ドラゴンボールビジネス論

ドラゴンボールビジネス論⑥宇宙最強のフリーザに学ぶ、プレゼンテーションの極意

ビジネスにおいて、極めたら最強とも言うべき「プレゼンテーション」。
かつて万人を魅了したスティーブ・ジョブズの伝説は有名です。

そのジョブズに勝るとも劣らないテクニックをフリーザさまから学びましょう。

Point❶きちんと名前を伝える

まずはプレゼンの基本から。
最初に名前を名乗ります。これ、当たり前過ぎて誰も意識してませんが、めちゃくちゃ大事なことです。
特に緊張して挨拶や名前をすっ飛ばして内容から入ってしまった…なんてことがないように、まずは名前をちゃんと伝えましょう。

みてください、フリーザさまのこのパーフェクトな導入。

自分の目的を伝えた上で、しっかりと名前を名乗ります。
ここを疎かにしたら、聞く側はいつ、どのタイミングでプレゼンが始まったのかイマイチ掴めず内容に入ってしまいます。

たかが名前と侮るなかれ。ですね。
プレゼンは名前から始まります。

Point❷丁寧にわかりやすく伝える

こちらも基礎、基本ですね。プレゼンの本質は「伝えたいことを伝えたい人にわかりやすく伝える」ことです。

早口過ぎないか?
話すことに一生懸命で、聞いてる側を置いてきぼりにしてないか?
ちゃんと聞いてもらえているか?
しっかり把握しながら進めましょう。

注目すべきは、このフリーザさまのこのフレーズです。

「殺しますよ?」

どうでしょう!?
シンプルで、一切のムダがなく、伝えるべきことばのみを丁寧に伝えています。
これぞ伝わるための基本中の基本。

ジョブズがiPhoneなどを発表するときのプレゼンで、iPhoneの持つ機能の説明をダラダラせず、操作ボタンが無いなど、その特異性にのみ特化して話した部分と重なります。

Point❸数字を使って具体的に伝える

数字を示すことで具体性は格段に増します。
同じ予測を話すとしても「売り上げがかなり伸びます」と言うのと、「想定の売り上げは53万です」と言うのでは説得力が段違いですね。
もちろん、その数字には根拠が必要です。
あと、フルパワーでなくてOKです。

Point❹例えを使って伝える

難しい話は、例えを使うと分かりやすくなります。


スカウターのないクリリンたちには53万の具体性がイマイチ伝わらないと判断したフリーザさまは、アドリブでアリと恐竜の例えを出してきました。
なんと分かりやすい例でしょう。
さすがです。
何が伝わるかを瞬時に判断し的確な例えを持ち出すあたりに百戦錬磨を感じます。
また、アリを三匹に限定することで、数字を使って具体性を増すテクニックを再度利用していることがわかります。
単にアリだけにすると「アリだって百万集まったら恐竜に勝てるかも…」みたいなクソリプを封殺しているのです。
パーフェクトです。

さて、ここからは段々とプレゼンの中でも上級テクニックに入っていきます。
しっかり学びましょう。

Point❺抑揚をつけて飽きさせない

どれだけ丁寧に話しても、単調なリズムが続くと聴衆は飽きてきます。
集中力はそんなに持たない。
そこで、ここぞと言う時には話し方に抑揚をつけ、惹きつけます。

フリーザさまはこの緩急がピカイチです。
上級者のプレゼンは飽きるどころか、常にワクワクさせて聴衆を引きつけるチカラを持っています。
声の抑揚に限らず、手を叩いて注目を集めたり、ジョブズのように逆に喋るのをやめて静かな間を活かして緊張を煽るなど、緩急のテクニックにもいろいろあります。

ぜひ、真似してみたいテクニックですね。

Point❻結論から始める

分かっていても、なかなか出来ないのがこの「コンクルージョン カムズ ファースト」です。
まず結論を伝え、そこから説明を展開する。
かなり自分の話術とその後の展開に自信が無いと上手くいきません。
なぜなら先にネタバレをしてから物語を話すようなものだからです。

「今から面白いことを二回言います」と言ってから漫才を始めて、きっちり笑いを取るとしたら、かなり高い漫才スキルが必要だと思いませんか?

