うという話があります。
組織として、キチンとビジョンを示し、従業員のモチベーションを保てないようでは、どんなに大きくなっても、長続きはしないでしょう。
「何のために働くのか?」今一度問いかけてみたい部分です。

ブラック企業の要素③設備メンテナンスが杜撰すぎる

こちらのメタリック軍曹はかなりの実力の持ち主でした。実はサイボーグだったわけですが、いいところまで悟空を追い詰めたところで電池切れしてしまいます。


いざという時に使えない設備。これほど無駄なものはありません。
設備にはコストがかかっています。それが使えないということは、そのコストを丸々ドブに捨てたようなものです。
設備メンテナンスがキチンとできない組織はそのまま危機管理能力も甘く、またコスト感についても大雑把だということです。
これではいくら売り上げを上げたとしても、無駄なところにお金が流れることになり、従業員の給料も上がらなければ、組織自体の経営も危うくなるでしょう。
ブラック企業の典型ですね。
そのあたりをちゃんと管理できる人材がいなかったことは、そのまま大きくなりすぎたレッドリボン軍の弱体化を招いていたと推察できます。

ブラック企業の要素④トップダウンの予算の使い方がデタラメ

③でコスト管理が甘いと指摘しましたが、レッドリボン軍の総帥であるレッドの金銭感覚はデタラメです。
桃白白の殺人依頼は一人に対して一億ジェニーです。これが日本円にしていくらになるかはわかりませんが、きっと安くはないでしょう。


それが例え半額キャンペーン中とはいえ、部下の処刑にこのコストをかけてしまいます。
これはあまりに馬鹿げています。
仮にこれがレッド総帥のポケットマネーだとしても、手段に対しての目的が「腕を見せてもらう」では割に合わないでしょう。
投資と浪費の区別がつかない。
こんなトップのために働いているのかと思うとため息が出るはずです。
せめてZOZOの前澤さんみたいに、バスキアの絵を123億で落札するとか、アーティストをポケットマネーで月に連れていくとか、宣伝効果まで見越した豪快で楽しい使い方をしてほしいものです。

ブラック企業の要素⑤部下を使い捨てる

レッドリボン軍の中で、ブルー将軍はかなり優秀な方でした。悟空をかなり追い詰めたし、ドラゴンボールも一度は手に入れた。
ドラゴンレーダーを持ち帰った手柄などはもっと評価されるべきです。
ですが、結論は死刑でした。

一応、桃白白に勝ったら許されるという恩赦はありましたが、これはもう使い捨てです。
ブルー将軍が手にしていたのはドラゴンボールではありませんでしたが、それを容易に発見できるレーダーだったわけですから、未来の利益を生む成果は上げていたわけです。

そんな部下を正当に評価せず、初期想定通りの売り上げがなかったという理由だけで解雇するような組織が正しく成長するわけがありません。
圧倒的なブラック企業ですし、滅ぶべくして滅んだ、と言わざるを得ません。

ブラック企業の要素⑥引き際の判断が下手

組織崩壊の典型がこの「引き際を間違う」という部分に集約されています。
これまで積み上げてきたものを手放すことができず、目の前の利益にしがみつきます。
しかし沈み始めた船が再び浮き上がることはありません。
ある種の「損切り」と言われる引き際の判断は、トップ経営者が最も敏感であるべきセンスです。
悟空が攻め込んできたとき、この撤退のタイミングを誤ることで、レッドリボン軍は壊滅に追い込まれました。


それを「何であんなガキ一人に…」と、この期に及んで全く正しい価値判断ができていません。
また、「レッドリボン軍は無敵の軍隊だっ!」と、自分の組織を信じるまではよかったのですが、これまでの活動から部下を一人も信じていないことは明白。
そんな薄っぺらな言葉では、この組織崩壊は食い止められません。
これもまた、滅びるべくしてほろんだ、一つの要因と言えるでしょう。
そして、トップの判断能力が稚拙な組織は総じてブラック企業化しやすいのかも知れませんね。

ブラック企業の要素⑦トップのビジョンが共有できていない

組織を組織たらしめるもの、それはビジョンだと思うのです。
トップが掲げる理想に対し、共感したメンバーが集まることでスタートアップは始まります。
そして幾多の危機を乗り越えながら、成長、拡大を繰り返すのです。
途中から加わるメンバーの数の方が多くなっても、揺るぎない組織であり続けるためには、やはり揺るぎないビジョンが大事です。
レッドリボン軍は「世界征服」という大きなビジョンで結ばれている。最初はみんなそう思っていました。
だから部下も「何のための作業か」までは把握しなくても、そのうちこの組織は世界を征服するんだ・・・というビジョンに支えられて頑張ってこれたわけです。
ところが、実際に蓋をあけると総帥の目的は「背を伸ばすこと」でした。


これはスタートアップのビジョンが「新しいサービスで世界を変える!」と豪語していたのに、実はトップの本心は社長という名刺を持って、女の子にモテたいだけだった。と知った時と同じでしょう。
ブラック中のブラックですね。
部下が離れていくのは必然です。
ビジョンの元に集う組織は強く、私欲の元には誰も集いません。
あなたの所属する組織のビジョンは確かですか?
そして、トップはその実現のために日々努力をしていますか?
企業の本質を見抜く時、この視点は重要です。

ダメ組織⑧部下からの信頼が無い

当然ですが、そんなトップが部下に慕われるはずもありません。
部下は離れていくでしょう。レッド総帥は殺されてしまいました。


これは散々部下の首を切ってきたトップが、取締役会で代表取締役を解任されたようなものです。
因果応報ですね。
こんな組織に入ることがないよう、皆さんも事前の情報収拾は大切にしましょう。

間違っても電話で報告を聞いただけで、「バッカもん!貴様は死刑だっ!」と叫ぶような会社にだけは入らないように…

画像引用元
DRAGON BALL
鳥山明/集英社

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