宇宙一の孫悟空。
そして地球一のクリリン。
この二人を最初に指導し、育てたのは武天老師こと「亀仙人」でした。
なぜ亀仙人の亀仙流はこうも素晴らしい一流の人材を生み出すことができたのでしょうか?
今回はその秘訣に迫ります。
亀仙流の教え❶先頭に立ってお手本を示す
亀仙人は、悟空やクリリンに修行をつけるとき、その全てをまずは自らやって見せました。
口だけで偉そうに指示する上司は少なくありません。
でも、まずはお手本となるその姿を自ら示すこと。
それがあるから部下も目標をもったり、イメージが出来たりします。
逆の立場なら、口ばかりで、大した実績を示せない上司や先輩についてきたいと思うでしょうか?
もし、あなたが部下や後輩を育てようと思った時、ちゃんと先頭にたち、お手本を示してあげられているか、まずはしっかり考えてみましょう。
カッコをつけるのではなく、キチンと先導してあげたいですね。
亀仙流の教え❷目的・目標をきちんと言語化して話す
亀仙人は常に目的を言語化して伝えます。
天下一武道会に参加することも、あくまで勝つことが目的ではないと最初から伝えていました。
明確な目的を伝え、「なんのためにやっているのか」をキチンと示してあげることは指導者としての上司・先輩の役目です。
これが、なんのゴール設定や、目的もないままに、ただ厳しいノルマを課すだけだったら、部下や後輩はついてきません。
もし仮についてきたとしても、ただ目の前の作業をこなしているだけになってしまいます。
しっかりとしたビジョン、ゴールの提示は、上司・先輩としての義務でもあると思います。
亀仙流の教え❸納得するまでやらせる
亀仙人はやりたいと思うことを常に納得するまでやらせてくれます。
「今はそんなことをしてもムダ」と頭ごなしに否定しても悟空やクリリンは納得しなかったでしょう。
実際に出来ないと体感させ、その後それができるようになる、という成功体験のプロセスを用意してます。
この流れから成功体験を積み上げることで、部下や後輩は伸びていきます。
何事もやる前から否定するような、了見の狭い上司になっていませんか?
どうせムダだとバカにして、プロセスを無視する先輩になってませんか?
例えその瞬間は遠回りでも、未来への投資になる体験は大事にしたいものです。
亀仙流の教え❹きちんと誉める
亀仙人はよく弟子を褒めます。
出来たこと、すごいことを常に称賛してくれるのです。
教わる側として、これほど嬉しいことはありません。
褒められるとやる気が湧き、さらに努力をしようと思います。
それを繰り返すことで、どんどん成長していくわけです。
だから弟子が育ちます。
人材育成術において
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」
という山本五十六の名言があります。
亀仙流はまさにこれを実践しています。
だからこそ、悟空もクリリンも大きく成長しました。
「技ではなく、心を育てる」
亀仙人の凄さは実はここにあります。
亀仙流の教え❺ちゃんと問題の本質を解決する
亀仙人の有能上司っぷりは人材育成だけに止まりません。
まずは問題が起きたときの対処法が秀逸です。
例えば天下一武道会で悟空が大猿になってしまったときのことです。
ヤムチャやプーアルは尻尾を切ってそれを止めようとしました。
この行動は悪くありません。
ただし、悟空の尻尾は一定期間をすぎるとまた生えてきます。
つまり、尻尾を切るのは一過性の対処療法でしかなく、「いつか大猿になる」という可能性は残したままです。
一方、亀仙人は「月を破壊する」ことで大猿を止めました。
月の破壊は問題の本質を捉え、解決する、根本治療に当たります。
上司たるもの、問題が発生した時には、「目の前の火消し」ではなく、問題の「抜本的解決」を目指したいものですね。
再び同じ問題が起きないように、その根源を正すわけです。
もし、部下が何か問題を起こした時、あなたはちゃんと「月を破壊」出来ますか?
問題を見つける眼力と実行力が必要です。
亀仙流の教え❻若者を導くという強い意志
亀仙人には「若者を導く」という強い意志がありました。
だからこそわざわざ天下一武道会に出場し、弟子の優勝を阻みます。
そして何度も何度も繰り返し諭しました。
「世の中、上には上がいるもんじゃ!」
弟子に慢心させることなく、さらなる上へ導いていくわけです。
さらにその意志は流派を超えて貫かれます。
鶴仙人の元で道を踏み外そうとした天津飯の説得は見事なものでした。
意志ある言葉は人を動かします。
若者を諭し、動かし、正しい方向へと導く。
これこそが上司、先輩のあるべき姿です。
あなたは強い意志を持って、部下、後輩を導けているでしょうか?
亀仙流の教え❼ムダなプライドを持たない
亀仙人のすごさは、ムダなプライドを持っていない所にもあります。
天津飯に勝てないと素直に認めただけでなく、幾度となく自分の力の及ばなさを吐露します。
だからこそ慕われる。
これが意固地になって世界最強の称号に固執していたとしたら?
きっとそれは老害です。
キチンと自分の実力を知り、部下や後輩が自分を超えていくときは素直に認め、喜んで送り出す。
この余裕、寛大さ、器の大きさこそが、亀仙人最大の武器です。
そして、上司たるもの、この器があるかないかで、どれだけの人を導けるのかが決まってくるでしょう。
自分の器、意識したことありますか?
亀仙流の教え❽次の時代のための捨て石となれる覚悟
亀仙人のすごさは、口だけではない所です。
自ら捨て石となり、次世代の礎となれる覚悟と、その実行力がありました。
例えば自分の部下が失敗したとき、その失敗を指示を出した自分のミスだと言い切れる人が何人いるでしょうか?
また、そのミスの責任を部下に取らせず、自らが責任を被ることができる人がどれだけいるでしょうか?
口だけの上司になることなく、ちゃんとそれを実践できる。
それこそが理想です。
亀仙人は、単なるエロじじいではありません。
あ、あと、ぱふぱふは今の時代のコンプライアンス的には完全アウトですのであしからず…
画像引用元
DRAGON BALL
鳥山明/集英社
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