フリーザさまはそれを平気でやってしまいます。

ここからの展開に圧倒的な自信があるということです。
出し惜しみをしないプレゼンは期待感を煽ります。

Point❼起承転結を用意する

プレゼンにも起承転結は大事です。ストーリーがあると聴衆は引き込まれます。
しかも予測を超えた転回、結末には誰もが虜になることでしょう。
フリーザさまは自ら変身することで、この起承転結を体現しています。


特に転回(第三形態)を引っ張らない手法は見事でした。
結末に絶対の自信があるからこそできることです。

本当に伝えたいことが最後にあるのなら、いくら転回に自信があってもそれを物足りないくらいにまとめて、後半への期待感に繋げる。
だからこそ、最後の結末が活きるということです。
絶望感を与えるという点で、さすが宇宙最強のフリーザさまですね。

Point❽問いかけを入れる

これも聴衆を飽きさせないためのテクニックですね。
プレゼンも終盤にくると、さすがに聴衆の集中力は落ちてしまいます。
そんなとき、問いかけを使って当事者意識を取り戻させるのです。

「きさまらを許すと思うか?」

答えはノーの一択ですが、それをあえて聞くわけです。

Point❾感情に訴える

さあ、いよいよプレゼンもクライマックスです。
ここで、最後のテクニックを使います。
それが「感情に訴える」です。

今まで、理路整然と、冷静に、丁寧に積み上げてきた説明があるからこそ、この感情に聴衆は心を打たれるワケです。
この時ばかりは全力で取り乱しましょう。

Point➓終了時間を把握する

さて、ここまできたらプレゼンはほぼ成功です。
きっとあなたのプランは採用される。
最後の詰めとして、終了時間はきっちり守りましょう。

これは最初の「名前を言う」のと同じくらい大事な基本です。
どんなに素晴らしいプレゼンをしても、規定時間をオーバーしたらそれまでの評価は台無しになってしまいます。
厳しいコンペなら失格扱いになるかもしれない。
余裕を持ってフィニッシュしたいですね。


フリーザさまもギリギリを狙わず、ちゃんと余白を残した時間設定でクロージングに入っています。

多くのポイントを見てきましたが、最初から最後まで、真似したいポイントだらけですね。

唯一の失敗から学ぶ

さて、ここまで完璧に見えたフリーザさまのプレゼンテーションですが、唯一の失敗がありました。

それは、想定外に対応出来なかったことです。

つまり、スーパーサイヤ人を想定してなかった。

いや、薄々は気がついていたのです。
でも、惑星ベジータを滅ぼしただけでは不十分だった。
準備不足と言うにはあまりに不運な、偶然の折り重なった想定外ではあります。

これはプレゼン終了時の質疑応答で、「先程の会社のプレゼン内容とほとんど同じでしたね…」と言われたようなものです。
万が一の奇跡的な確率です。

ですが、そこでなんとか出来るか出来ないかで、コンペの勝ち負けが決まります。

企画が同じ、もしくは相手が上だった場合、最後は他のアドバンテージで勝負をするべきでした。

例えばフリーザさまとスーパーサイヤ人の場合。
「強さ」で勝てないのなら、自分の独自性を打ち出します。

フリーザさまの独自性は「宇宙空間でも生きられる」でした。
ここを押せば勝てたのです。
でも、フリーザは自分のプライドを優先させました。
そしてスーパーサイヤ人と同じ土俵で戦い、敗れます。
惜しい。

想定外の場面において、冷静にプレゼンを続けることが出来るか?
これはビジネスマンとしては心に刻んでおきたい部分です。

最後はテクニックではなく、心が重要だと言うことです。

最後に

例えプレゼンに手応えが無かったからと言って、後日、別ルートで営業をかけるようなダサいマネはやめておきましょう。
界隈でチカラを持ってるパパを連れてくるとかもう最悪です。

勝負はあくまでプレゼンで。
さもなくば、「史上最強のザコキャラ」の名を欲しいままにしてしまいますよ?

 

画像引用元
DRAGON BALL
鳥山明/集英社

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Andy
we.編集長/Design Offiice io COO./Creative Director|東京⇆京都の2拠点生活。| 企業の経営課題を解決するデザイン・コンサルやクリエイティブ・ディレクションやってます。|ミニマル思考と独特の着眼点で「?」を「!」にする発想・提案が得意。|日本のビジネスにクリエイティブの革命を起こしたい。