ギニュー特戦隊をご存知ですか?
宇宙最強とされるフリーザの配下で、全宇宙から精鋭を集めた5人のエリート部隊です。
その強さは評判通りでしたが、最終的に全滅しました。
今回はその理由を探ります。
実際、ギニュー特戦隊をひとつのクリエイティブチームとして捉えると、素晴らしいチームだったように思えます。
まずはその「最高のチーム」の部分から掘り下げていきましょう。
最高のチーム論❶チームワークがよい
ギニュー特戦隊の特徴は、そのチームワークの良さです。
ファイテングポーズだけでなく何かのプロジェクトに当たる際には必ず全員で掛け声を掛け合います。
この一致団結、意思統一はかなり重要です。
しかも、全員が率先してやる気を出している、という部分は全てのチームが見習うべき点でしょう。
人は強制では付いてきません。もちろん、そんなチームではプロジェクトも上手く行かないでしょう。
最高のチーム論❷一人一芸(スキル)を持っている
バータは宇宙一のスピード、グルドは超能力、といった具合に、特戦隊のメンバーは一人一人が他人に誇れるスキルをもっていました。
他のメンバーの能力までは言及されていませんが、宇宙一のチームメンバーである以上、何かしらの特殊スキルがあったと考えて良いと思います。
クリエイティブチームにもこれは重要になります。
カメラマン、デザイナー、イラストレーター・・・さまざまな能力が集まることで、最高のクリエイティブを創り出すことができます。
チーム内での一人一芸は、この先、令和の個の時代を生き抜くポイントになるでしょう。
最高のチーム論❸仕事をゲームと捉える感覚
ギニュー特戦隊のメンバーは、仕事でも遊び心を忘れません。ベジータと戦うときもジャンケンでその出番を決めました。
どんな仕事であっても楽しもうとするマインドは、クリエイターであれば常にもっておきたい部分です。
スケジュールもタイトで、求めらるクオリティも高い。
そんなときに無理だ…というか、楽しいっ!!燃えるっ!!と言い合えるか。
ここが大きな差になります。
そして、良いチームならそれができるのです。
最高のチーム論❹仲良しグループではない
❶でチームワークが良い。と書きましたが、それは決して馴れ合いの仲良しこよしではありません。
ある意味、ギニュー特戦隊のメンバーはドライです。
仲間が一人殺されても、それを平然と受け止め、今のメンバーでできる最高のクリエイティブ(ポーズ)を最優先で考えています。
まさにプロです。
これはクリエイティブチームにおいても大事なことで、仮に誰かがミスをしても、そこに同情したり、同様しているヒマはありません。
プロジェクトは進行してるのです。
どう補填し、どう挽回するか、それをメンバー同士が最優先で考えることができれば、一人のミスを帳消しにできる可能性があるのです。
最高のチーム論❺ホウレンソウを徹底している
ギニュー特戦隊は仲間を尊重しています。なので、自分勝手な行動は取りません。
予定外に何かをするときも、きちんと「報告・連絡・相談」をしています。
これがキチンとできるチームは強い。
なぜか?
意思の疎通が乱れないのはもちろんですが、「抜け駆け」に見られて、周囲からの不振感を買わないという部分が大きいと思います。
できるメンバーほど、他のメンバーの意識を気にします。それは気遣いとは違う、「最高の仕事をするため」のセオリーみたいなものです。
ちなみに、「自分たちよりも強い孫悟空の出現」というイレギュラーなイベントに対しても、同じでした。
ジーズは、自分が最後の一人になった時点で持ち場を放棄し、リーダーであるギニューに知らせに走ります。
これも「ホウ・レン・ソウ」の優先順位が徹底していたからです。
この判断ができないと、特戦隊は何もできないままに壊滅し、ギニュー隊長は何の情報もないままフリーザに怒られたでしょう。
何がダメだったのか?
さて、ここまではギニュー特戦隊がいかに最高のチームであるかを見てきました。
しかし、現実的にはギニュー特戦隊は壊滅します。
なぜなのか?
それは全て、「ギニュー隊長のディレクションがダメだったから」と言わざるを得ません。
では、何が悪かったのか?3つに絞って具体的に見ていきましょう。
ダメリーダーの特徴❶報告よりプライドを優先
メンバーの3人がやられたと聞いたギニューが取った行動がまず最初の失敗でした。
フリーザへの報告を怠り、自らが出向いて処理してしまおうとします。
これは上司に怒られるのが嫌で報告を怠る新入社員と変わりません。
「みっともないこと言えるか」と、言っている時点で、真っ先に考えているのは「事態の収拾」ではなく「自己保身」です。
そんなリーダーが、この緊急事態を的確に処理できるとは思えません。
チームやプロジェクトのことを考えず、自分の落ち度を隠そうとした。
リーダーにあるまじき行為です。
完全にダメディレクションですね。
ダメリーダーの特徴❷決断は早いが思考が短絡的
優秀なリーダーの条件に「決断力の速さ」があります。
的確な指示を的確に出せれば、チームの稼働力は倍増します。ただし、その指示は深い思考と確信に支えられてなければなりません。
ギニューは悟空の方が強いと判断し、即座に体を入れ替えました。
ですが、結果、そのカラダは他人のものだったため、思うようなパワーを出すことができませんでした。
クリリン、悟飯のタッグと同レベルという有様です。
これは完全にギニューの短絡的で思慮深さのない判断のせいだと言わざるを得ません。
例えるなら、他のチームのクリエイティブが良さそうだからそのままパクっちゃえ。というノリと変わりません。
でも、表面だけパクっても、磨き抜かれたコンセプトがないビジュアルは子供の落書きと変わりません。
当然コンペで勝てるわけがないのです。
直感の判断が悪いわけではありませんが、これはリーダーとしては致命的な判断ミスということになります。
ダメリーダーの特徴❸指示をころころ変える
これが一番ダメなやつです。
最初、余裕があったときのギニューはジースに「手を出すな」と言い放ちます。
ですが、悟空とカラダを入れ替えたピンチとなると一転、「お前も戦え」となりました。
これはさすがにジースもドン引きです。
リーダーが自分の感情で指示をコロコロ変えると現場は混乱します。
リーダーに「信念」がないこと。これがギニュー特戦隊最大の失敗ではないでしょうか?
このあとの展開はご存知の方も多いはず。
ギニューは結局、ベジータの身体を奪おうとして失敗し、カエル(のような生物)と身体を交換する羽目になりました。
宇宙最強のチームだったはずのギニュー特戦隊は、こうしたリーダーの判断ミスの連続で壊滅してしまいました。
どれだけ最強の「個」を集めても、そのリーダーがキチンとチームを運営できないと機能しません。
これはクリエイティブチームに限らず、ビジネスの現場では覚えておきたい教訓です。
自分や部下の能力に奢らず、真摯に、熱量を持って、仕事に向き合いたいものです。
さもなくば、井の中の蛙、と呼ばれても仕方ないかもしれません。ゲコ
画像引用元
DRAGON BALL
鳥山明/集英社
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